不健全鎮守府   作:犬魚

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VSふわふわしたよくわからないモノ回リターンズ

【登場人物】

提督(98)
ケガはないかよ、ビビリくん

夕張(18)
超科学の申し子、ドM

長門(14)
ステゴロなら長門と評判の大戦艦、ロリコン

グラーフ・ツェッペリン(5)
魔界貴族と評判のドイツからきたおっぱい空母、キッズ達にちやほやされたい


提督と男●寮とGバスターズ

「最近、また“出る”らしいんです」

 

日替わりで寒暖差を感じる今日この頃、執務室で文庫本を読んでいると五月雨が珍しく神妙な顔でよくわからない事を言ってきた

 

「“出るっ”と?」

 

「えぇ」

 

五月雨曰わく、昨年末に男●寮を恐怖のズンドコに叩き落とした髪の長い半透明の女が最近また目撃されているらしく、暁ちゃんがビビって夜中にトイレに行けない日々が続いているらしいとのコトだ

 

「…しかし、前回、我々の調査でユーレーなどと言う非科学的でふわふわした存在は無かったものとして結論付けたのだよキミぃ」

 

昨年末、俺と夕張の科学調査隊が深夜の寮を探索、機材のアクシデントで夕張のア●ルホルンがガンギマリスして翌日の基地スポで叩かれると言う結果に終わったのだ

 

「でも提督も見たんでしょ?髪の長い女の人」

 

「あー…見てない、そんなヤツぁ見てない、たぶんアレだろ?プラズマとかそんな感じの何かだったと結論付けたハズだが?」

 

そうだ、俺は何も見ていない、間違っても髪の長い半透明の女とか見ていない、そう、たぶんアレだ、あの時の俺はポーラと一杯引っかけて気を大きくして行ったのでおそらく泥酔状態だったのだろう、断じてそんなものは見ていない

 

「…もしかして、ビビってるんですか?」

 

「ハァ?ビビってねーし、っーかそんなふわふわしたモン、ハナから信じてねーし?」

 

そう、断じてビビっているワケじゃあない、幽霊とかそんな感じの奴がいるとか信じてないし、仮に居たとしても生きてる俺に死者がかなうワケねーし?っーか、まずそんなのいねーし

 

「では今夜、寮の見回りをお願いしますね」

 

「…は?」

 

ナニ言ってんだコイツ?イカレているのか?

 

「は?じゃないですよ、別にビビってないなら夜の見回りくらい楽勝でしょ?」

 

「いや…そりゃオマエ、楽勝だよ?っーかヤるまでもねぇ、不戦勝確実ぅ!だよ」

 

「ではお願いしま…」

 

「待て!待て待て待て!ちょっと待て!いや…別にビビってねぇけど、ほら?アレじゃん、なんかほら?廊下歩いてたら突然プロジェクションマッピングとか始まるとさすがに俺もちょっとビックリするよ?うん」

 

「大丈夫です、前回同様、早寝早起きタイプの私はお付き合いできませんが、ビビリくんの提督の為に頼れる仲間に声をかけておきましたから」

 

「誰がビビリくんだ」

 

◆◆◆

 

02:00 駆逐艦寮、通称男●寮…

 

この草木も眠る丑三つ時に、男●寮の前に集まった新生科学調査隊

 

「フーッ~…異常無し、帰るぞ」

 

「まだ中に入ってないじゃないですか」

 

毎度お馴染み、200年先の未来科学を行くドM軽巡、夕張

 

「フッ、そうだぞ同志提督、お楽しみはコレからじゃないか?」

 

GNバズーカみたいなカメラを持つ新メンバー、ビッグ・ロリコン・セブン、性犯罪艦、長門

 

「このグラーフ・ツェッペリン、夜目は利く方でな、動くものは猫の子一匹見逃さんぞ」

 

深夜にバッタリ遭ったら確実に漏らす自信がある薄気味悪い不健康な顔色、夜の眷属艦、グラーフ・ツェッペリン

 

「よし、後はオマエらに任せる」

 

「何を言ってるんだリーダー」

 

「貴様がいなければ意味が無いだろう、リーダー」

 

「そうですよ提督!大丈夫です、この夕張、前回は仕損じましたが今回は違いますよ!」

 

夕張は前回同様、ゴーストをバスターしそうな機械を背負っており、自信満々かつ不敵に微笑んだ、前回の反省から今回は何かを学んだのだろう

 

「この………ドリルでね!」

 

ジャキィーン!!

 

「またかよ!?」

 

コイツ…前回の反省がまったく生かされてねぇ!背中の機械かにょきっと生えたアームからは前回同様、この宇宙に風穴を開ける形をしたドリル!

 

「なんでビーム的なモンとか吸い込む的なモンじゃねぇんだよ!?バカなのか?オマエやっぱバカなんだろ?」

 

「大丈夫です、科学とは即ち愛、愛無き科学は無に等しいと言うコトを教えて差し上げます!」

 

ダメだコイツ…

 

「よし…同志Admiral、同志ナガト、Mellon、突入するぞ」

 

そしてグラーフと長門はさながら歴戦の軍人のように身を低くし、慎重にハラキリ寮の扉を開きハンドシングナルで突入を促していた

 

「GO!GO!GO!」

 

「AHEAD!AHEAD!GO AHEAD!」

 

こうして、俺達は非常灯の心許ない光だけが灯る寮内へとスタイリッシュに侵入した

 

「…何もないな、よし、帰るぞ」

 

「まだ入り口だぞ同志提督、まずは…フッ、睦月型の部屋がある辺りを入念に調べるか?」

 

「待て同志ナガト、このグラーフ・ツェッペリン、経路的には先にアサシオ型エリアの方がいいと思うのだが…」

 

「ふむ…どう思う?リーダー」

 

「リーダーの意見を聞こう」

 

「リーダーじゃねぇよ、あと同志じゃねぇ、テキトーにフラっと見て回って帰る、これだけだ、いいか?仮に何かあっても何も見ないし何も聞こえない」

 

「まぁお待ちください皆さん、こんなコトもあろうかとこの夕張、コレを持ってきました」

 

そう言って夕張がポッケから取り出したのはお馴染みの戦闘力を測る例のアレ的なものを左目に装着してスイッチを入れた

 

ピピピピピピ!

 

「…ふむ、この反応は暁ちゃんですね、心拍数的にどうやらおもらし寸前と言ったところですか」

 

「なんだとォ!?ちょ…な、なぁ夕張、その、それ、ちょっとこのビッグセブンにも貸してくれないだろうか?ちょっとだけ!ちょっとだけでいいから!」ハァハァ

 

「狡いぞ!同志ナガト!Mellon、その……なんだ?可能ならばこのグラーフ・ツェッペリンにも少しだけ使わせて貰いた…」

 

コイツら……っーかその機械はそんなコトまでわかるのか、もしかして、その機械は浜風ちゃんの健康状態もわかるのでは?

 

ピピピピピピ!!

 

「む!」

 

「なんだ?」

 

「この戦霊力……80000!85000!90000!凄いまだ上がる……うっ!」

 

 

ボンッ!!

 

夕張のス●ウターが小さく音を立てて爆発した

 

「…これはかなりの強敵ですね」

 

「オイ!壊れたのか?それは壊れてしまったのか?」

 

「落ち着け同志ナガト、まだ焦る時間ではない」

 

「皆さんこっちです!」

 

夕張がこっちですと先導した先、白露型の部屋があるであろう部屋の付近の廊下に、白い、もやっとしたふわふわしたナニか、なんかよく見たら髪の長い女みたいに見えなくもないようなナニか

 

「いましたよ!」

 

「あー…また出たよ、アレだ?ほら、プラズマ的なアレ、断じて霊的なモノじゃないアレな!」

 

「同志Admiral、怖いのはわかるがとりあえず私の胸を鷲掴みにするのは頂けないな」

 

「ハァ?怖くねーし!!ビビるとかねーし!ちょっと揉みたくなっただけだし!」

 

そう、断じてビビっていない、俺はそーゆーふわふわした感じの非科学的なものは信じない男だからだ

 

「フッ、アレが暁ちゃんを困らせている元凶か、よかろう…このビッグセブンの拳で粉砕してくれる!」

 

ビッグセブンこと長門は猛然と半透明のアレへと突撃し、自慢の右ストレートをそのボディへと叩き込む………がッ!

 

スカッ!(MISS)

 

「な゛!?」

 

効かないッ!物理攻撃無効なのか!?

 

「ぐわあああああああ!!」

 

しかもヤられたッ!?あの屈強なビッグセブンがよくわからん内にヤられ、ケツを突き出したまま前のめりに倒れた

 

「同志ナガト!クッ……どうやらこのグラーフ・ツェッペリンの出番のようだな!」

 

魔界生まれの万能なる支配者、グラーフ・ツェッペリンはその爪を尖らせて猛然と半透明のアレにタックルを仕掛ける

 

スカッ!(MISS)

 

「なんと!?ぐわあああああああ!!」

 

「グラーフゥゥゥ!!」

 

そ…そんなバカな、ビッグセブンだけでなく、あの魔界貴族グラーフまでヤられるとは…グラーフもケツを突き出したまま、前のめりに倒れ伏した

 

「フッ、やはりヤツを倒すには…ドリルしかないようですねっ!」

 

「夕張ッッッ!!」

 

唸りを上げて回転するドリルアーム、夕張はドリルを前面に突き出したまま半透明のアレに向けて走り出した

 

「真っ向勝負!我がドリルを受けてみよーっ!」

 

その、真っ向勝負を仕掛けたバカ2人はさておき、夕張はスレードゲル●ルの如き、最高にイキでイナセなカットインをキメて走っ……

 

ズシャアッ!!

 

「ウボァー!!」

 

「コケたァァァァァ!!!」

 

あの野郎またコケやがったァァァァァ!!なんなのアイツ!?ドジっ娘?コケるのが仕事のドジっ娘メイドかなんかなの!?

 

ぶすっ!!

 

「ンホオォォォォォ!!!ドリル!ドリル様キター!ドリル様奥まで挿入ってくりゅぅぅぅぅ!!」

 

そして、コケた拍子に背中のドリルアームが夕張のア●ルに突き刺さり、夕張の中で新たな宇宙創造のビッグバンが行われていた

 

正直、結局このオチなのはわかっていたが、やはりドン引きせざるをえない絵面と言えよう…

 

「夜中にうるせぇよ!!」

 

「なんなんですか…一体?」

 

「……ねむい」

 

今の騒ぎで何人か起きたらしく、パジャマっ子だったりジャージ族だったりパン1だったりのアホどもが部屋から出てきた

 

「ナニコレ?」

 

「夕張さンじゃン…」

 

「なんなんすか、またプレイですか?」

 

「あっちには長門さんとグラペリンが寝てるけど…」

 

「うわ…ちょっとマジ、引くわ、このプレイは引くわー」

 

いつの間にやら半透明のアイツの姿は無く、残っているのはケツを突き出して倒れた長門とグラーフ、ケツにドリルが刺さった夕張、そして俺……

いかん、また俺にあらぬ誤解がかけられる状況ッ!?

 

「待て待て待て、クソガキども!俺達はアレだ、ユーレーとかそんな感じのアレを退治しに来た勇敢なるゴーストバスターズでだな」

 

「ゴーストバスターズがケツにドリル刺すとかないわー」

 

「引くわ、さすがにこの変態性は引くわ」

 

「目を合わせちゃダメよ!孕まされるわ!」

 

「とりあえずケーサツ電話しよ、ケーサツ」

 

‐‐‐

 

翌日の基地スポ…

 

繰り返された深夜の変態プレイ!問われる駆逐艦寮の安全保障!

 

『あー…またですか 練習巡洋艦K島』

 

『変態か!マジの変態か!? 自称航空巡洋艦S谷』

 

『フーッ~…あのボーイも落ち着かないねぇ、あと、とっととツケ払いな 倶楽部経営者H翔』


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