【登場人物】
五航戦
意外と普通の妹と、妹の前以外ではすぐ吐血する姉、装甲空母
三日月
睦月型の10番、とにかくすごい
秋月(3)
秋月型の長女、三日月さんと仲が良いらしい
「北方AL海域か」
「ですね」
本部から届いた1枚のFAX、燃料資材を少し融通してやるから少々面倒な任務をやって来いとの事だが…
「え~…空母旗艦の駆逐艦2か」
あの海域、なかなかタフな敵が多いから普段は駆逐艦出さないんだよなぁ
「私が出ましょうか?」
「小粋な五月雨ジョークはやめてくれ」
◆◆◆
北方AL海域…
「はいもしもーし?こちら瑞鶴ぅ」
『こちら瑞鶴ぅ、じゃねーよ、現場の状況はどうなんだ?』
信じて送り出したAL殲滅部隊、現場の映像を撮影するカメラ係を日向のバカに任せたら2秒で水没させ、そのまま進撃、現場の状況がまったくわからないので仕方なく瑞鶴に電話をかけてみた
「ん~…今、ガキ姫のトコ、あ!翔鶴姉ぇ!それ私のキ●トカットじゃん!ちょ!やめてよね!」
『何がキットカ●トだ、ナニヨユーこいてんだオマエらァ!?』
北方AL海域に生息する戦慄の悪鬼、北方棲姫、見た目はクソガキでもさすがに上位種の姫級、ヤツの恐ろしさと手強さは決して侮る事はできない
「うるさいなぁ、ちょっと翔鶴姉ぇに代わるから、はい」
『あ゛?』
「あ、もしもし?妹がお世話になっております、姉の翔鶴です」
『あ、どうも………じゃねーよ!知ってるよ!状況を伝えろ!状況を!勝ってんのか?負けてんのか?』
「勝ってます」
『勝ってるのか…』
「はい、今、三日月さんがスゴいヌルヌル動きながら鈍器みたいなのでボッコボコに殴ってます」
‐‐‐
『イタイ!!ナニソレ超イタイ!!』
出撃る前にビッグママが持たせてくれたWG42、最初は使い方がよくわからず使い難いなコレと思っていたその装備…
「あぁ…やっとわかってきた、コレの使い方」
本来、潜水艦に搭載し陸上施設に大打撃を与える為に作られたその兵器、陸上施設型の深海棲艦に有効なダメージを与える事が可能だが、三式弾とは違い決定打に欠けると言われている…
ただ、あくまで本来の用途を無視し、殺す気で使えばその力は三式弾に匹敵する狂気の力を発揮する
「ウロチョロするなよ」
『ギャアアアアア!!』
WG42の尖った部分を北方棲姫に突き刺し、足を止める
「それ晴れ着?なんでそんなの着てるの?」
『ヒッ!ヒイイィィィィ!!』
「ま、どうでもいいか…」
パンパンパンパン!
『…』死ーン
「終わったよ」
三日月は懐からソ●ジョイを取り出し、間違った使用法のせいでひしゃげたWG42をブンブンと振って戦闘の終了を報せた
◆◆◆
「すげぇよミカは…可愛くて、燃費がよくて、愛嬌もある、初めてのWG42も使いこなすし、今度は分数のかけ算まで…」
」
無事任務を終えて帰還した部隊に特別手当を渡し、俺は喫煙所で胸元から取り出した煙草をくわえ、ライターを探していた
「…ところで、なんでその三日月は秋月に担がれてるんだ?」
給料を渡した後、マミーヤにチャーハン食いに行くと言ってたが、新感覚の遊びか何かだろうか…?
「あぁ…テイトク、なんか歩くのが面倒くさくなって」
「面倒くさくなったからって秋月に担がせるなよ」
悪魔のような活躍をする三日月だが、基本的には殺戮の為のマシーンみたいなヤツなので殺戮以外については大変面倒くさがりらしい
「大丈夫です!秋月は三日月さんをマジリスペクトしてますから!」
「ふ~ん」
意外と仲良いんだな、コイツら
「テイトク、チャーハン作ってよ、チャーハン」
「なんで俺がチャーハン作らにゃならんのだ」
「お金ならポッケに入ってるから」
「三日月さん!チャーハンなら秋月が作りますよ!」
「…でも秋月のチャーハン、肉入ってないし」
「ぐっ!……チャーハンってお肉入ってるんですか?」
秋月姉妹のチャーハンには肉が無いらしい
「給食おばちゃんに作って貰えよ、マミーヤママのママチャーハンを」
「食堂閉まってた」
「そうなんです、年始は6日から営業するそうです、なんでも伊良湖さんと海外行ってるらしいですよ?ワイハですかね?」
何考えてるんだあのブタチチ乳牛は、そんなに儲かってるのか?あのヤロウ…
「チッ…まぁいい、チャーハンでいいのか?」
「チャーハンで」
秋月に担がれたままで返事する三日月は実にシュールな光景だな