【登場人物】
長門(10)
バーチ●ルボーイはなんやかんやウケたらしい、現在は酒匂が所持している
時津風(4)
時津風本人としてはトラブルの無い平凡の生涯を望んでいる
グラーフ・ツェッペリン(4)
意外にもシルヴァニアファミリーを購入するメンタルの持ち主
小気味良い日光の降り注ぐ正月三日目…
執務棟の外ではアホどもが正月スポーツにアツい新春の汗を流していた
「ゆくぞォ!敗北の淵に案内してくれるぅ!」
「なんてサーブだ!」
「いや!回転がかかっている!168ゾーンだッ!」
カコンカコンとうるさいの古き良き日本の伝統文化、羽根突き…
現在コート上では実力派エリートの潜水艦168と超戦艦武蔵のアツい試合が繰り広げられていた
「どっちが勝ってるんだ?」
「む、同志提督ではないか、フッ…お前も駆逐艦のエンジェルス達の試合を見に来たのか?」
とりあえずそこら辺に立っている長門のアホンダラに声をかけてみたが、どうやらコイツはキッズどもの試合以外には興味が無いらしく、いそいそとカメラを組み立てていた
「同志じゃねぇよ」
「次は雷電コンビと弥生タンとうーちゃんのダブルスだぞ!まったく!胸が熱くなってきたな!」
羽根突きにダブルスとかあるのか…
「出た!零式!168のヤツ本気だぜーッ!」
「あの武蔵が手も足も出ねぇ!これが全国区の実力なのかーッ!」
「アーン?168なんざ大したコトねぇよ、あのヤロウ…まだ実力の半分も見せてねぇ」
「ウス」
どうやら試合は168の方が終始優勢らしい、ダテにスマホとかで遊んでいるワケではないんだな、アイツ…
168のたまらんスマッシュが決まり、ゲームは168が勝った、58や26がウェーイと言いながら168に勝利のハグをしながら観客に手を振っていた
「よし…」
「よし、じゃねぇよ、なんだそのメガバ●ーカランチャーみたいなカメラは?」
「フッ、前回の作戦で良い給金が出たからな、奮発して買ったのだ」
「ふ~ん、バカじゃねぇの?」
「バカではない、ビッグセブンだ」
コイツと一緒に居ると俺もロリコン盗撮犯にされかねん、さっさと離れるか…
そう考えて喫煙所へと足を向けた俺に何かがぶつかった
「ぐはァ!ロ●アの俺に攻撃を…ッ!」
「グゥゥゥゥ!!」
俺の足に衝突して唸りをあげる人には決して懐かない犬、時津風
「オイ長門、時津風が放し飼いされてるぞ」
「フッ、大丈夫だ、時津風は懐っこくて大人しいヤツだからな」
自信満々な長門に悪いが、既に周囲から被害の声が聞こえている
「噛みましたわぁぁぁぁ!!コイツ!私を噛みましたわァァァァァ!」
「バカヤロウ!早くそのチューインガムを隠すんだァァァァァ!」
「ファーックス!蹴り殺して差し上げますわ!このド畜生がー!」
熊野のエレガントキックを回避し、時津風はさらなる追撃のハウンドタックルを喰らわせた
「ごでぃばぁ!!」
「オマエ、キライ、ニンゲン、コロス」
時津風は奪ったチューインガムを妙にムカつく顔でクチャクチャ食べて余裕の屁をこいている
「オイ、全然人懐っこくねーぞ!むしろ狂犬ぶりが悪化してるだろォ!!」
「そんな事はないぞ、このビッグセブンの前ではとても良い子だ」
「それダメな飼い主の思考だろーが!!」
コイツとは飼い主責任について一度徹底討論しなければならんな…
まさに誰も手がつけられない狂犬、しかし、その狂犬の前に一人の勇気ある者が歩み出した
「…ここは私に任せて貰おうか」
ドイツから来たおっぱいデカい空母、グラーフ・ツェッペリン
「…」ビクッ!!
「フッ、怯える事は無い、かわいいワンちゃんじゃあないか、さぁ、このジャーキィーをあげよう」ニマァ
「ヒッ!!ヒイイ!ヒイイィィィィ!!」ジョー…ドボドボ
グラーフは精一杯の笑顔の前に、時津風にブクブクと泡を吹きながら白目を剥いて気絶した
「すげぇ“覇気”だ!」
「なんて強力な“覇王色”ッ!ハンパじゃねぇ…」
「これが乳武海の実力か!」
ざわ…ざわ……
「………ジャーキィーを」ポロポロ
次回はリクエストもありました三日月回
…すげぇよミカは