【登場人物】
提督(51)
簡単なものなら作る独身者
伊良湖(2)
間宮の舎弟、割と乱暴者
間宮(5)
今回名前だけ、グルメ界に旅立った美食者
鈴谷(19)
オチ担当のサルモネラ菌
ふと、カレー的なものが食べたくなった俺は明石の店に行きカレーパンを購入しようと考え明石の店に向かった
「カレーパン」
「売り切れでーす」
売り切れなら仕方ないな…
しかし、明石の爽やかな顔がムカつくので頬をビンタして食堂へ向かった
「間宮殿はおられぬかー!間宮殿はおられぬかー!」
「はいはい……ゲッ、提督」
食堂に行くと、間宮の舎弟がカウンターの奥から顔を出した
「間宮殿はおられぬかァ!」
「間宮さんなら食材の仕入れに行きましたけど…なんか地球の旨みがどうのこうの言って」
「なんとォ!」
間宮め…感じたか、この星の熟成をッ!
「食堂は週末ぐらいまで開店休業状態ですよ、食パンならあるから勝手にトースター使ってください」
「チッ…使えない間宮の舎弟だな」
「ハァ!?なんですか間宮の舎弟って!」
「まぁいい、間宮が居ないなら自分で作るか」
「ちょ!なに勝手に調理場に入ろうとしてるんですか!」
「やかましい、俺はカレーが食いたいんだよ」
「カレー?まぁカレーぐらいなら私が作りますけど?」
「真かッ!え~………間宮の子分!」
「提督、もしかして私の名前、覚えてないんじゃ…」
「…フッフッフ、そんなわけないだろう?俺はこの基地の艦達をファミリーだと思っているよォ~フッフッフ」
疑惑の眼差しを向ける間宮の子分、そう、子分だ
前にも遭った事があるが、コイツの名前なんだっけか?たしかアレだよ、なんかイが付く感じの何かだったよな
「じゃあ私の名前言ってみて下さい」
「い…」
「い?」
「…イ●ポ」
「伊良湖ォ!!伊良湖です!ナニその最悪な間違えッ!最悪過ぎるッ!」
嗚呼そうそう、伊良湖だったな伊良湖、今度こそ覚えた、明日には忘れるだろうがな
「最悪ッ!マジ最悪!なにこの男ッ!」
「まぁそうカッカするなよイタコくん、大人は間違えるものであり、間違えを認めて次に活かせるものだ」
「伊良湖ォ!イ・ラ・コ!全然活かしてないじゃん!普通に間違えてるじゃん!」
「それが大人の特権だよ」
ビタンッ!!(ビンタ)
伊良湖のスナップの利いた健康的なビンタが俺の頬に炸裂した
「…これが若さか」
「次は麺棒で殴ります」ギロッ!
コイツの目、コイツの目にはヤルと言ったらヤル“覚悟”があるッ!
「まぁ待ちたまえ、私はただカレーが食べたいだけなのだよ」
「じゃあカレー作りますから食べたらさっさと消えて下さい」
そう言って伊良湖はコンロに火を入れて鍋にボ●カレーを放り込んで温め始めた
「ボ●カレーかよ」
「何か文句あるんですか?」
なんてヤツだ、食堂のおばちゃんと呼ばれる間宮でもバーモント甘口ぐらいは作るぞ
「…あ、チーズと卵はあるか?」
「ありますけど?」
「そのカレー、耐熱皿に盛ってくれ、で、チーズをドバッと適当にかけ、卵を割って入れてオーブンで焼いてくれ」
「注文が多いですね…まぁ、そのくらいなら」
伊良湖はブツクサ言いながらも俺の注文通りに盛ったカレーをオーブンに入れてスイッチを押した
「…」
「…」
「良い匂いですね」
「焼きカレーだからな」
「なるほど…こんなのもあるんですね、ってか、提督、料理とか出来るんですか?」
「大雑把なのはな」
「あぁ、それっぽいですね」
「何がそれっぽいだ」
そうこう言っている内に焼きカレーは香ばしい薫りと共に完成し、オーブンから取り出された
「…美味しそうですね」
「一口食べるか?」
「いいんですか?」
「当たり前だ、俺はこの基地の艦達をファミリーだと思っているからな」
「では一口………う゛っ!」
「どうだ?」
「うん…まぁ、ウマいんじゃないですか?普通に?うん」
「なんだその微妙な感想は、失礼な野郎だな」
まぁいい、とにかく俺は腹が減ってるんだ、さっさと食おう…
「ティーッス、角砂糖ちょーだーい!」
「あ、いらっしゃいませ」
芳醇なチーズ&カレー臭を濁らせるビッチ臭を漂わせるいやらしニーソがやって来た
「あ、テイトクじゃん、ナニそれ?美味しそう!鈴谷にも一口ちょーだい!」
「黙れ、サルモネラ菌が」
「ひどッ!!」