不健全鎮守府   作:犬魚

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冬の心温まりそうでよく考えるとそうでもない回

【登場人物】

神風(2)
神風型の長女、すきやきが好き

春風(2)
神風型の三女、すきやきの白菜が好き

朝風(2)
神風型の次女、すきやきの肉が好き

秋月(2)
秋月型の長女、通称AKI、常に最高に粋でイナセなカッコいいアネキ

照月(2)
秋月型の次女、通称TERU、姉妹一のスケベボディ

初月(2)
秋月型の四女、通称HATSU、姉ちゃん達をリスペクトしている妹の鑑


提督と神秋姉妹とティラ・ミス

「コーヒー、あとこの糖分の塊みてーなのくれや」

 

「糖分の塊じゃありません、ティラミスです、お持ち帰りですか?」

 

「こちらでお召し上がりだよ肉●器が」

 

「肉●器じゃありません、間宮です、訴えますよ」

 

甘いもの食ってエネルギー充填すっかと考え、俺と五月雨は間宮の店に来ていた

 

「あ、私も同じもので」

 

「はいは~い、お会計は御一緒で?」

 

「御一緒でいいから早くしろよブタチチ女が」

 

「ブタチチ女ゆーな、お会計2980円になります」

 

相変わらず高いなコイツの店、まぁ、高いだけあって不味くはないと思うが…それにしても高い、ぼったくり禁止条例に引っかかるんじゃないのか?

 

「ありがとうございましたー」

 

俺と五月雨はそれぞれ受け取ったスイーツを手に、適当な席に座る

 

「クソッ!甘めぇ!」

 

「たまには悪くないですよね」

 

「たまにはな」

 

上等な甘さを摂取しつつ、味わい深いインスタントのコーヒーを飲んでいると、モダンでハイカラな女学生みたいな奴らがキャッキャ言いながら店にやって来た

 

「ゲェーッ!テイトク」

 

「ゲェーッ!じゃない、提督だ、君はたしか……緋村くん」

 

「誰よ緋村くんって、神風よ!神風!」

 

神風型の長女、神風、ナリは小さく、大変キレ易い身も心も小さい奴だ

 

「そして…HALだったか?」

 

「馴れ馴れしく呼ばないでくださいね?春風ですよ?」

 

神風型の三女、春風、妙に重量のある傘を持ち、ロールパンみたいなモミアゲをしている、見た目では気付きにくいがワリとキレ易い

 

「なにその茶色のやつ、美味しそう!」

 

「ティラミス様だ、こー見えてSだ」

 

そして最近加入したルーキー、神風型の次女、朝風、例によって短気だが、現在、見えていけない何かが見えている心の病を患っている、よっぽど好きなのだろう、悪魔の馬が

 

「神風姉!コレ食おーぜ!コレ!この茶色の!」

 

「えー…芋羊羹食うって言ったじゃん」

 

「いいじゃん!こっちの方が美味そうだって!」

 

「…でもそれ、お高いんでしょう?」

 

神風は財布を開いて中身と相談する、どうやら調子に乗って妹に奢ってやるつもりだったらしく、見たことの無い洋菓子、洋菓子=高級品みたいに思っているようだ

 

「2つで2980円のぼったくり価格だったぞ」

 

「2980円ッ!?ムリムリ、アサ、やっぱ羊羹にしなさい」

 

「えー!!いいじゃん、たまには洋菓子食べても!春風も芋臭い芋羊羹よかお洒落な洋菓子食べたいって言ってるし」

 

「芋羊羹の何が芋臭いよ!」

 

「神風姉は相変わらず鎖国しすぎだっての、早く文明開化しないと行き遅れちまうわ、KUR●FUNEに」

 

「あ゛?おいアサ、今なんっつたコラ?」

 

神風と朝風は互いにメンチを切り合いバチバチと火花を散らす、どうやらこの姉妹のパワーバランスは長女絶対君主性ではないらしい

 

「人が食ってる前で喧嘩すんな雑魚どもが、ゴチャゴチャ言ってないで芋羊羹でもティラミスでもいいから買って来いよ」

 

「買ってくるし、芋羊羹」

 

「じゃ、私はてぃらみすってのにする、自分で出すからね!」

 

「あーはいはい、春風は?芋羊羹?」

 

「私はそうですねぇ、本日のお勧めを聞いてからにします」

 

神風姉妹はゴチャゴチャ言い合いながらカウンターへと向かった

 

「仲が良いですね」

 

「仲良いのか?アレは」

 

まぁ、なんやかんや仲が良いように見えなくもないが……インスタントのコーヒーを飲みつつその背中を見ていると、新たな来客が店に来た

 

「ここがスイーツショップ・マミヤ…」

 

「すげぇよAKI姉ちゃん、すげぇ甘ったるい匂いがするよ!」

 

「本当に僕達が此処に入っていいのかい?」

 

「TERU、HATSU!今日は姉ちゃんが出すからなんでも好きなもん選べ!遠慮なんかすんな!」

 

「でもッ!AKI姉ちゃん!」

 

「いいから!おら!行くぞ、HATSUも!」

 

最近の子は発育が良いと香取先生も頷くスーパーモデル姉妹、秋月姉妹ッ!

 

「あ、提督」

 

「おつかれっす」

 

「よぉ、お前らも甘いモン食ってエネルギー充填しに来たのか?」

 

「はぁ、まぁ…たまには妹達に贅沢ってのをさせてやりたくて」

 

コイツらの稼ぎからしたらそこまで贅沢でもないハズなんだがなぁ

 

「あ…あの、その茶色のヤツ」

 

秋月姉妹の次女、照月はやや遠慮がちに俺の皿に載る物は一体何物かを問う

 

「ティラミス様だ、こー見えてSだ」

 

「ティラミス……」

 

「なんだTERU?オマエ、コレ食いたいのか?」

 

「え?いや…まぁ、美味そうだなってな、なぁ?HATSU!」

 

「あぁ、一体…どんな味が…」

 

「よし!じゃ!そのティラミス買うか!なぁ?TERU、HATSU!」

 

「いいのかよ!?AKI姉ちゃん!」

 

「AKI姉ちゃん、でもコレ、お高いじゃ…」

 

初月が不安そうな顔をしているのでとりあえず先に値段だけ教えてやるか

 

「2つで2980円」

 

『『『2980円ッ!!』』』

 

3人の驚愕ッ!そして秋月の膝が折れ、その場に崩れ落ち………ない、耐えた、秋月は耐えた、長女としてのプライドがそうさせたのか、秋月は見事に耐えきった

 

「ヤバいよAKI姉ちゃん!ムリだよ!」ガクガク

 

「そうだぜAKI姉ちゃん!!」ガクガク

 

「大丈夫…大丈夫よ、大丈夫だオマエらァ!!姉ちゃんに任せとけ!行くぞォ!」

 

「でもAKI姉ちゃん!」

 

「僕達、別にほら!角砂糖でも!」

 

「ゴチャゴチャ言ってるじゃねぇよ、たまには姉ちゃんにも姉ちゃんらしートコ、カッコつけさせろ?な?TERU、HATSU」

 

「あ…AKI姉ちゃん!」ポロポロ

 

「AKI姉ちゃん!」ポロポロ

 

秋月は2人の妹達をアツく抱きしめ、間宮の待ち受けるカウンターへと向かった

 

「…五月雨クン」

 

「なんですか?」

 

「…コレで、ティラミスを買ってきたまえ、切ってないデカいヤツがあったろ?」

 

「おひとつで?」

 

「おふたつ」

 

その日の午後、部屋に戻った神風姉妹と秋月姉妹の部屋の前に伊達●人と書かれたカードと間宮印の箱が置いてあり、タイガーマ●クが来たと基地内で噂されたそうだ




次回はザ・ビッチ・オブ・ビッチサンタ・オーバーロード

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