不健全鎮守府   作:犬魚

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技術の闇に触れる技術革新回

【登場人物】

提督(45)
連装砲ちゃんのかわいさと浜風ちゃんのパイオツを選ぶのは難しい

夕張(9)
連装砲ちゃんはかわいいと考えるM

明石(3)
連装砲くんもかわいいと考えるS

秋津洲(2)
大艇ちゃんはバーニングソウル


提督と連装砲ちゃんとアンタッチャブル

「連装砲ちゃんってなんだろうな?」

 

「はぁ?」

 

今更ながら思うのだが、連装砲ちゃんとは一体なんなのだろうか?自立型の超AIでも積んでいるかのような挙動、誰が、いつ、何の目的で開発したのかよくわからないが特に疑問に思われずに溶け込んでいるが、よく考えると、とんでもない超兵器なのではないだろうか?

 

「かわいいですよね、連装砲ちゃん」

 

「あぁ、かわいい」

 

五月雨にしては珍しく見た目の愛らしさを誉めている、俺としてもそれには同意する、かわいさで言えばこの基地に居る誰よりもかわいい

 

「まぁ、かわいいのは良いとして……なんなんだろうな?」

 

「何って…?連装砲ちゃんは連装砲ちゃんではないですか?」

 

「いや、連装砲ちゃんはわかるんだよ、だからなんで連装砲ちゃんなんだよ!」

 

「はぁ?」

 

いかん、自分でも何を言ってるのかよくわからなくなってきた

 

「そもそもだ、何故連装砲ちゃんは自立型兵器なのだ?」

 

「さぁ?そこら辺は夕張さんとか明石さんの方が詳しいと思いますけど」

 

「それもそうか、よし、夕張と明石を呼べ」

 

◆◆◆

 

「わかりません!」

 

「あー?アレですか?私もよくわかんないんですよねぇー」

 

メカニックに精通している筈の明石と夕張、その2人が揃ってわからないとは…

 

「わからないじゃねーだろ、壊れた時どうしてるんだよ?たまに壊れて帰ってくるだろ」

 

「さぁ?アレって明石サンが修理してるんじゃないですか?」

 

「え?私は夕張が修理してるモンだと…」

 

「…どういうことだってばよ?」

 

どちらもしらばっくれてる様には見えんが…

どうする?とりあえず汗でも舐めてみて嘘を吐いてる方に拷問でもしてみるか?

 

「ってか、いつの間にか直ってますよね、アレ」

 

「そうそう、私は夕張仕事早いなぁ~と思ってたし」

 

「オマエら、本当に知らんのか?」

 

「ホントに知りませんって、なんならお尻を強打して頂いて構いません!」

 

「あ、私はイヤですよ、夕張と違って生粋のSなんで」

 

縛られて嬉しいMと叩いて嬉しいS、正直、コイツら肉●器どもの性癖なんぞどうでもいいのだが…

 

「つまりなんだ?連装砲ちゃんはオマエらが修理しなくてもいつの間にか直ってるってコトか?」

 

「そうなりますね」

 

「謎ですね」

 

「…まさか自己修復とかしてるんじゃないのか?」

 

「ありえないとは言い切れませんね、案外、連装砲ちゃんには一欠片の破片さえあれば何度でも蘇る大戦艦級の艤装にもない自己修復機能があるのかもしれません」

 

…だとすれば、それは実に恐ろしいマシーンなのではないか?いや、むしろ連装砲ちゃんを量産する事で艦娘を運用しない、マシーンによるエレガントではない戦争が始まるのではないだろうか?

 

「それはエレガントではないな」

 

「はい?」

 

「まぁ、連装砲ちゃんもそうですけど、連装砲くんとか長10cm砲ちゃんとか似たようなのも増えてますよね」

 

「一応聞くが、その辺はどうなんだ?」

 

「さぁ?私は明石サンが修理してると思ってましたし」

 

「私も夕張がなんやかんやしてるとばかり…」

 

謎は深まるばかりか…

このバカどもも知らないと言う辺り、連装砲ちゃんシリーズには深く関わってならない闇があるのかもしれん

 

「…よくわかった、オマエら下がっていいぞ」

 

「はぁ」

 

「あ、提督、ジ●ンプ入荷してるから後で買いきます?取り置きしておきますよ?」

 

◆◆◆

 

「フーッ~…」

 

結局、連装砲ちゃんの謎についてはよくわからないと言う結果に落ち着き、とりあえずニコチンを摂取する事にした俺は喫煙所に来ていた

 

「カモネギ捕まえたかもー」

 

「ナニやってんだ?オマエ」

 

ふと、廊下を見ると秋津洲がスマホを片手にキャッキャしながら歩いていた

 

「あ、提督、カモネギ捕まえたかも」

 

「ふ~ん」

 

そういやコイツも大艇ちゃんとか言うよくわからない相棒が居たな…

前に香取先生の熱血指導の際に取り上げたらカモカモカモカモうるせぇのですぐに返してやったが…

 

「秋津洲くん」

 

「なに?」

 

「大艇ちゃんってなんなんだ?」

 

「…大艇ちゃんはそれ以上でもそれ以下でもないかも」

 

「そうか」

 

「ハッ!?まさかまた私から大艇ちゃんを取り上げる気!?許せないかも!」

 

「取らねぇよ、単純な疑問なんだが、大艇ちゃんの修理って誰がやってるんだ?」

 

「…」

 

「オイ」

 

…コイツ、目に光が無いッ!!

 

「ハッ!?まさかまた私からまた大艇ちゃんを取り上げる気!?許せないかも!」

 

「は?」

 

「許せないかも!」

 

なんだ今の間は…?しかもコイツ、まるで俺の質問をなかった事みたいに再起動したような…

 

「私から大艇ちゃんを取り上げる奴は親でも許さないかも!」


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