不健全鎮守府   作:犬魚

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ブランドペットと言う名の仁義無きステイタス回

【登場人物】

提督(84)
ボラ●ノールは友達

山風(5)
猫の名前は猫、それ以上でも以下でもない

ビスマルク(3)
ドイツが誇る大戦艦、だいたい悪意が無い上から属性、変態から好かれるらしい

プリンツ・オイゲン(4)
ビスマルクさんを敬愛する変態メイト、提督とはビスマルクさん大好き変態メイト同士で非常に仲が悪い


提督と山風と高貴な猫

寒いとケツが痛くなるウ●コには優しく無い季節、俺は執務棟に唯一設けられている紳士専用トイレで必殺のビッグベン・エッジを放ち、激闘の痛みと共に喫煙所へと向かっていた

 

「あ~…さみぃ~」

 

前に夕張のバカにウォシュレットを作らせてみたが、水の勢いがダイヤモンドカッターと較べても遜色無い凶悪マゾ仕様を完成させたので自分で座らせてやったら“んほぉーア●ルこわれりゅー”とか言ってアヘっていた

やはりちゃんとした業者に手配しないとダメだな

 

「…あ、テイトク」

 

「む、オマエは……山颪?」

 

「…山風」

 

廊下を歩いていると、改白露型のややアレな奴、キモい猫を抱えた山風と出逢った

 

「ナニやってんだ?散歩か?」

 

「…違うよ、今から猫の予防接種?に行くの」

 

「ふ~ん」

 

山風曰わく、今日、町の公民館に動物ドクター的な人が来ているらしいのでペットを飼っている人は予防接種をしに行っているそうだ…

そう言えば朝、長門のヤツが時津風を米俵みたいに抱えてハッハッハと笑いながら歩いてたな…

 

「まぁ、頑張れよ」

 

「…テイトクも、行かない?」

 

「行かない、何故なら用事が無いからな」

 

「…そう」

 

キモい猫を抱えた山風は心なしか肩を落として残念がっている気もするが知った事ではない、ただでさえ最近基地内で俺のロリコンの疑いが強まっている中、コイツを甘やかしていたらアツい疑惑が更に高まる事は必至ッ!

 

「あら?提督じゃない?こんなところで何してるの?」

 

「あ゛?」

 

ふと、後ろから声をかけられたので振り向いてみると、そこには獅子の如き豪奢な金髪を靡かせる美しすぎる美女…

 

「びッ!びびび!ビスマルクさんッ!!」

 

ドイツが誇る大戦艦、ビスマルクさん、その美しさは万人がおっふせざるを得ない美しさ…

クソッ!ダメだ、美し過ぎて目が合わせられねぇよ!チクショウ!

 

「それと……えっと、誰だっけ?」

 

「…山風」

 

「そうそう、ヤマカゼね……なにそれ?」

 

「猫」

 

ビスマルクさんは山風の抱えている毛の無い猫に興味を持ったらしく珍しそうに眺めている

 

「珍しい猫ね、あ、もしかしてアナタもヨボーセッシュに行くの?」

 

「…そう」

 

「奇遇ね、私もよ」

 

そう言えばビスマルクさんも猫飼ってるって話を聞いた事があるな、しかも、大層可愛がっておられるとオイゲンが歯軋りしながら言っていたからにはそれはもう大層可愛がっているのだろう

 

「…おねえさんも、猫飼ってるの?」

 

「えぇ、まぁアナタのその変な猫より200倍は可愛いわ」

 

「…」イラッ

 

ビスマルクさんの言葉には悪意は無い、悪意は無いが変な猫と言われた山風はややイラッとしたらしく、ただでさえ悪い目ツキが更に悪くなった

 

「あの…それで、ビスマルクさんの愛猫はどちらに?」

 

「プリンツが連れて来てる筈だけど…あぁ、プリンツ、こっちよ、こっち」

 

ビスマルクさんの寵愛を受ける愛猫か、ある意味憎悪すら感じるがまぁ高貴なビスマルクさんに相応しい高貴な猫なんだろう…

 

「痛ァァァァァ!!痛い痛い痛い痛い!アネゴ!噛んだ!コイツ私のお尻噛みましたーッ!」

 

「なに言ってるの?ジャレてるのよ」

 

オイゲンの尻に牙を立てる真っ黒な獣、なるほど…高貴なビスマルクさんに相応しい高貴な猫……

 

「って!!デカァァァァァァァ!!」

 

「…」ビクッ!

 

俺の叫びに山風も授業中に突然ローターの電源がONになったみたく跳ねた

 

「紹介するわ、私の愛猫ロデムよ」

 

「こ…このクッ…クソ、クソ猫ッ!私のお尻ぃぃぃ!」

 

「クソ…?プリンツ、アナタ今、クソ猫って…」

 

「言ってませんッ!よぉ~しよしよしよォ~し!可愛いですねぇ~、あ~…コレはジャレてるんですねぇ?あは、あは…あははは」

 

頭を丸かじりされながらも笑顔でよしよしよーしするオイゲンの身体を張った気高き覚悟ッ!敵ながら見事と言える

 

「どう?可愛いでしょう?」

 

バ●ル二世かル●ールしか飼ってなさそうな猛獣を可愛いかと問われるとなかなか返答に困るな

 

「…猫のほうが、かわいい」

 

「は?」

 

「…おねえさんのより、こっちの猫のほうが、かわいい」

 

「…フフ、面白い冗談ね、ねぇプリンツ?」

 

ビスマルクさんは予想外の山風の返答にややイラッときたが、そこは大人のレディ、すぐに余裕ある高貴な笑みに戻った

 

「痛ッ!このバカ猫ホントやめて!ホントやめて!痛いからホントやめて!………あ、はい!カタハラ大爆笑です!」

 

「ちょっとプリンツ、今、バカ猫って言わなかった?なにかバカ猫って言葉が聞こえたんだけど…」

 

「言ってないですッ!」キリッ!

 

「そ、そう…」

 

さすがはプリンツ・オイゲン、素晴らしいナイスガッツを魅せてくれる、それでこそ俺の宿敵よ

 

「アネゴ!基地の前にタクシー呼んでますから急ぎましょう!」

 

「そ…そうね、じゃ、提督とヤマ…ヤマカゼも後でね、行くわよプリンツ」

 

「はい!アネゴ!あぅ…ぅぅぅ…アガッ!動脈ッ!動脈ヤバい…」

 

ビスマルクさんは颯爽と、オイゲンはフラつきながら去って行った…

 

「…」

 

「…」

 

「車出してやるから乗ってくか?公民館」

 

「…うん」


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