提督(12)
衝撃の特殊技能
未だ、厨二病から抜け出せずにいるバットガイ
鈴谷(5)
地味に高い登場率を誇るビッチオブビッチ、優良事故物件
五月雨(7)
今日のラッキーアイテムはハサミ
腹が減ったな、今日は金曜だしカレーでも食いに行くか
「オイ、カレー食いに行くか?」
「今日は約束があるので遠慮します」
「約束ぅ?なんだ?ホモ同人愛好会かなんかか?」
「違いますよ、時雨様から呼び出しです」
時雨様…だと?
コイツ時雨様と友達かなんかだったのか?
いや、よく考えたらコイツも白露型のキョーダイか
「それじゃ、失礼します」
「おう」
五月雨と別れた俺は早速食堂へ向かった、さて、今日は何カレーにすべきか、やはり夏らしく茄子カレーか、エネルギッシュにカツカレーにでもすべきか…
「お、テイトクじゃ~ん、ナニしてんの~?」
「息が臭い、喋るなビッチが」
「ビッチじゃねーし」
チッ…鈴谷か、コイツとのエンカウント率が妙に高けぇ気がするな、厄年か?
「ナニしてんの?あ、もしかしてアレな店に行くの?なんなら鈴谷が手でするよ?一万円で」
「死ね」
「だからッ!鈴谷に対して厳し過ぎない!?」
「やかましい、腹に蹴りいれられてーのか?あ゛?」
「厳しい!鈴谷の何が悪いワケ?かわいいじゃん!自分でゆーのもなんだけど鈴谷かわいいしおっぱいデカいし意外と尽くすタイプだしある程度変態プレイは許せるし文句つけるトコないじゃん!?コレかなり優良物件じゃね!?」
「何が優良物件だ、事故物件が」
たしかに、それなりに乳もデカいし話題も合う
「鈴谷にもう少し優しくしてもバチ当たらくね?」
「そうだな、まぁ…少し優しくしてやろう」
「マジ?やった!じゃ~鈴谷お小遣い欲しいな~って…」
「小遣いか…ふむ、コレで好きな物を買うといい」
そう言って、提督は財布からこの国で最も貨幣価値の高い紙幣を五枚取り出して鈴谷に手渡した
「…は?」
五万円…?
アッサリと手にしたお小遣い、五万円
今まで何度となく挑戦し、その度に、鈴谷は涙を呑んで来た
しかし今、アッサリと渡される、大金をッ!
「…え?マジ?」
「なんだ?足りないのか?」
そう言いながら、提督は更に財布から紙幣を取り出し、鈴谷に渡す、合計枚数は十枚…
鈴谷が欲しがっていたゲーム機を買い、更に、ゲームソフトを買ってもおつりが出る額!
「…え?え?マジ?マジ貰っていいの?」
「何を言っている?」
鈴谷に涙が…涙が溢れてくる、こんなにも簡単にッ!こんなにも提督が優しいッ!鈴谷は今、圧倒的感謝を感じていた、そう、謝りたいと感じているから“感謝”なのだと鈴谷は感じていた
まるで、そう!夢を見ているようだ…
『あぁ、ユメだぜ』
パリィーン!!!
「…え?」
無い…?鈴谷の手に、さっきまで握られていたお小遣い
「これが本物のお小遣いだァァァァ!!スネークバイトォー!」
「ぐわああああぁぁぁぁぁぁ!!」
グシャアッ!!!
「ユメは、見れたかよ?」
「ぅう……じゃ、邪眼ッ…!いつ!いつ鈴谷にッ…!!」
◆◆◆◆◆
基地内、体育館裏…
「待たせたね」
圧倒的天才達、白露型キセキの世代…
その、全員がこの場に集まっていた
「…サミダレ、そのハサミを貸してくれないか?」
「いいですけど…」
五月雨は時雨にハサミを貸した
「…エカゼくんだよね?」
「カワカゼだよ」
江風が答えると同時、時雨が江風の顔面に思いっきりハサミを突き立てた
「危ねェェェ!!ナニしてんだコイツ!イカレてんのォ!?」
「髪を改二にしたくてね、少し切りたいと思っていたんだ」
「もうなってるっぽい」
型の無い野生、夕立
「ってか、今、普通に事件だよね」
駆逐艦を超えた超肉体、村雨
「まぁ、時雨様ですし…」
完全無欠の輸送、春雨
「ハサミ、返してください」
防御不能の高弾道スリー、五月雨
「僕に逆らう者は提督でも殺す」
全てに勝つ僕は全て正しい、時雨様
「オイコラァ!今のマジなんなの!?挨拶物騒すぎだろォ!」
「江風、落ち着いて、ほら、お茶飲んで!」
「おう!………って!ニゲぇ!!」
そして、キセキの世代を脅かす、光と影