不健全鎮守府   作:犬魚

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新人面接回、今回の二本立て仕様

【登場人物】

Commandan Teste
フランスから来た水母、フランス語ペラペラ過ぎて日本語が怪しい

山風
白露型実装最後の戦士、ビビリくん


続・提督と新人と面接①

「Bonjour Enchantee Je m'appelle Commandant Teste」

 

「…は?」

 

本日、今作戦終了に伴い当基地に補強された新人の面接をしようと五月雨と共に執務室で待っていたら、いきなりスンゴイの来た…

今更パッキンは珍しくないが、ただのパッキンではなく、赤や白やら青やら変なメッシュが入った大変個性的なヘアー、まるで特殊な個性が光るシネマスターが来てしまったと思ったが、問題はそこじゃない

 

「Oui?」

 

「…オイ五月雨、コイツなんて言ってるんだ?」

 

「さぁ?フランス語はちょっと…」

 

そう、何を言ってるのかさっぱりわからないのだ

英語圏には少々自信があるが、フランス語はまったくわからん

 

「フランス語か…まいったな、フランス語はポワンアヴィドゥとデビルプロポーズぐれーしか知らないんだが」

 

「メルシーとかあるじゃないですか、それとたぶんデビルプロポーズはフランス語じゃないですよ」

 

「え?マジ?」

 

まいったなぁ、あとわかるのはジョルジュ・ド・サンドとローゼスビットしかわからんぞ

 

「Excecuse moie?」

 

「誰かフランス語ペラペラのヤツいないのか?このままでは面接にならんぞ」

 

「そうですね、ちょっと待っててください」

 

五月雨は身振り手振りでとりあえずコマ……コマンドーなんたらに椅子に座って待つように伝え、どこかへ行ってしまった

 

「…」

 

「…」

 

…気まずい、っーかなんでフランス語なんだよ?日本に来るなら日本語覚えてから来いよクソが、どんだけ見切り発車でうちに配属させてんだよ、うちは日本語スクールじゃねぇんだよ

 

「お待たせしました」

 

「おせーよ」

 

「フランス語が話せそうな人を連れてきましたよ!」

 

「でかした!」

 

なんだ?うちにフランス語が話せるインテリが居たのか、そいつは意外な盲点だったな…

五月雨は恭しく頭を下げて連れて来た人材を部屋に招き入れた

 

「どうぞ、こちらで御座います」

 

「Thanks a lot」

 

陛下ァァァァァ!!!

五月雨が連れて来たのは人材は間違う事無き陛下ッ!!こ…コイツ、よりによって陛下をたかが通訳に使う為に連れて来やがったァァァァァ!!

 

「うわ!すげー変な色!ガン●ムみてー!」

 

「リベ知ってる!ガン●ム!リベ、ゲルググ●リーネのプラモ持ってる!」

 

しかも陛下と共にやって来たらしいアホなガキどもが早速新人に絡んでやがるッ!!困ってる!あきらかにあのフランス艦困ってるじゃねーか!?

 

「オイサミー!ちょ!ちょっと来い!」

 

「なんですか?」

 

俺は五月雨を近くに呼び小声で舌打つ

 

「なんで陛下!?なんで陛下呼んじゃったの?なんなの?処刑されたいのオマエ?ギ●チンの音聞きたいのォ!?」

 

「や、ホントは香取先生をと思ったんですけど、たまたまアホな子供達と戯れる陛下に声をかけられまして…」

 

「しかしなぁ…なぁオイ?」

 

「私もさすがにそれはと思ったのですが、フランス語なら心得があるし清霜さんとリベッチオさんがフランス艦見てーとゴネまして…」

 

「なるほど…」

 

さすがは陛下、深い御方だ…あとキヨシとリベッチオはあとで土下座させよう

 

「Admiral、Commandan Testeさんですが、日本語、多少は大丈夫だそうです」

 

「は?」

 

「ダイジョウブです!」

 

‐‐‐

 

「次の方どうぞ~」

 

衝撃のフランス艦、コマ……コマンダラなんたらの面接を終了し、次を呼ぶ

ちなみに、コマ…めんどくせぇな、そのコマさんは陛下やアホガキどもと共にFamilyrestaurantにlunchに行った、陛下は最近ファミレスがお気に入りらしい

 

「またワケわからん国のモンじゃねーだろーな?」

 

「大丈夫です、次は国産です」

 

五月雨は冷蔵庫からオレンジジュースを出してグラスに注ぎ、俺の机に置く

 

「国産か…ちなみに、名前はなんと言ったか?」

 

「山風さんです、一応、私の妹にあたりますね」

 

「ふ~ん」

 

俺は机に置いてある缶コーヒーを飲み、履歴書的な書類に目をやる……写真を見るに、なんか目ツキ悪いガキだな

 

「ところでサミドラゴニスくん」

 

「五月雨です、なんですか?」

 

「さっきから俺の臑に執拗に蹴り入れてるこのガキは何者かね?」

 

正面から見るに、机の影に隠れて見えない低身のガキがさっきから座っている俺の臑を執拗に蹴っていた

 

「山風さんです、一応、私の妹にあたりますね」

 

「そうか…」

 

この目ツキと発育の悪い緑色が白露型最後の戦士か…

 

「シッ!シッ!」

 

「シッ!シッ!じゃねーよ!なんだテメーはァ!!」

 

「ヒッ!?」ビクッ!

 

緑色のそいつは最大出力の電マを喰らったみたく飛び跳ねて机の正面に回り込んだ

 

「ブッ飛ばされてーのか?ア゛ァ?オレはガキだろーが失禁するまでケツ叩いて動画撮影するぞォ!」

 

「ヒッ!?ヒイイィィ!!」

 

「ちょっと!いきなりなんてコト言うんですか!怯えてるじゃないですか!」

 

「うるせぇ!!だいたい!なんだオマエは!名を名乗れ!名を!」

 

「………山風」ビクビク

 

「山風か、ポジションはどこ希望だ?ピッチャーか?」

 

「別に、どこでも…」オロオロ

 

「よしわかった、下で徹底的に鍛えてやる!五月雨、コイツを夢島に連れて行け!」

 

「夢島…?」

 

「夢をみる島のコトです、結構バッドエンドっぽい名作ですね、私は好きでした」

 

「俺も好きでした、キミはどうだ?」

 

山風は一瞬、ビクッ!と電マインパクトみたく跳ねると悲しそうな顔で笑った

 

「私は………どろぼーになった」

 

「いいね!そのチャレンジ精神!決して勝てない相手に向かって行く度胸ッ!キミには期待している」

 

「…どうも」




次回はその②、神風型のヤンチャボーイ朝風とアメリカから来た新たなる性の刺客!

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