不健全鎮守府   作:犬魚

209 / 940
キングギ●ラではなく、三つ首のドラゴンの回

【登場人物】

空母棲姫
穿かない事に美学を感じる変態

二航戦パイセン
生まれついての邪悪

雲龍(3)
仙人みたいな長女、それいらないの?なら頂戴と言って貰った

天城(3)
脱衣系次女、生チョコレートが好き


小笠原諸島哨戒線強化②

順調かと思われていた小笠原諸島哨戒線強化、しかしッ!作戦完了への大手をかけてからが大破ッ!圧倒的大破ッ!命からがらの撤退ッ!敗走ッ!

強打を誇る打線はバクハツせず、焦ったところに守備の甘さが際立つ体たらくッ!噛み合わないッ!圧倒的にチームが噛み合わない…ッ!

 

「コイツだ!コイツが雷巡の雷撃なんぞ喰らってるから!」

 

「あのぐらい避けろよタコ!一発大破とかねーわ!」

 

「んだとコラァ!そーゆーテメーらだってバカみてーに艦載機に当たりやがって!カカシか?あ?カカシかなんかか?ア゛ァ?」

 

「ア゛ァ?オモテで…ガハァ!やりやがったなコラァ!」

 

「ブッ殺してんやんよォ!」

 

輸送部隊、まさかの6連敗を喫する事態!勝利から遠ざかるだけではなく、チームの不和、チームメイト達の関係は最高にギスギスしていた…

 

‐‐‐

 

「フーッ~…コーヒーくれ、冷蔵庫の」

 

「ご自分でどうぞ」

 

コイツ、お茶淹れてくれとかは普通に対応するくせに、俺の缶コーヒーに対しては異常に厳しいな

俺は冷蔵庫から缶コーヒーを手に取り、再び椅子に腰をおろす

 

「しかし…あのバカどもも限界だな」

 

「いっそ、部隊を変えてみますか?」

 

「編成か?う~ん、しかし姉様を出すのはなぁ~」

 

「違いますよ、部隊編成ではなく、もういっそ輸送部隊やめて水上か機動かで行くのはアリじゃないですか?」

 

「ふむ…」

 

たしかに、資源輸送自体はあらかた終わっている、ならいっそ敵通商破壊機動部隊を叩き潰せる戦力を出しても問題ないような気がする

 

「サミダレン、お前、たまには頭良いな」

 

「ンが余計です、五月雨です」

 

「よし、ヤツらを呼べ!空母には空母だ!」

 

◆◆◆

 

パンツなど不要、吹き抜ける風がオレをアツくさせてくれる真の下半身丸出し健康法を実践する深海スタイリッシュ痴女、空母棲姫率いる深海通商破壊機動旗艦隊…

 

『ヤツラガ来タゾォ!』

 

『ナンダトォ!?』

 

『ヤツラ…オレ達ノ鉄壁ディフェンスヲ破ッテキヤガッタノカ!』

 

今回の我々は一味違う、事前に念入りに作戦を練って臨んだこの作戦、みんなで活発に意見を出し合った甲斐は十分にあった、序盤は良い感じで撒き餌を与えて後半で巻き返す頭脳的采配、今までの我々には無かった新しい戦術にタ級もヲ級も大興奮!

 

“あの人達、たぶんバカだから執拗にこっち通ると思うんで、ここに伏兵とか良いと思いますよ?”

 

この空母棲姫がマジ怖くてブルっちまう中枢棲姫クンも感心したように頷いていたぐらいだ…

どうやら私達は最高のチームメイトを得たらしい…

 

『フッ…マァ落チ着ケヨ、オ前ラァ~』

 

『空母棲姫クン!』

 

『空母棲姫クン!』

 

『何モ問題ネェ!!コッチハ虎ノ子連合艦隊ダァ!ココマデ来タンナラマタブッ潰シテヤルマデダァ!!』

 

『ヒュー!空母棲姫クンノ言ウ通リダゼー!』

 

『バシット守ッテトット帰ルゾォー!帰ッタラ勝利ノ女神ガ深海麻婆春雨作ッテ待ッテンダカラヨォー!』

 

‐‐‐

 

「あ゛ー?なんか言ったか?カス」

 

「空母ヲ級?あぁ、居たな、そんなの…まぁ才能以前に存在感無さすぎてプチっと潰しちまったよ」

 

深海通商破壊機動部隊に絶望の雨を降らせる双頭の龍、二航戦、その凶悪かつ暴力的な制空力でここまで、ほぼ無傷でやって来た

 

「雲龍ちゃん、雲龍ちゃ~ん…コイツらまだワカってねーみたいだからもうちょっとオシオキしねぇとワカんねーみたいだわ?」

 

「もっぺん自分がカスだってコト、ワカらせてやろーぜ」

 

「……はぁ、いいですけど?」

 

そして、今日は双頭ではなく三つ首の龍、二航戦だけではなく雲龍を加えた超攻撃的フォーメションの更なる進化系

 

「姉さん、なに食べてるの?」

 

「……提督から貰ったチョコレート、天城もいる?あげないけど」

 

「いらないし…ってか、姉さんアーモンド食べるんだ、嫌いだと思ってた」

 

提督が食べないアーモンドチョコをボリボリと食べ、雲龍は仙人みたいな杖と巻物を取り出し、葛城からカツアゲしたピカピカの艦載機を取り出した

 

‐‐‐

 

まさか部隊編成そのものを変えてくるとは…ッ!想定外ッ!圧倒的想定の範囲外ッ!どうせまたあのショボいヤツらが来ると思っていたらこの制空力ッ!空母棲姫率いる旗艦部隊は焦っていた

 

『クソガァ!!』

 

『グワアアアアア!』

 

『ネ級クン!グハァ!』

 

『チクショウ!チクショウ!』

 

『マダダァ!マダ諦メンナァ!来イコノヤロー!空母棲姫様ハココニイルゾォー!!』

 

このままでは全滅は必至!旗艦であるプライドに賭けてこのままでは終われねぇ!空母棲姫は果敢に応戦する…

 

「なかなか手こずらせてくれたな」

 

「よぉ………やっと逢えたなァ、クサ●ンヤローがァ」

 

妙高型の二番艦と四番艦、那智と羽黒

 

『クッ!重巡風情ガァァァァァ!!』

 

最後の力を振り絞り、目の前の重巡姉妹に一矢報いようと身構えた空母棲姫、重巡姉妹は微動だにしない、しかし…!!

 

「ミカァ!………やっちまえ!」

 

『!?』

 

波間から飛び出して来た駆逐艦、それは両手に握る魚雷を鈍器のように空母棲姫の頭に叩きつけた!!

 

『グワアアアアアアアア!!』

 

「あれ…?使いにくな、コレ」

 

「ダメですよ三日月さん!その魚雷、敵に投げて使うんですよ!」

 

「へぇ…そうなんだ、秋月は物知りだね」




次々回から最終海域編、たぶん全3回

栄えある最終戦の旗艦

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。