提督(111)
たまたま机の引き出しに色々入っている
夕張(20)
あり合わせの資材で大したマシンを作る本物の天才、天才の思考と嗜好はよくわからない
「新しい装備を開発しました!ハッキリ言って自信作です」
作る物は常に自信作、自信が無い?無いなら作るな、そんなヤツが開発者なんて気取ってんじゃねぇ!が信条らしい誇り高いがア●ルはユルユルの多目的肉●器、軽巡夕張はいつものよくわからない自信に満ち溢れた顔でやって来た
「ちなみに、提督は自動二輪の免許はお持ちでしょうか?」
「あるよ、昔はスピードの世界でドルンドルンしてたしな」
以前はよく、天龍や木曾と共にハシャいだな…冷静に考えると、何故あの時はDホ●ールと当たり前のように合体していたのか、俺にはもう、よくわからない
「そうですか…では!今回の発明はこちらぁー!名付けまして!バトルホ●パーです」
「足がないな…」
「足なんて飾りです」
夕張が作り出したと言うなんともバッタ的なバイク、なんと言うか…なんだ?バッタだな、これを街中で颯爽と乗りこなすのはなかなか難易度が高い
「まぁ正式にはバイクではなく、世●王専用バイク型生命体なんですけど」
「生きてるのか?コレ」
「生きてます!もうバルンバルンですよ!」
夕張曰く、最近、夕張會なるよくわからないネットの集いでバイクがアツいらしく、バック機能があるサイバーパンクなバイクとかロボットに変形するスーパーマシンだとか話が出たので、バイクと言う名の生命体に挑戦してみたそうだ
「最高出力415馬力、最高速度500キロのまさしく公道最速理論です!」
「公道で出しちゃダメな速度だろ」
「ちなみに動力はモトクリスタルを採用しており、給油は不要でとてもエコです」
「ふ〜ん」
「あれ?お気に召しませんでした?提督、こーゆーの好きかなと思ってたんですけど…」
夕張は俺が思った以上に淡白なのが引っかかったらしく、なにやらカタログを片手に焦りだした
「でもオマエ、それアレだろ?世●王だか創●王だか専用なんだろ?」
「はい!実はそんな感じです!ぶっちゃけ誰も乗れません!」
コイツ自信満々に言いやがったよ、誰も乗れないバイク型生命体と言う名のガラクタ作っておきながらどうしてこう、自信に溢れているのか俺には理解出来ない、コイツ、ウチじゃなくてゴル●ムとかクライ●ス帝国とかで働いた方が才能活かせるんじゃないだろうか…
「夕張」
「はい!ケツバットですか?」
「なんで嬉しそうなんだオマエは、キショいわ」
「は?べ…別に嬉しゅ…嬉しいとかないですよ?人をヘンタイみたいに言わないでください!さぁ、都合良く私は両手にベルトが絡まって両手が使えず不覚にも転んでしまい臀部を突き出してしまった状態にたまたまなっています!たまたまです!」
たまたまこれから起こるであろう陰惨なる陵辱の宴に覚悟完了しましたと言わんとする真性ドMはフーフーと興奮していた
「まぁ、たまたまそんな日もあるわな」
「えぇ!たまたまありますよ!そんな日が!」
俺は机の引き出しにたまたま入っていたスタン警棒を夕張の尻に刺し、スイッチをONにした
「ん〝お〝お〝ぉぉぉぉぉぉぉ!!!」ビクビクビクーッ!!
「さて…」
とりあえずこのバイクどうしたモンかな、無機物ならバラバラにして鉄クズとして処分するが、一応生命体なので殺処分と言うのもアレだな…
俺は夕張をバ●ルホッパーのシートに乗せ、バ●ルホッパーにコイツを海に捨て、その足でオマエの本当の主人を探してきなさいと伝えると、バ●ルホッパーはライト?をチカチカと点滅させてアヘ顔でマジイキ1000%中の夕張を乗せて夕陽に向かって去って行った…
後日、自販機で缶コーヒーを買う為に廊下を歩いていると外からなにやらキャッキャとハシャぐ声がするので何事かと思って見てみると、世●王専用バイク型生命体に乗ってドルンドルンする秋月と2人の妹達がこれでもう買い物する時に通る坂道でもヘッチャラだねと言って喜んでいた