【登場人物】
松風
神風型4番艦のキラキラボーイ、メンタルが弱い
藤波
夕雲型11番艦のタフネスボーイ、頭が弱い
高波
夕雲型6番艦のシャイボーイ?長らくウチに居なかった最後の戦士
冬の光キャンペーンみたいな名前の作戦海域も終了し、暦も変わった小春日和の執務室、今日は当基地に加入した新人の面接を行う事になっていた…
「僕ァは神風型4番艦!松風とは僕のことさァー!」
プッツン少女、神風を頂点とする神風姉妹、その4人目、松風
「…いきなり濃い目のがきたなオイ」
「えぇ、思った以上に」
よく通るハスキーなボイス、そして、まるでタ●ラジェンヌのように一動作がキラキラを撒き散らしている
「ヨロシク頼むよ!」
「うむ、性能面はボンクラ姉ちゃんども同じく期待はしていないがな」
「フゥー!コイツァ手厳しいーッ!」
イチイチとイラッとくるな、コイツ
「まぁいい、とりあえず下で徹底的に鍛えてやる、わからない事があればキレた姉ちゃんにでも聞いてくれ」
「了解したよ」
「それと…」
「なんだい?」
実はコイツを最初に見た時から気になって気になって仕方がない事がある、もしかして目の錯覚だろうかと思ったり、眼鏡の度数が合ってないのではないかと疑ってはみたが…
「その帽子、ちょっとサイズが小さ過ぎなんじゃないのか?」
「!」
いや、だって…小さいよね?それ、そんなのマウチューだって被れないよね?
「ちょ…提督!アレ、ファッションですよ!松風さん流の僕カッコいいファッション!」
「え!?アレ、ファッションなの?ワザとなの?俺はてっきり朝、慌てて出てきてサイズ間違っちゃったのかなと…」
「そんなわけないじゃないですか、正直、私的にもちょっとないわーとか思いますけど、アレがファッションなんですよ」
なるほどなぁ、まぁ言われてみたらコイツの姉もバカみたいにデカいリボンつけてたりするしな…オシャレしたい難しい年頃なんだな
「…」ブルブル
「ほら!松風さん恥ずかしくて泣きそうじゃないですか、謝ってください」
「そうかそうか、ファッションか……いやそれはすまなかった、許せ」
「なんで上から!?」
「う…」ブルブル
「う?」
「うるせぇバーカ!!死ねよ!」
‐‐‐
「次の方どうぞ~」
神風型の僕っ子ボーイが退室し、次なる面接が始まる…
ちなみに、執務室の外で妹の面接を待っていたらしい長女が泣いて出て来た妹に、怒り狂って俺に殴りかかってきたのがさっきまでの話だ
「夕雲型6番艦の高波です」
「ふむ…高波クンか」
…ん?高波?
「高波クン?」
「そうかもです」
アレ?おかしいな、たしか書類には藤波って名前が書いてたような…っーかなんでコイツ、ラジカセなんか持ってるんだ?ラジカセから喋るCOOLな人か何かか?
「あ~…今回は2人1組なんですよ、ほら、高波さんはうちに配属遅れてたからその関係で、同じ夕雲型だし一緒にやっちゃえと思いまして…」
「あぁ、そーゆーコト」
まぁ、その方がめんどくさくなくていいな
「で?高波クンはいいとして、その藤波クンの姿がないようだが?」
面接に遅刻するとは新人のくせになかなか調子にノっているじゃないか、これは少し厳しい躾が必要なようだなと考えていたその時、高波クンが持っていたラジカセのスイッチを入れた
「…この曲は!?」
「知ってるんですか?」
「あぁ…この曲は、ある人物、そしてある技を象徴すると言っていいだろう、その曲名こそ!ドラゴン・スー●レックス!」
そして、重厚感溢れる執務室の扉を開き、夕雲型駆逐艦、期待のニューフェイスが堂々入場ッッッ!!
「夕雲型駆逐艦11番艦!藤波だよーッ!」
「藤波ィー……って!小さッ!?俺の知ってる藤波じゃねぇよ!期待させてなんだテメーはァ?」
「まぁまぁ、ある部分では似ていると言うコトで!」
何がある部分だよコノヤロウ、何も似てねーよ
「藤波ちゃんの入場演出に高波を巻き込まないで欲しいかもです」
どうやら高波と事前に打ち合わせていたらしく、高波はラジカセを置いて藤波をボカボカと殴っている
「さぁ~そんじゃ面接しようか!面接!ナニ見せたらいい?」
藤波は高波の片足を両腕でとり、足首を抱えて自らの脇腹で抑えつけ、素早く内側にきりもみ状態で高波の膝を捻った
「痛ぁぁぁぁぁぁ!!!痛いかも!痛い…かもッ!!」
「ドラゴンス●リュー!!」
「やめて!痛い!痛いかも痛いかも!やめてやめてやめて!……やめろって言ってんだろォ!!ブッ殺すぞォ!!」
キャラを捨てた高波がマジギレした
「悪い悪い、姉ちゃん、ダイジョーブ?」
「ハー……ハー……は?オマエ殺すぞマジで?………あ、いえ、かもです」
「いや、もういいから、そーゆーキャラ頑張るのはいいから、高波クンも自然なままがきっとキュートじゃないかなと提督思うな、うん」
次回は②
あー…もしかしたらアレですか?これはもう誘ってるってコトでいいんですか?いいんですよね?