ヤベェヨヤベェヨしか言ってないヤベェ回
【登場人物】
陛下(5)
尊い御方、無傷の旗艦デビューを飾られた
禁断・長門
ちょっとおかしい、拳が火を噴く
禁断・酒匂
ちょっとおかしい、サイコパワー
プリンツ・禁断・オイゲン
平常運転
ビスマルク(2)
強くてクールで度胸があってお美しい
深海海月姫
今回の被害者
「Ememy ship is in sight Openfire!」
今作戦の最終海域、MS諸島北部B環礁沖
連合艦隊旗艦として華々しく出陣なされた陛下はこれまた華々しく御活躍をされていた
五月雨曰わく、陛下を出すと余計なところに遠回りするらしいとの事だが、そんな事は些事に過ぎない、いや、むしろそれは陛下の御活躍される期間が長引く、歓迎すべき事ではないだろうか?
「なぁオイ!」
「はぁ?」
テレビモニタ越しに映る陛下の御活躍、大鳳め…もうちょっと陛下を映さんかい、翔鶴のパンチラとかどうでもいいんだよ、帰ったら反省会だな
「あ、カル●スがある、提督!カ●ピス貰っていいですか?」
そして、今回執務室で現場の状況を見る為にやってきた夕張は戸棚を開けてカル●スの瓶を取り出していた
「俺のじゃないから構わんぞ」
「私のなんですけど、別に構いませんよ」
「ホント?ありがとー、提督と五月雨ちゃんも飲みますか?」
「いらん」
「結構です」
五月雨の隠しカ●ピスを8:2で割ってうっ!濃い!と言って白い液を口元から垂らす夕張にいかがわしさを感じないのはきっとコイツが生粋のアホだからだろう
「あ、そろそろ例のポイントですね」
「あ~?」
あぁ、そういや禁断の力がどうのこうの言ってたな、一応、長門と酒匂とオイゲンは出撃させてみたが…
「大鳳に電話してみるか、オイ大鳳に繋げ」
「はいはい……はい、どーぞ」
『もしもし?』
「俺だ」
『な…なんですか?今ちょっと、あ!ヤベッ!ちょ!待てよ!』
「オイ!何がやべーんだ?オイ!もしもし?もーし?」
あの野郎、切りやがった…なんなんだ?一体
「て…提督ッ!」
「なんだ?」
夕張がテレビモニタを指差してカル●スを吹き出している、なんだ?まさか陛下が大破されたとかでは…
◆◆◆
『コンナトコロマデキタンダネェ…』
深海海月姫、当ポイントを守る深海から来た聖なる戦士、こっちも連合艦隊編成、それに、傍らには深海屈指の名プレイヤー、頼れるタフ・ガイ戦艦棲姫、通称ダイソンが居る
開戦前に戦艦棲姫から“どんなタフな攻撃が飛んで来てもオレがオマエを守ってやるよ!絶対!”と言われドキーン!とした、これはもう惚れても仕方ない
『来タゾォ!ヤツラダァー!』
『オレタチハーッ!』
『『深海!』』
『強イ海ノ戦士ハーッ!』
『『深海!』』
『勝ツノハァァァ!!』
『『『深海ッッッ!!』』』
『ヨォーシ!全員ポジションツケー!』
戦艦棲姫の体育会系ナイスガッツ鼓舞でポジションに付く深海の戦士達、勝てる、今日まで自分達は努力してきた自分達ならきっと勝てる!誰しもがそう信じていた
『ヨッシャ!イクゾ…ブゲビラァ!!!』
『ダ……ダイソーン!!』
『ダイソンガヤラレタァァァ!!』
一撃、ペナルティーエリア外からの射撃は100%止めると言われた戦艦棲姫が開戦僅か一秒でブクブクと気泡を残して沈んだ…
『ナ…ナンダ!一体ナニガオコッタ!』
『マルデ見エナカッタゾ…』
驚愕する深海棲艦達の前に、戦艦棲姫を一撃で沈めた恐怖の大戦艦が姿を現していた
「次に死にたいヤツ、前に出ろ」
『ビ!ビッグセブンッ!』
『コイツビッグセブンダッ!!』
「フハハハハ!ハァーッハッハッハ!新たな力が湧いてくるイイ気分だァ!このビッグセブン、思わず鼻歌でも歌ってしまいそうだぞォ!」
ビッグセブンは身体を横にした8の字のようにグルグルと回していた
『チクショウ!ヤベェ!』
『アンナ化物相手ニシテラレルカヨ!』
『アノ弱ソーナノヲ狙エ!』
駆逐古鬼は可愛くて弱そうな軽巡を強襲する、速度良し!角度良し!この一撃であのモヤシみたいな身体はくの字に折れ曲がるハズ!………しかし
「ぴゃー…」
『ナ、ナニィ!?片手デ!』
「うわぁ~…この日本人形、かわいいなぁ、かわいいなぁ、酒匂コレ欲しいなぁ~」
『ギャッ!!?』
酒匂に抱き締められた駆逐古鬼からメリメリとヤバい音が軋む
『古鬼クン!』
『古鬼クン!』
『アガガガカガ!!ヤバ!ヤバ…ヤベェ…』
バキッ!!!
「あ…壊れちゃった」
酒匂は壊れたお人形に興味を無くし、ポイッと海に捨ててしまった
『ヤベェヨヤベェヨ!アイツ、目ガイッチマッテルヨ!』
戦艦棲姫を右ストレートで沈めた長門、駆逐古鬼をバキバキにヘシ折った酒匂、いつもとは違う
いつもヤベーとは思ってはいたが今日のヤバさは違った、深海の戦士達だけではない、どう見てもあっちの味方もドン引きしている
「ハッハッハ、どうしたァ?酒匂ァ?ハッハッハ」
「ぴゃー…酒匂かわいい日本人形欲しかったのに壊れちゃった」
「なんだ?よし!帰ったらこのビッグセブンが買ってやるぞ!五段のをなッ!ハッハッハ!」
「ぴゃー…」
ヤバい……そう、ヤバいとしか言いようがない、あきらかに変なクスリでキマってるんじゃないだろうかと疑ってしまうヤバさだった
『海月姫クン』
『…ヨシ、逃ゲヨウ!』
『ダヨネー!コレ逃ゲテモイイヨネ!』
とりあえず全力で逃げようとする深海海月姫に追撃の砲火が火を噴く
「…逃がさないわよ!Feuer!」
ドイツが誇る大戦艦ビスマルクの砲火が海月姫の背中に強打した
『イダァ!!』
「チッ…なかなか堅いわね」
よし!耐えた!逃げ切れ……
「オイ」
後ろから凄まじい力で肩を掴まれ、海月姫は恐怖した、あまりの恐怖に漏らしたが今はそんな事は些事に過ぎない
『ヒィィィ!!』
「なんでビスマルクのアネゴの一撃で死んでねぇんだァ?コラァァァァァァ!!!」
後に、深海海月姫は語る
えぇ、たぶん左だったと思います、右で肩を掴まれてましたし…えぇ、避ける?いやいや無理ですよ?なにせ見えないんですから、ほら、空気の壁ってあるじゃないですか?アレを破ったらパンッ!って鳴るってヤツ、音速と言うんですかね?えぇ、それはハッキリわかりました、死ぬ間際に走馬灯ってあるじゃないですか?アレ、あまりに速いと見えないんだなって…
「アネゴォー!アネゴ!大丈夫です!ビスマルクのアネゴのイッパツでコイツ死んでましたよー!このプリンツ・オイゲン、たしかに確認しましたー!」
「え…えぇ?あぁ、そう?」
「これでMVPはビスマルクのアネゴですね!やったぁ!さすがアネゴ!すごいやアネゴは!強くて!ハァ…ハァ…!クールで!ハァ…ハァ…度胸があって!ハァ…ハァ!お美しいィィィ!」
「あ…えぇ、うん…そうね、もっと誉めていいのよ?」
こうして、深海海月姫はブクブクと気泡を漏らして沈み、今作戦は終了した…
◆◆◆
そして、執務室
「ビスマルクさんドン引きしてるじゃねーかッ!!」
「まぁ、引きますよね、正直、私も引きました」
「ね?ね?私が言った通り闇の力が発揮されたでしょ?ね?」
たしかに、夕張のアホンダラが言ってた通り、対象のお友達の様子が何やらおかしいような気もしたが…
っーか!陛下もドン引きしてたじゃねーか、陛下ちょっと困ってたぞアレ!
「まぁいい、作戦終了だ、全員引き揚げさせろ」
次々回に新規艦登場です