不健全鎮守府   作:犬魚

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提督の疑惑にメスを入れるハードボイルド復讐活劇

【登場人物】

飛鷹
飛鷹型一番艦、提督から“よっ!今日もイイケツしてるね!ガッハッハ”とフランクに声をかけられているのが原因

隼鷹
飛鷹型二番艦の新世紀創造主空母、汚物の消毒に定評がある、実家が金持ちで荒れた青春を送った結果が現在


提督と飛鷹型とナイトクラブ16

鎮守府内に存在する煌びやかな光を放つ夜の店、ナイトクラブHO‐SHOW…

 

『HO‐SHOWへようこそロミオー!』

 

軽空母、鳳翔がオーナーを務めるこの店は決して、キャバレーナイトクラブ、略してキャバクラではない

薄い酒と安いツマミをおっぱいの大きな女が勧めてくるだけの店だ

 

「ケツだな!ケツ!やっぱ女はケツだよ!」

 

「アンタ乳がデカいのが好みじゃなかったのかい?ボーイ」

 

「ボーイはやめてくれよ」

 

執務棟の裏で栽培している穫りたてフレッシュな辛味大根をママに渡し、俺はまるで阿●羅閃空のようにスムーズな足取りで空いている席に座った

 

「どうも、飛鷹です……ゲッ!提督」

 

美しいケツに定評のある軽空母の飛鷹、そして…

 

「ヒャッハー!水だァー!」

 

紙幣をケツ拭く紙に使うと噂されている軽空母の隼鷹、以前、禁酒させた際に水が酒になるように邪眼をかけた後遺症が残っているらしく、今でも水道水をガブ飲みする姿がたびたび目撃されている

 

「まぁ座りたまえ」

 

「隼鷹そっちね」

 

「ヒャッハー!」

 

隼鷹を俺の隣にコール、自身は俺の対面に座りターンエンド、特に何かした覚えはないのだが、この飛鷹は俺の事が嫌いらしく、気さくに声をかけてもどうにも邪険にされる

 

「だが、それもイイ!」ズギューン!

 

「キモッ!スイマセン、出来るだけこっち見ないでくれませんか?」

 

「オイオイ、客商売だろォ?料金分はキチンとサービスしたまえよキミぃ」

 

「クッ…」

 

飛鷹の嫌悪感と屈辱感のこもった視線、フフ…そんなに見つめるなよ、興奮しちゃうじゃあないか

 

「で…?何飲むんですか?水ですか?できれば高価いの頼んでください」

 

「焼酎、芋、お湯割」

 

「あ、アタシも焼酎、冷やで」

 

「アンタもサービスする側でしょ!!」

 

実に的確なツッコミ、やはり君は素晴らしい逸材だ、飛鷹

 

「まぁ構わんよ、飛鷹くんもキミも好きなものを飲みたまえ」

 

「じゃ、ピンドンで、ママ、ピンドン入ります」

 

「クッ…さすが飛鷹くんだ、まぁいいだろう」

 

「よっしゃ!カンパイしよーぜ!カンパイ!」

 

俺達はそれぞれのグラスを手にウェーイとグラスをブチ当てる

 

「そーいや提督よォ、アンタアレなんだって?ホモじゃないでロリコンなんだって?」

 

「ブッ!!!」

 

「あ、それ私も聞いた、提督がある島で海賊らしからぬ父親の顔をしていたとか…」

 

海賊王か!!っーか海賊じゃねぇし、俺、海軍の方じゃん!?なんだその噂!

 

「ちょ……ちょっと待て、なんだその噂は?」

 

「まぁ、前々から提督はホモってのがワリとメジャーだったけどさぁ」

 

「一応聞くが、そのホモ話はどこ出だ?」

 

「サミー」

 

「私は陸奥さんから聞いたわ」

 

アイツらァ……!!

 

「っーか基地の7割が提督はホモで納得してるしな」

 

「ホモじゃねーし」

 

「ところが最近はアイツ実はホモじゃないでロリコンなんじゃない?って説が強くなってるのよ」

 

「一応聞くが、その話はどこ出だ?」

 

「サミー」

 

「長門さんよ」

 

ビッグセブン!!どうなってんだビッグセブン姉妹ッ!っーか五月雨ェ!!アイツなんか俺に恨みあんのか!?

 

「で?実際どーよ?ホモなの?ロリコンなの?」

 

「ホモでもなければロリコンでもない」

 

「は?」

 

「は?じゃねーよ、なんだヒヨー?そのツラはレ●プされてーのか?」

 

「け…ケダモノ!!」

 

「ケダモノじゃない、提督だ」

 

なんてことだ…威厳と誇り高い事に定評があると自認している俺がとんだ風評被害を被っているとは、これは由々しき事態と言えよう

 

「だって提督アレじゃん、未だにミコンじゃん」

 

「そうね、これは動かし難い事実であり決定的な裏付けよ」

 

「アレはそう、アレだよ、俺はほら、アレだよ、カッコカリとかシステム的に名前あってもほら、ケッコンってのはほらアレだ、幸せで幸せで幸せで幸せの絶頂でだな…」

 

「乙女かッ!!」

 

「ギャハハハハハ!!幸せの絶頂ッ!ヒッ……ヒヒヒ!幸せの絶頂ーッ!」

 

「何が可笑しい!!」

 

こ…このクサレ軽空母どもめッ!人の純情を…ッ!!

 

「あー…笑った笑った」

 

「あーホント、今年一番笑ったわ」

 

「オマエらちょっとオモテ出ろよ、キレたよ、久々に」


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