不健全鎮守府   作:犬魚

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キッズ達のハートを鷲掴みにするには何が必要なのか考える回

【登場人物】

清霜(4)
毎日のケロ●グコーンフロスティで戦艦になれると信じている

リベッチオ(3)
毎日のケロッグコーンフロ●ティで戦艦になれると夢見ている

グラーフ・ツェッペリン(2)
前回に続いての連続登板
鏡の前で笑う練習していたプリンツからマジキメェと言われて殴り合いになった


提督とキヨリベと夜歩くもの

「ポケット叩いたらビスケットが1つて歌あるじゃん?」

 

「あるある!リベ知ってる!」

 

「清霜考えたんだけど、もう1回叩いたらビスケットが2つになるんなら100回叩いたらビスケットが100個になるじゃん!」

 

「スゲェ!キヨシ天才だ!」

 

たまには真面目に仕事しようと防火設備の点検をしながら歩いていると、アホな駆逐艦がキャッキャ言いながらハシャいでいた

 

「じゃあキヨシのポケットをリベが叩く!」

 

「よっしゃこーい!」

 

「ボラボラボラボラボラ!ボラボラボラボラボラ!ボラボラボラボラボラァー!」

 

「痛い!!イタい!イタいイタい!………マジ痛いマジ痛いマジ痛い!やめ!やめてッ!やめろォ!!」

 

なにやってるんだ…?アイツら、アホなのか?いや、アホなんだな

 

「なにやってるんだ?オマエら」

 

「あ、テイトクだ」

 

「陛下から貰ったビスケット増やしてんの」

 

「キヨシ、ビスケット増えた?増えた?」

 

「ちょっと待って……ぅえ!!ポケットの中がザラザラするッ!」

 

そりゃビスケットの入ったポケットなんぞ殴ればポケットの中でミンチよりひでぇコトになるだろ

 

「ビスケットが消えたー!?」

 

「マジで!?キヨシ手品師なの!?」

 

うちでもトップレベルのアホコンビはキャッキャ言いながら砕けて消え去ったビスケットの謎を追う、たぶん、明日には理由がわかると提督的には信じてやりたい

 

「ビスケットなくなったから陛下に貰いに行こーぜ!」

 

「リベも!リベもビスケット貰いたい!」

 

「オマエらァ、あんま陛下にご無礼カマしてるんじゃねぇぞ!」

 

コイツらがいつ、陛下の御機嫌を損ねるのか、こっちとしては気が気じゃねぇんだよ…マジで

 

「大丈夫!陛下いつもビスケットくれるし!」

 

「陛下のビスケットマジウマい!」

 

ダメだコイツら…そろそろ誰かが身分の違いを教えてやらないと俺の首が危ない

 

アホガキどもに、陛下に対して頭が高い事を教えるにはどうすれば良いのか考えていると、食堂のある建物から顔色の悪い空母が歩いて来た

 

「む」

 

「よぉ、え~…グラーフ?」

 

「グラーフ・ツェッペリンだ」

 

顔色が悪くておっぱいがデカいドイツ空母、グラーフ・ツェッペリン

名前を略すと訂正してくるので略されるのがイヤな難しい年頃なのだろう

 

「ゲェーッ!!グラッペリンだァ!」

 

「ヒッ!ヒイイィィ!!」

 

グラーフを見るなり、清霜とリベッチオが急にガタガタと怯えだした

 

「…む、その……なんだ?このグラーフ・ツェッペリン、実はビスケッ…」

 

「ヒイイィィ!!タスケテェー!」

 

「ちょ!待てよリベ!ヒイイィィ!!」

 

グラーフは器用に胸元に手を入れて、スティック状の袋に入ったお菓子を取り出して清霜とリベッチオに渡そうとするが、2人は漏らしながら逃げてしまった

 

「…」

 

「…」

 

「なぁAdmiral」

 

「なんだ?」

 

「私はただ、仲良くしたいだけなのだが?」

 

「まぁ、元気出せよ、缶コーヒー飲むか?奢ってやるよ」

 

「うむ……なぁAdmiral、雨が降ってきたな」

 

「雨?」

 

別に降ってないようだが…?いや、グラーフは被っていた帽子を目深に被り直しているのを見た俺はそうですねと同意する事にした

 

「…雨だよ」ポロポロ


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