【登場人物】
提督(8)
だいたい煙草所にいるが提督業は割としっかりしている
私室に近付く者には容赦しない
吹雪型
ひとまとめの雑な紹介、芋臭い、田舎から来た大人気妖怪みたい語尾をしている
ジャ●コとイ●ンモールをよくわかっていない
叢雲
吹雪型の突然変異種、スタイリッシュな妹だがズラと言わないワケではなく、たまに言う
熊野
地味に初登場、魔宮薔薇に気付いたりとなかなか勘がいい
「ねーちゃん!ポケ●ン取りに行くズラ!」
「ジャ●コにいっぱいいるらしーズラ!」
「よーし!今日はみんなでジ●スコに行くズラー!」
喫煙所で煙草を吸っていると、なにやら芋臭い集団がズラズラと歩いていた…
吹雪型駆逐艦、聞いた事も調べた事もないが、たぶん、俺と同じくどっかの田舎出身なんだろう
「ねーちゃんカッコいいズラー!やっぱ改二になって都会的になったズラ!」
「あはは…オラなんてまだまだズラよ」
吹雪型駆逐艦のネームシップ、吹雪
都会的でもスタイリッシュでもない長女
「やっぱ吹雪ねーちゃんはカッケーズラね、ね?叢雲ちゃん」
「え?…あ、うん」
芋臭い集団の中、一際異彩を放つスタイリッ臭…
吹雪型姉妹の突然変異、叢雲は曖昧な笑みで応えていた
「あ、司令官ズラ!」
「煙草は不良の始まりズラ!」
チッ…見つかったか
「不良の始まりもクソもねぇ、俺は大人だから問題ねぇんだよアホンダラどもがァ~」
「司令官、この辺でポケ●ン見なかったズラ?」
「あ?」
コイツ誰だっけ…?白雪だったか?
「オラ達ポケ●ン探しにジャ●コ行くズラよ、珍しいのいっぱいいるって噂ズラー」
ジ●スコ?ポケ●ン?…コイツはたしか、アレか、スペシャルの奴だったか?
コイツらキョーダイ、みんな芋臭い顔してるから未だによくわかんねぇんだよな
「アン……司令官は知らないの?今、流行りのスマホでポケ●ン探すゲーム、散々テレビでやってるじゃない」
スタイリッシュ妹、叢雲
さすがにコイツだけはわかる、語尾も普通だしな
「あ~…なんかテレビでやってたな」
「吹雪ねーちゃんのケータイでいっぱい探してるズラよ」
コイツは…ハツ、初雪だったか?
スマホをケータイと呼ぶところが実に田舎らしいな
たぶん、お母さんがどんなゲーム機でもファミ●ンと呼ぶようなものだろう
「で?なんか居たのか?メタルガ●ルモンとか?」
「それ違うし」
冷静かつ的確なツッコミ、さすがは叢雲…大したやつだ
「オラ達ピカチュー欲しいズラよ」
「基地の中にいないから外に行くズラ」
「ふ~ん、ま、気ぃつけて行けよ」
っーか近くにジャ●コとかあったか?
なんか昔あったような気はするが…
「司令官、暇なら車出してくれない?」
「悪いな、俺の車、1人乗りなんだ」
「…面倒くさいってワケね、ま、いいけど…」
「車は出さないが……ほれ」
俺は財布から五千円札を出して吹雪に渡す
「それでキョーダイ仲良くアイスでも食って来い」
「五千円もくれるズラか!?司令官、パチンコにでも勝ったズラ?」
「お前ら、俺の事をなんと思ってるんだ?」
「飲む・打つ・買うは当たり前?」
「…よくわかった、やっぱり返せ」
「イヤズラ!みんなでジャ●コの中でジュースとアイス買うズラよ!」
「冗談だ、いいからとっとと行け、目障りだ」
アイツらと話してるとドッと疲れがくるな…
‐‐‐
鈴谷「あ、なんか反応あった!」
熊野「マージーですのー?またイブーイですの?」
鈴谷「イブーイじゃねーし、なんかこっちの方向に…」
提督が喫煙しているのと同じ頃、鈴谷も相棒の熊野と共にポケ●ンを探して基地内を歩き回っていた
「しかし、こちらは提督の私室がある方向では…?」
「カンケーねぇし、提督の部屋とか!」
反応を追って角を曲がった鈴谷、しかし…
「こ!これは!」
「…花壇?いえ、これは、薔薇・オンリーですわね」
道を覆う無数の薔薇とイバラ!
そのすぐ横の壁には警告らしき張り紙があった…
【バラの葬列におくられてな……!!】
「意味わかんねーし、こんなもん踏み潰せばいいし、行くぞォ!」
「この薔薇は……ま、待て!鈴谷ァー!」
熊野の制止を聞かず、薔薇の道へと足を踏み入れた鈴谷だったが、突如として身体に違和感を覚えた
「な…なんだ?なにか…おかしい、身体が痺れて気が遠くなっていくような…」
ズシャアッ!!
「す、鈴谷ァァァー!!」