月イチペースの談話室足淀回
【登場人物】
足柄(4)
通称、ワイルドウルフ
提督に天海中佐紹介してくれと頼んだ
大淀(4)
通称、デスマシーン
足柄に一歩先んじようと頑張っているがたぶん失敗する
「うっお―っ!! くっあ―っ!! ざけんな―っ!」
「オイ!足柄サンがまた荒れてんべ!」
「超怖えー」
妙高型重巡の三番艦、足柄、通称ワイルドウルフ、かつて復讐の為に格闘の世界へ身を投じたが普段はその後ろ暗い背景を感じさせない陽気で気さくなナイスガイっぷりは駆逐艦のキッズ達から憧れの対象とされている
「どうしたァ?足柄ァ…」
荒れて椅子とテーブルに当たり散らす、そんな近寄り難い足柄に平然と近寄るインテリ眼鏡系軽巡、大淀
足柄とは入隊前のシャカリキボーイ時代からの相棒、足柄とはよくつるんで東急ハ●ズに行く仲である
「まぁ落ち着けよ相棒ォ~…見ろ、キッズ達がビビって楽しいレゴブ●ック組み立てられなくて震えてるじゃねぇか?」
たしかに、ここは誰しも憩い求めてやって来る憩いのルーム、談話室
キッズ達は足柄のハイアングルゲ●ザーを警戒してブルブルと震えていた
「フッ…私としたコトが、オマエらァー!コイツでスナック菓子でも買いなァー!」
足柄はC●ACHの財布から数枚の紙幣を取り出し、スタイリッシュに一番近くにいた霰に投げ渡した
「ヒュー!足柄サンオトコマエー!」
「さすが足柄サン!復讐を誓う飢えた狼ーッ!」
キッズ達は足柄に頭を下げてキャッキャとハシャぎながら明石の店へと走って行った
「で?今度はナンだ?また合コンでライジングタッコォしちまったんか?」
「あ゛?行ってねーし、っーかライジングタックルとかしてねーし」
大淀は手近な椅子に座り、テーブルの上に置いてある誰の物ともしれないペットボトルのフ●ンタオレンジに間接KISSして喉を潤す
「ぶはぁ!!うんめー!」
「昼間、アサシとカスミとデパート行ってよぉ~」
「は?聞いてねーんすけど?オマエ誘えよ!なんでいつも誘わねーの?」
「誘ったじゃねーか」
「え?」
「え?じゃねーよ、デパート行くって言ったら後でぇ~とか言ってたろーが」
「えー?言ったかぁ?んなの?いつ?いつ誘ったよ?」
「なんかオマエがニヤニヤしながらキショい顔して電話してるトキ」
「あ~…いや、言った?いやいや、言ってねぇだろ?」
「いや、言った」
大淀は記憶の糸をなんとか手繰り寄せてみるがイマイチ思い出せない、たしか足柄がナンかピーチクパーチク言ってた気がするが…
「そうだっけかぁ?まぁいいや、っーかキヨシは?」
「キヨシインフルで隔離中」
「アイツインフル罹るんだな、バカなのに」
「インフルと風邪は別モンなんじゃねーの?」
駆逐艦清霜、現在インフルエンザで闘病中、病気になるとみんな優しいし陛下がやべー美味いプリンくれるし、インフルエンザを満喫している
「まぁそんなワケで3人でデパート行ったワケよ」
「オマエデパート好きだよな」
「とりあえずアサシとカスミにゲームコーナーでテ●リスでもして来いよって千円づつ渡して、私はコスメ見に行ったワケよ」
「ナンか良いのあった?」
「あったあった、マジ肌年齢5歳は若返る!」
「マジ?」
「マジ」
足柄はデパートで購入した小綺麗な小袋を取り出してテーブルの上に置いた
「いいじゃん!ちょっと使わせろよ!」
「バァカ!お高価いんだゾ!テメーで買えバァカ!」
「いいじゃんかよォ、足柄ァ~…オレらマジダチじゃん?」
「土下座して靴舐めたら貸してやんよ」
「は?」
「は?」
足柄と大淀の間にメンチビームの火花が散り、お互いに一触即発になりかけたがなんとなくバカバカしくなってやめた
「で、コスメ買ってウキウキ気分でエスカレーター乗ってアサシとカスミ迎えに行ったらアイツら2人でゲーム機蹴って飴落として店員に怒られてんの」
「あー…アレな?なんかクルクル回ってるやつ」
「そう、それ、スウィートなんちゃら」
「で、バカ2人を回収して帰ろうかって思ったらアサシが屋上で節分?節分的なイベントがあるから超見てーって駄々こねんのな」
「節分ねぇ…アレか?豆撒いたりする」
「そう、それ」
足柄はテーブルの上に置いてあった抹茶キットカ●トをスタイリッシュにパキり口に放り込んだ
「で、屋上行ったらニチアサでも通用できるハイクオリティな鬼みたいなのが歩いてんのな」
「なんで鬼が歩いてんだよ」
「なんか鬼が子供を脅かして後からプレゼント配る系のイベントなんだよ、ほら、アレだよアレ、なま●げみてーな?」
「あー…な●はげな」
「で、その鬼がこっちに来たワケよ」
「あー…なんとなくオチが読めるわ」
大淀は抹茶キ●トカットをパキって口に放り込んだ
「まずカスミ、鬼の想像以上のクオリティにブルってんのな、もうメチャブル」
「あー…」
「で、アサシが来いコノヤロー!アタイが相手だーとか言ってキャオラとか叫びながら鬼にキック」
「アサシつえーな」
「アサシの無鉄砲さは私がまだ小さかった頃を思い出すわ、私も昔は羽黒の前に立って羽黒守護ったわ~」
「は?」
「は?じゃねーし」
今やその羽黒も妙高姉妹で一番、姉妹ギリギリぶっちぎりの危険なヤツと呼ばれ、あの妙高姉さんも一目置いている
「で、鬼はアサシのパンチキックでビクともしないのな」
「鬼すげーな」
「もうその時点でカスミの太ももから垂れまくり、私にピッタリついて離れないから私の服に染みまくり」
「最終的にはアサシが鬼の肩に乗って頭ポカポカ叩いてんのな」
「なんっーかアレだな、話だけ聞いて想像するとまるで肩車みてーに尊いものを感じるな」
「で、アサシも飽きたのか肩からおりてオッサンマジつえーなってガッチリ握手してんの」
「握手してくれんのかよ!?優しいな鬼!」
「まぁ…そんでさすがに私もいたたまれないから鬼の人にウチのバカがスイマセンって頭下げたら“鍛えてますから”ってこう…シュッって感じで挨拶されたのな」
「それ鬼だよな?それガチの鬼だよな!?」
「で、帰りにカスミにパンツ買って車ん中で着替えさせて帰ってる途中に鬼から貰った節分豆を2人でボリボリ食って車内に落としまくり」
「まぁ…なんだ?アレだな、ゴクローサンだな」
「もうゼッテーアイツらデパート連れて行かねー!大淀、今度はゼッテーオマエが連れてけよ!」
「え?普通にイヤだけど?」