不健全鎮守府   作:犬魚

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八百長疑惑すら感じるズルズルのその②

【登場人物】

五十鈴(4)
ウズウズしている

潜水棲姫(2)
通称サンドバッグ、ボコられるのが主な仕事



光作戦準備②

「みんな魚雷は持ったな!行くぞォ!」

 

第一作戦海域、もはや常識と化した輸送作戦、栄えある開幕スタメンを飾るのは伊168号潜水艦率いる実力派エリート集団…

 

「ヘイヘイ!空母カカシよォー!」

 

「シマってこーぜ!サァー!」

 

全員が即一軍戦力として登録可、弱者など何処にも居ない、メンバー全てが強打の可能性を持ち、常に最高のチームワークを発揮し、チームに勝利をもたらしている

 

‐‐‐

 

「フーッ~…」

 

「順調ですね」

 

さすがに完封勝利とはいかないが、ここまでに撤退無し、許したバケツは1のみ、これを順調と言わずして何を順調と言うだろうか…

 

「こりゃボーナスは弾まねぇとなぁ」

 

「そうですね」

 

ゴン!ゴン!

 

執務室の重厚な扉を叩き、胸が立派な軽巡がズカズカと胸を揺らしながら入室して来た

 

「提督ッ!何故私を出さない!?相手はあのクサレサンドバッグが出てるんだろォ!?何故この五十鈴を出さねぇんだコラァ!?」

 

人類最強の潜水艦狩りの達人、五十鈴さん

その、悪魔的対潜力は他の追従を許しはしない潜水艦殺しの鬼札、五十鈴さんの姿を見ただけで潜水艦なら敵味方問わず漏らし、大抵の潜水艦はその場で命を諦める

 

「まぁ落ち着きたまえ五十鈴クン、サミダルくん、彼女にアツいコーヒーでも淹れてあげなさい」

 

「五月雨です、コーヒーですね!」

 

「あ、コーヒーはいいわ、オレンジジュースある?」

 

五十鈴さんの当たり障りの無いお断りとリクエスト、五月雨は少し残念そうに、冷蔵庫からバヤ●ースを取り出してグラスに注ぎ、五十鈴さんに手渡した

 

「ありがと………ブフーッ!美味いッ!」

 

「それでだ、五十鈴クンよ、ナニもキミを出さないと言ってるワケではないんだよキミぃ」

 

「じゃ早く出してよ、こっちはもうヤリたくてヤリたくてウズウズしてんのよ…ウズウズが止まんねぇのよ」

 

「今回、五十鈴クンの出番はまだ後半になるから、そのつもりで肩を作っていたまえ」

 

「…ふ~ん、わかった」

 

とりあえず納得してくれたらしい

 

「私はいつでも投げられるからいつでも声かけてね」

 

五十鈴さんは長い髪とおっぱいを揺らし、笑顔で去って行った

 

「フーッ~…五月雨、電話、168に繋げ」

 

「168さんですか…」

 

◆◆◆

 

『今回ハアイツ来ナイナ…』

 

『来ナイッスネ』

 

第一作戦海域、先遣侵入潜水艦隊、見た目だけは超強そうと噂される姫級潜水艦、潜水棲姫

潜水棲姫は同僚のカ級と深海ビスケットを食べながら今回は楽な任務だぜと浮かれていた…

どうやら軍のヤツら、今回は潜水艦を投入してきてるらしく、先程からこっちにやって来ては軽くアイサツして去って行くのズルズルの関係で済ませていた

 

『潜水姫クン、アイツラマタコッチ来タッスヨ』

 

『イインジャナイ?ホットイテ』

 

潜水艦VS潜水艦は現在のところ暗黙のルールで禁止されているらしく、放置しておいて問題無いだろう

 

「おーい!おーい!」

 

『…?潜水姫クン、アイツラ手ェ振ッテルケド』

 

『ナンカ用事カナ…』

 

近付いてきたファンキーな頭、スマホみたいなモンを手にした潜水艦、伊168

 

『ナンカ用?』

 

『深海ビスケット食ベルッスカ?』

 

「さ…さっき、ウチのBOSSから電話あってさぁ」ガタガタ

 

『BOSS…?ア~…アノオッサン』

 

「後で五十鈴さんが前回のお礼を兼ねて挨拶に行くって、401と511用意して待ってろって…」ガタガタ

 

『ヒッ!!ヒイイィィ!!』ジョードボドボ

 

『ヤベェヨ!潜水姫クンヤベェヨ!』

 

「まぁ…その、なんだ?ガンバレよ」

 

『ナントカナンナイッスカ!?ア、深海ビスケットアゲルンデ!ホラ!コレデナントカ!』

 

「無理じゃね?まぁ…後半戦で手間取ったら来ないかもしれない事を期待するしか…」




次回Vについて

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