不健全鎮守府   作:犬魚

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ヘェ…キタンダァ…フーン、キタンダァ…

【登場人物】

長門
最大戦力、ビッグセブンの1人、真剣な表情で常に駆逐艦のエンジェルス達をペロペロしたいと考えている本物
本人の意思とは裏腹に、違う意味では慕われている

陸奥
最大戦力、ビッグセブンの1人、当基地では比較的まともな方で、高い女子力と包容力を誇る
五月雨とはホモ同人を貸し合う仲
睦月型にバスケを教えているらしい



提督と長門とバスケ

「ディーフェンス!ディーフェンス!」

 

「ナイッシュー!キサラギィー!」

 

休憩がてら、煙草を吸う為にブラブラしていた俺は基地内にある体育館へ来ていた

大規模作戦が無い時はだいたい何かのスポーツをやっているらしい

 

「ディフェンス1本ッ!止めるぞォ!」

 

「っしゃー!ミカァ!オレにも回せ!」

 

バスケか…また汗くせぇコトやってるな

俺は煙草に火を点けて試合の様子を眺める事にした

 

「…ん?」

 

体育館の扉の影に何かデカいのがいる

 

「なにしてんの?オマエ」

 

「ん?フッ、提督か…提督も駆逐艦のエンジェルス達が汗を流す様子を見に来たのか?」

 

戦艦、長門…

最近出番はないが、未だ、当基地の最強ランキングで名が上がる歴戦の大戦艦

大和、武蔵、アイオワ、金剛型改二、独・伊の海外艦と比較対象は多々あるものの、最終的には“まぁ、ステゴロなら長門だろう”で話はいつも締められる…

 

「いや、単に煙草吸うついでに視察しに来ただけだ」

 

「フッ…そう言う事にしておいてやろう」

 

ただ、この戦艦長門は生粋のロリコンである

クールに見えて、頭の中は常に幼く見える駆逐艦をペロペロしたいと考えており、愛読書はコミックL●、好きなアニメはロウキ●ーブと言う生粋のペド野郎だ

 

そして、何故かこの俺を同好の志と勘違いしている

 

「フッ…まったく、駆逐艦は最高だな、なぁ?」

 

「なぁ?じゃないよ、テメーと一緒にするんじゃねーよこの性犯罪艦が」

 

「フッ…」

 

色々と問題はあるが、ただ、強い

その、鍛え抜かれた超肉体はバーベルトレーニングなどアンナチュラルでないトレーニング方法では決して身に付かない打撃用筋肉…

 

「キター!ユウダチの型の無いシュート!」

 

「なんであの体勢で投げて入るんだーッ!」

 

ん?なんか試合が盛り上がっているらしいな

点差は……18点差か、まぁ、頑張ればなんとかなる数字か?

 

「ダメだーッ!ユウダチ止まんねーッ!」

 

「これがキセキの世代のエース!」

 

「クソォ!!こいやァ!」

 

「あかんなぁ…睦月ちゃん、たしかにキミは同じ改二かもしれんけど、それでも勝つのはユウダチや!」

 

オイオイ素人目でもわかるぞ、なんだアイツ?一人だけ桁違いのモンスターがいやがる

キセキの世代か…ハンパじゃねぇ!!

 

「ムツキィー!こい!」

 

「ヒカル(如月)!オマエがエースだッ!」

 

「キタ!キサラギ対ユウダチ!エース対決だッ!」

 

「うおおおぉぉぉ!!負けられねえーッ!」

 

「……オマエの光は淡すぎるっぽい」

 

強過ぎるッ!これがキセキの世代ッ!

そして…

 

「…」

 

「…」

 

「普通に負けたな」

 

「あぁ、やはりキセキの世代を擁するチームは強い」

 

黙っていればイケメンの長門は敗北に涙する睦月型達の姿をハンディカムで撮りながら口許が緩んでいた

 

「それに、コーチが陸奥では勝てまいよ」

 

そう言えば、前に駆逐艦の子達に頼まれてバスケのコーチしてるとか言ってたな

 

その陸奥は、今、敗北に涙する睦月型のチームメイト達を一人一人優しく抱きしめている…

 

「………チッ!!陸奥め!」

 

ちなみに、同じビッグセブンである長門にコーチの依頼は来なかった

 

「陸奥めッ!陸奥めッ!陸奥めェ~…なんて羨ましいッ!クソッ!陸奥ッ!許されんぞ陸奥ッ!」

 

「なんて醜いヤツだ…」

 

「なぁ提督!私達もチームを作ろうじゃないか!駆逐艦のエンジェル達と合法的に触れ合えるんだぞ!合法的に!」

 

「やかましい!動機が不健全すぎるわ!」

 

「クッ!妬ましい!今からエンジェルス達とアイスを食べに行く陸奥が妬ましいッ!」

 

「チーム作るなら自分で集めろ、法に触れないならある程度許す」

 

「フッ…できるものならやっている!だがな、私が声をかけようとすると…」

 

『チッス!長門サン!今日もメチャシブいッス!』

『チッス!長門サン!今日も長門サンの“男”!ベンキョーさせて貰いマス!』

『チッス!長門サン!今週のジンマガとジャムパンっす!』

 

「…何故だ?何故私は陸奥とは違う?何故陸奥は頼れるお姉さんで、何故私はメチャシブいんだ!」

 

「知るか」

 

「陸奥を見る度に思う、何故私はああではないのか?何故私は濁っているのか常々考えている始末だ」

 

「濁っている自覚はあるんだな」

 


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