【登場人物】
提督(100)
Mじゃないと言い訳するヘタレ
「えー…今回の作戦海域も無事に完了しました、えー…皆さんも精一杯頑張り、えー…日頃の訓練の成果を出せたものと感じております、えー…提督から皆さんへのお話は以上です」
光作戦を終了し、体育館に集まった当基地所属の艦達はキャッキャとハシャぎながら隣の子と楽しくおしゃべりしていた…
「さて…ここからは楽しいお給料の時間だァ!!」
ざわ…ざわ…
台車に載せたジュラルミンケース、その中身こそ現金!金!キャッシュ!唸りをあげる欲望の魔王!
「今回、MVPチケットランキング第1位は………潜水艦のお前達だァ!」
「ウェーイ!」
今回、先発から始まり終盤の要所までキッチリとシメたエリート集団、潜水艦、被弾数・被バケツ数共に1桁、全試合をほぼ完封と言う驚異的な記録を打ち立てた彼女達は文句無く今回のMVPだ
「よっしゃー!!焼き肉行くぞォ!焼き肉!」
「バーバリー買うか?バーバリー!」
「8っちゃんは女騎士団長殺し買おうかな…」
「ウシー!ウシー!牛の肉!牛の肉!ヘイ!ロー!牛の肉!ヘイ!」
「モーモーさんのお肉ですって!モーモーさんのお肉ですって!」
…テンション高けぇなコイツら、まぁいいか
「よ~しドンドン行くぞぉ~、名前を呼ばれたらハイ元気ですと大きな返事をするよーに、では第2位、時雨様」
‐‐‐
「…で最下位、時津風」
「グルルルル!!」
「痛ッ!?噛んだ!コイツ噛みやがったァァァ!!」
無事、お給料の時間は終わり、ここからは作戦完了後恒例のささやかなパーリィーの用意がしてあるので、俺はシメの言葉で括ると集まったバカどもはヒャッハー!水だーと叫びながらテーブルへと走り出した
「クソッ!美味めぇ!」
「オイ誰だオレのカラアゲ盗ったヤツァ!殺すゾ!」
「キヨシ!キヨシ!このケーキなんかウ●コみたいな形!」
「すげー!あ、でもコレ知ってる!前に足柄姉さんがデパ地下で買ってたやつ!」
「…ちょっとそこのバカガキ、今、私の作ったモン●ランをなんて…?」
間宮の麺棒から生と死の狭間で会得できる超神速の奥義が唸りをあげ、バカガキが宙を舞う…
さて、俺も適当につまんでさっさと帰るか、とりあえず皿に適当な炭水化物をとり、俺は体育館の隅へと移動した
「お疲れ様です」
「まったくだ」
いつものようにぬらりと現れた五月雨、皿を見るに、どうやら今日は甘味中心で行くらしい
「今回も甲→乙→丙と順調にヘタレましたね」
「まぁな」
実際のところ、途中までは甲→乙→乙とイッており、戦力撃破寸前まではイッていたのだが途中で、よく考えたらコレ、後が苦しいんじゃないのか?別に俺、Mじゃねーしと考え、ヘタレると言う判断になったワケだが…
「コレ、昇進に響くよなぁ」
「響きますね」
ま、仕方ねぇわな…昇進とか勲章とか欲しいものは色々あるが、別に喉から手が出るほど欲しいワケではないし、こうして幸せそうに料理をつまむ浜風ちゃんを見ているだけで俺は満足だ………ん?オイ磯風、ちょっと浜風ちゃんにくっつき過ぎじゃあないのか?オイ!それは揉んでいるんじゃあないのか?
「磯風ェ…」ギリッ
「なんですか?いきなり」
「いや、なんでもない、私はCOOLだよ、そう、COOL」
「そうですか…」
今日はせっかくのパーリィーだ、多少ハメを外しても笑顔で対応してやるのが大人だろう
たとえキヨシが陛下の御椅子に座ってキャッキャとハシャいでいてもCOOLに対応だ、陛下は御心の深い御方なのでキヨシに天下の大戦艦の見える景色を見せておられるのだろう
「あ、そうそう、明日は新人さんの面接ですからビシッとした格好でお願いしますよ」
「ビシッとした格好な、ビシッと格好」
「ちゃんとクリーニングしたやつ着てくださいよ」
「へいへい、オカーサンかテメーは」
新人か…前回はいきなり言葉を通じない系のフランス艦が来たが、まさか今回も言葉が通じない系の海外艦とかいないだろうな…
次回は新人登場回
ヘタレた結果で得た新メンバー+1