不健全鎮守府   作:犬魚

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提督不在の野望の工作艦回

【登場人物】

明石(7)
野望の工作艦、ありったけの金をかき集めて探しもの探しに行く気は特にない、提督とは利害がそれなりに一致するズブズブの関係

古鷹(2)
通称古鷹さん、浜風ちゃんと同様、名前だけはよく出るタイプ、提督曰わく、このイカレた世界に降臨した天より舞い降りしエンジェル


明石と野望のキングダム

工作艦、明石

 

大淀と並び、だいたいどこの鎮守府・基地にも一人は配属されている簡易量産機のようなよくわからない艦娘

主に、軍が消費するであろう資材の流通を生業にしており、状況によっては破損した艦を修理する技術を持つ者もいる…

 

普通の奴、とにかくスケベな奴、悪用しかできない薬を作る奴、未来型ブッ飛びマシンを作る奴、世の中にいる明石の個体差も様々で、普通の明石が排出率0コンマ以下のレアリティ詐欺ではないだろうかと疑われているが、現在でも大本営は沈黙を貫いている、海軍の闇は深い…

 

「ひーふーみー…クックック、たまらんわい」

 

そして、この基地に配属されている明石はとにかく金が大好きだった…

現金!キャッシュ!マネー!唸りをあげる魔性の怪物!金ッ!明石はとにかく欲していた!円を!ドルを!ユーロを!

 

「修理?ツバつけときゃなおりますよ!資材が欲しい?最近入荷してないんですよ、売れないから!」

 

◆◆◆

 

「ありがとーございましたー」

 

あん●んぶるスターズ!略してあん●タのキャラソンCDを手に、古鷹さんはニコニコと頬を緩ませながら店を去って行った…

 

「ふぅ…」

 

そういや提督から注文されてたS●Dだかカリ●アンドットコムだかのDVD入荷してたっけか…後で連絡入れとこう、っーか私の店でいかがわしいモン注文するなってのな、小さい子には駄菓子も販売してる健全な店だよ、ウチは

 

「あ~…なんかいい商売ないかなぁ~」

 

この明石には黄金のような夢がある

いずれは全国に広がる明石チェーンを全て掌握し、この明石こそが明石の中の明石、キング・オブ・明石となってこの国、そして世界の流通を支配する王となる、それこそが私の夢、明石キングダムだ

 

「遊●王カード買いに来たじゃない!」

 

「今日こそ神のカードを引くのです!」

 

「いらっしゃ~い、はいはい遊●王カードね、遊●王カード…はい、いいの入ってるといいね」

 

子供達がお小遣いで遊●王カードで買い、キャッキャとハシャぎながら去って行く…

ダメだ、子供にカード売ってるようなショボい商売じゃ明石キングダムの建国にはほど遠いッ!小学生だった自分にショボい人生でゴメンなと謝りたいぐらいショボいよ!

 

「ウフフ…ウヘヘ…明石さん、お酒、お酒売ってくださぁ~い、お酒ェ…」

 

「はいはい、200円です」

 

イタリアから来たアルコールモンスター・ポーラちゃんはワンカップ●関を受け取り、ひと息に飲み干す、その堂々たる姿はまさに酒神バッカスの如く神々しく、誇らしささえ感じる

 

「ッ……っく!!ブハァー!!美味いッ!悪魔的ですぅ!」

 

「ご一緒に焼き鳥も如何ですかー?」

 

「焼き……鳥?」

 

ポーラちゃんはポケットから財布を取り出して中身を確認してガックリとうなだれた

 

「…ポーラ、お金ないんで」

 

ポーラちゃん曰く、お小遣いはお姉さんに厳しく管理されているらしく、この200円も提督の肩を揉んで貰ったなけなしの金だったそうだ

 

「ふぅ…ポーラちゃん」

 

私は新たなワンカ●プ大関と焼き鳥を3本取り出してカウンターの上に置いた

 

「こ!?コレ……でもポーラお金はぁ…」

 

「いいのよ、慣れない日本で頑張っているポーラちゃんに………お姉さんのおごり」ニコッ

 

「おごぉ!?おご…!おごごごご?」

 

や、そんないきなり凶悪なオークチ●ポぶち込まれたみたいな声出されても…私そんな趣味ないんですけど

 

「い…いいんですかぁ?コレ、ポーラ貰ってもいいんですかぁ!?」

 

「えぇ」ニコッ

 

「クッ!!ありがてぇ…ッ!ありがてぇ…ッ!!」

 

ポーラちゃんはアツい涙を流しワンカ●プ大関を喉に流し込み、アツアツの焼き鳥を頬張る

 

「チクショウ!美味めェ…!チクショウ!明石サン…明石サンッ!なんて良い人…ッ!なんて優しい人!善人…ッ!」

 

「いやぁ~それほどでも」

 

「ポーラは忘れません…ッ!この恩を…ッ!」キリッ!

 

イタリアと言えばギャング、ギャングと言えば金、恩を売っておいて損はない…そのうち何かの役に立つ日もあるだろう

ポーラちゃんは深々と頭を下げながら去って行った…

 

「さて…そろそろ店閉めようかな」

 

カウンターを離れ、シャッターを閉めようかなとシャッターを引っ張る棒を手に取った

 

「オーイ、明石ィ~」

 

「なに?もう店閉めんの?」

 

「ん?あぁ、大淀と足柄さん、なに?もう閉めるよ?」

 

やって来たのは見た目だけはインテリ、プッツン眼鏡の大淀と、合コン行った時にゲーセンに寄ってたまたま設置してたガロスペでつい本気出してリ●ウ・サガザキをブッ倒して男がドン引きした足柄さん

 

「合コン行こーぜ」

 

「面子足りないのよ」

 

コイツらと行くと最後に介抱しながら歩かないといけないからイヤなんだけど…

 

「ダイジョーブ!オマエのスケベスリットならダイジョーブ!マジ悩殺よ!」

 

「や、アンタもスリットあるし、ってかスケベとかゆーな」

 

「今日は医者よ医者!カーッ!漲ってきたなァ!オイ!なぁ淫乱ピンク!」

 

「淫乱ピンクとかゆーなッ!!」


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