不健全鎮守府   作:犬魚

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通常回もつかの間にイベント編

【登場人物】

提督(94)
鬼畜な台詞はエロ本とエロゲーで覚えた社会派提督

潜水艦
実力派エリート集団
相変わらず大雑把にひとまとめ


光作戦準備①

「潜水艦か」

 

「潜水艦ですね」

 

作戦期間中は喫煙解禁の執務室、手にした書類を机に置いて煙草に火を点け、吸い込んだ煙を鼻から噴出する…

 

「あのバカどもは?」

 

「湯●院バスツアーに行きましたけど」

 

「五月雨、電話」

 

…知ってたよ、昨日の昨日、アイツらワクワクしながら温泉の旅の準備してたよ、すげーキラキラした笑顔で湯●院ガイド見ながらキャッキャ言ってハシャいでたよ

 

ただな、そりゃ夢なんだよ、ハハ…なんか良い夢見させて貰っちまったよってぐれー夢なんだよ…

前回はなんやかんやでダブルドラゴン先輩に任せてラス●ガスツアーを満喫させてやったが今回は呼び戻し確実ぅ!だよ

 

「どうぞ」

 

「うむ」

 

俺は五月雨から受け取った受話器を手に、168のスマホみたいなヤツに発信した

 

『おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか電源が入ってないためかかりません』

 

「…」

 

きっと電波が悪いんだろう、うん

 

『おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか電源が入ってないためかかりません』

 

「…」

 

「コーヒー淹れましょうか?」

 

「いらん」

 

あの野郎ォ…電源切ってやがるな、クソが!まぁいい、この俺から逃げられるとでも思っているのか?

 

「五月雨、川内を呼べ」

 

「はぁ?川内さん、ですか?」

 

「そうだ」

 

◆◆◆

 

湯●院行きバス車内…

泳ぐのと潜るのが得意な実力派エリート集団達はキャッキャとハシャいでた…

 

「カーッ!美味めぇ!悪魔的なのねッ!」

 

「19さん!26まだまだいっぱい用意してきましたよ!」

 

バスの後部座席を陣取り、事前に用意してきたお菓子や飲み物でハシャぐ迷惑な客、潜水艦達のテンションは既に最高に達していた

 

「明日はアフリカンサファリ見にいこーぜ!なぁ、ろーよ!」

 

「ろーちゃんオーロックス見たいって!」

 

湯●院から少々離れた場所に存在するキュウシュウ自然動物公園アフリカンサファリ、ふれあいジャングルバスツアーで園内を周り、間近でけもの達と触れ合えるんだって!すごーい!

 

「ユーは……ゼブラが見たい」

 

「おうおう、キッズどもはハシャいでるでちなぁ、なぁ?8ちゃんさん、コイツらにビッと言ってやってくだせーよ」

 

「ぅぅ……気持ち悪い」

 

「やべぇ!!8ちゃんさんがバスに酔ってるぅぅぅ!!」

 

「車内で魍魎●匣なんて読んでるからだァァァァァ!!ビニール袋ォ!誰かビニール袋をーッ!」

 

「チクショウ!ビニール袋がねぇよ!!」

 

「仕方ない、26、パーカー脱げ」

 

「え?」

 

「オマエのパーカーのポッケに出すしかねぇ!時間がねぇ!早く脱げ!」

 

「え?え?いや…やだやだぁ!!」

 

「脱ーげ!脱ーげ!」

 

「脱ーげ!脱ーげ!」

 

車内から沸き起こる脱げ脱げコール、それは、仲間である潜水艦のフレンズ達だけではない、同じく湯●院行きバスに乗る熱き魂を持つ屈強な男達にも火を点け、今や誰もが26に期待の眼差しを向けていた

 

「ぅぅ…」

 

「やべェ!!8ちゃんさんはもう限界だッ!」

 

「脱ぐしかねぇよ!」

 

「チクショウ…チクショウ!!わかったよ!脱げばいいんだろォ!脱げばァァァァァ!」

 

26がパーカーに手をかけたその時…ッ

 

◆◆◆

 

「おかえり」

 

「…は?」

 

何故かいきなりパーカーを脱ぎ捨てた26、如何なる状況であったのかは問うまい…

 

「…え?なんで提督いるの?え?」

 

「なんで…168達はバスの中に居たハズ!?」

 

「う゛ぇぇぇ!?なんで?なんでぇ?」

 

突然の状況に混乱する潜水艦のバカども…

まぁ無理もないだろう、本来なら楽しい温泉旅行で今はバスの中だったのだから…

 

「仕事だ、出撃ろ」

 

「は…?は…?」

 

「仕事だ」

 

「ちょ!待てよ!ヘイおっさん!コイツぁ一体全体どーゆーコトだ!?」

 

「おっさんじゃない、提督だ」

 

とりあえず58が胸倉掴んできたので俺は優しく質問に答える事にした

 

「潜水艦が必要になったので貴様らを呼び戻した、川内の“口寄せの術”でな!」

 

忍なら敵味方問わず憧れるニンジャマスター……ではなく、スーパーニンジャ川内、その忍術は千は下らないと言われている大したヤツだ

 

「く…口寄せッ!?」

 

「ば…バカな、19達はいつの間にかマーキングを!?」

 

「こんなコトもあろうかと、貴様らには呪印をつけていたのだよクズどもめ」

 

俺は眼鏡をクイッと上げ、財布から出した紙幣を川内に渡すと川内はドロリと消えてしまった、どうやら影分身だったらしい…大したヤツだ

 

「この俺から逃げられると思ったかクズどもが」

 

「クッ!」

 

「ゼブラ…見たかった」

 

せっかくの楽しい温泉旅行に水を差したのは心の底でちょっぴり悪いとは感じたが、まぁ仕方がない

 

「所詮貴様ら肉●器どもはこの俺から逃げられん運命よ!ガハハハハハ!さぁて…お前らにはお前らに相応しい格好をして仕事をして貰わんとなぁ~」

 

「ヒッ…き、鬼畜ッ!」

 

「なんてヤツ…アンタなんか人間じゃない、人間じゃないわ!」

 

「チクショウ!チクショウ!」

 

「さぁ立てクズどもが、いつまでもメソメソしてるんじゃあない」

 

俺はさっきからうずくまっている8ちゃんさんの肩を掴み、そのかわいい顔を上げさせた

 

「ヴッ!!で…出るっ!!オヴェェェェェェ!!!」オロロロ

 

「ギャアアアアアアア!!!この野郎ォ!俺に!この俺にゲロをォォォォォ!!」




次回は②

深海に響く、モーツァルト交響曲は死のフラグ

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