【登場人物】
提督(44)
股間が光る誰得仕様
鈴谷(16)
最近、同室の奴に腑に落ちぬナニかを感じる
熊野(8)
庶民舌オブエレガンス、最近浴槽にバブを入れるのを気に入っている
相変わらず特にやる事もない執務室、五月雨は見たい番組があるとの事で今日は休暇をとっており、たまには1人の開放感でも感じようと考えた俺はとりあえず脱ぎ、鏡の前で“神よ、私は美しい”と言っていたら運悪く鈴谷が入って来た
「…マジありえないんですけど、マジ鈴谷ドン引きなんですけど」
「ノックしたまえ、ノックを」ググ…
「服ッ!っーかまずパンツ穿けよッ!」
「そうだな」グググ…
股間のフキダシが良い仕事をしたところでパンツを穿き、その辺に置き捨てた服を改めて着直す
「で?何か用か?」
「ナニか用とか言われても、むしろ用事を忘れる衝撃だったんですけど」
「忘れる用事なら大した用事じゃないな」
「まぁ、大した用じゃなかったのは確かだけど…」
どうにも歯切れが悪いな、言い辛い事でもあるのだろうか?いや、まさか…!!
「孕んだのか?」
「ハァ!?」
「若さ故に無秩序・無軌道・無計画にエンコーしすぎてついに孕んでしまい、誰にも言えずに悩んでいたがついに意を決して上司に相談に来たのかと…」
「エンコーとかしてねーし!!っーかいきなり全裸の男が立ってたら動揺するわッ!すぐに落ち着けるかバカッ!」
「なんだ、つまらん」
「つまらんって…クッ、マジムカつく」
「用がないなら帰れ、俺は忙しい」
「や、全然忙しそうじゃないじゃん、明らかに暇過ぎて奇行に走ってたじゃん」
「奇行とかゆーな」
たしかに、あまりの暇さぶりだったのは認めよう
「しかしやる事はなくても腹は減るな、メシでも食いに行くか」
「あ、じゃ鈴谷も行く、どこ行くの?食堂?鈴谷カレー食べたいんですけどー」
「ふ~ん、いいんじゃね?」
「いや、カレーは食べたいんですけど…ってか、提督は?食堂?」
「前に食いに行った店がなかなか美味くてな、次はグリーンカレーに興味があったのを思い出した」
「それ鈴谷が教えたちょっと高いお店じゃん!いいね!いいね!そこ行こ!」
「行けば?」
「…あの、ナニ?もしかしてなんですけど、鈴谷とは行きたくないと?」
「自分で払うなら止めはせんぞ、あ、俺が入って5分後に入店しろよ、知らない顔で通すから」
「コミュニケーション!!上司と部下のコミュニケーション以前の問題じゃん!サミーとか先生とはよく一緒にご飯食べてるじゃん!」
「そりゃお前アレだ、上司と部下の円滑なコミュニケーションだな」
「鈴谷とは!?円滑なコミュニケーション!」
「だってお前と歩いてたらエンコーと思われるじゃん、俺、外面気にするタイプなんだよ」
「だからエンコーとかしてねーし!いいじゃん別に!カレー食いに行くぐらいで誰もエンコーとか思わないし!」
「えー?マジ?」
「マジ、鈴谷賭けていいよ、500円」
安い賭け金だな、しかしまぁ、たまにはカレーぐらい食わせてやって、やる気を出させるのも円滑なコミュニケーションだとテレビでも言ってたな…
「いいだろう、たまには上司がカレーを奢ってやろうじゃあないか」
「…は?」
「は?じゃねーよ、ケンカ売ってんのか?」
「マジで…?奢ってくれるんですか?」
「奢るって言ってるだろーが、耳クソ詰まってんのか?」
なんでコイツこんな警戒してるんだ?
「…提督、ちょっと鈴谷にビンタして貰えませんか?」
「は?Mなの?」
「は?じゃねーし!Mでもねーし!いや…もしかしたらユメかナニかかと…」
ビタンッ!(ビンタ)
「だるびっしゅ!!」
「痛いか?先生も痛い」
「この痛み…マジ!リアルッ!この痛みが鈴谷にこの瞬間が現実だと教えてくれているッ!」
なんだコイツ、エンコーだけじゃないでなんかアブないクスリでもヤってんのか?
「本当に…本当に奢ってくれるんですね?」ポロポロ…
「二度言わすな」
「よし!じゃー行こう!すぐ行こう!今行こう!ほら!気が変わんない内に!」
「いや、腹減ってるから行くけどな、っーかナニオマエ?キモいんですけど」
「提督に言われたくねーし」
とりあえず俺と鈴谷はカレーを食いに行くべく執務室を出て歩いていると空気抵抗とか考えてなさそうなダイナミックドレスアップズイウンを持った熊野に出くわした
「よぉ」
「熊野じゃん、ナニソレ?」
「ジャペンカップのコンデレ用に作ってるニューマシンですわ、提督と鈴谷はお出かけですの?」
「カレー食いに行くんだよ、お前も来るか?奢ってやるぞ」
「軽っ!!ちょ!なんで熊野はそんなアッサリ誘うの!?おかしくね!?」
「お安いカレーはイヤですわよ?」