【登場人物】
提督(82)
最近ブラックラビを思い出した
卯月(4)
通称、うーちゃん、意外と可愛がられている
鈴谷(31)
通称、ビッチ、かわいがりと言う名のビンタはよく受ける
「あ、クソ!やっぱコイツつえーな、マジつえー」
駆逐艦のキッズから超戦艦級まで様々な艦娘達が利用する憩いのスペース、談話室、かつては喫煙OKだったがいつの頃からか分煙化が進み、ついには禁煙にされた、まったく喫煙者には生きにくい世の中になってしまった
「テイトク!もうまんまるドロップがないぴょん!」
「パックンチョコは!?」
「ないぴょん!あ、アンジェまた死んだぴょん!」
「ガッデム!こうなりゃ自棄じゃあ!最後まで美しく散ろうじゃねぇか!」
談話室に設置されたスーパーフ●ミコン内蔵テレビ、文庫本でも読もうと談話室にやって来た俺は先に談話室に来ていたうーちゃんに誘われ、聖●伝説3を一緒にプレイしていた
「ぷくぷくぷー!このバケモンマジつえーぴょん!」
「こりゃダメだ、もうちょいレベル上げねぇとムリだわ」
「えー…レベルあげダルいぴょん」
「ダルいとか言うんじゃないよ、獣人ルガーはそんな甘い相手じゃないんだよ、コイツはマジヤバいんだよ」
獣人ルガーは別だ、月夜の森で獣人ルガーはマジヤバイ、そこらのウェアウルフとは全然違う、月夜の森で獣人ルガーはマジヤバイ…
まず、魔法は使えない、使えば最後、カウンターで必殺の青竜なんちゃらか朱雀なんちゃらでアンジェは死ぬ、ワケもなく地面に叩きつけられて死ぬ、一発でお終いだ…
そして、レベル2以上の必殺技も使えない、カウンターで必殺されてシャルでも死ぬ
「と言うかうーちゃんよ、まず、パーティーの選別から間違ってるだろ」
よりにもよってうーちゃんが選んだ主人公も仲間も全員女キャラというメスブタ仕様、しかも主人公がアンジェだからラスボスは一番強いヤツだよ
「ぷくぷくぷー、うーちゃんじゃんけんに負けて男キャラは全部弥生が選んじゃったから仕方ないぴょん」
どうやらこのゲーム、うーちゃんと弥生の2人で別々にプレイしているらしく、うーちゃんの陵辱不可避メスブタメンバーとは対照的に下のセーブデータはなんとも雄々しいメンズだけで構成されている
「とりあえずレベルあげだ、レベルあげ」
「ぷくぷくぷー」
俺とうーちゃんはセーブデータを再開し、とりあえず月夜の森をうろうろしてレベル上げする為に再びコントローラーを手にとった
◆◆◆
「ダビデとバネッサダビデとバネッサー♪………お、提督とウサ子じゃん?なにそれ?ゲーム?鈴谷にもやらせてやらせてー!」
談話室でテレビでも見ながらティーを飲もうとやって来たら、提督とウさ…ウサづき?まぁいいや、なんかぷくぷく鼻を鳴らす駆逐艦がゲームをしていた
「うーちゃん!早くまんまるドロップを!」
「もうないぴょん!」
「ガッデム!」
「ねー!鈴谷にもやらせてよー!なにそれ?協力プレイってやつ?鈴谷協力プレイマジうめーよ」
「うるせぇぴょん!!」
「お…おぅ!」
ば…バカな、この鈴谷が駆逐艦如きに退いた?なんて覇気だ!!
「チクショウ!こうなりゃ自棄ぴょん!うーちゃんの“だっしゅ”をブチ込んで眼に物見せてやるぴょん!」
「な゛!?やめるんだうーちゃん!うーちゃんのシャルは“生きなければならない”!このパーティーで唯一!魔法による回復ができる貴重な存在!回復アイテムが尽きた今!シャルを失えば俺達に勝ちはなくなるんだぞォォォ!!やめろAボタンから指を離せッ!」
「いいや限界だ押すぴょん!」
‐‐‐
「やっぱ乳ばっかデカい魔法使いはダメぴょん、次!」
「やっぱレベル上げねーとダメだってばよ」
どうやらゲームオーバーになったらしく、提督とウサづきは溜め息を吐きながらコントローラーから手を離した
「ねー!鈴谷にもやらせてよー!ねぇってば!やらせてよー!」
「さっきからヤらせてヤらせてうるせーな、なんだオマエ?欲求不満か?」
「欲求不満じゃねーし」
「チョコレートやるから消えろ、俺は今うーちゃんとアツかりし冒険の旅の途中なんだよ」
「鈴谷も冒険の仲間に入れてよぉ~!ねぇ~!入れてってばぁ~!」
「挿入れて挿入れてうるせーよ!なんだオマエ?欲求不満か?」
「だから欲求不満じゃねーし!」
このオッサンは鈴谷のナニをして欲求不満とか言うのかね、鈴谷は単純にゲームしたいだけ、そう!ゲームしたいと言う欲求に駆られているよ!
「ぷくぷくぷー、このゲームは2人用だからダメぴょん」
「じゃ鈴谷と替わって」
「イヤぴょん」
「じゃ提督でいいや、鈴谷と替わって」
「イヤぴょん」
「イヤぴょんじゃねーよ!!キモいわ!」
「キモくない、提督だ」
クッ!どうしても仲間ハズレにするつもりだよコイツら!仕方ない、ここは鈴谷が大人になって頭を下げて仲間に入れてもらおう…
「お願いします!鈴谷にもヤらせてください!」
「だってよ、どうする?うーちゃん」
「土下座しろぴょん」
「ハァ!?オイコラウサづき、テメーあんまチョーシにノってんじゃねーぞコラァ?」
コノヤロー、たかが駆逐艦の分際に舐めた口利きやがって…
「まぁ待てうーちゃん、二人でダメなら案外三人だとなんとかなるかもしれんぞ」
「アレぴょん?三人寄ればモンジュぴょん!」
ウサづきは手持ちのポーチからSFC用マルチタップとコントローラーを取り出して機械に挿した
「コレで三人できるぴょん」
「よし、オレはアンジェでうーちゃんはシャル、鈴谷は触手姫な!」
「了解ーッぴょん!」
「え?ナニその名前?」
触手姫ってナニよ?エロゲーかよ…とりあえず渡されたコントローラーを握りキャラクターを動かし……
「ん?」
あれ?なんかコレ動かないんですけど?
「ねぇ、鈴谷のキャラクター動かないんですけど?」
「バカだな、オマエちゃんと“練”使ったか?」
「ハァ?え…?ナニ?れん?」
「最低でも“練”が使えないとゲームする資格ないぴょん」
え?なにこのゲーム?ハンター専用なの?提督もウサづきも当然のように“念”使ってるの?
「…え?マジ?」
「マジぴょん」