【登場人物】
提督(113)
浜風ちゃんと楽しくお喋りしたい、自分を信じて『夢』を追い続けていれば夢はいつか必ず叶う!と信じるポジティブ思考
鈴谷(37)
改二待機中、ポジティブ思考
山風(10)
三●待機中
急を要する仕事を片付け、自販機で缶コーヒーを買って喫煙所へと歩いていると、毛のない猫と言う名のキモい生命体を抱えた山風が歩いていた
「よぉ、チビスケ」
「…チビスケゆーな、山風」
「ナニやってんだ?」
「…猫の散歩」
「ふ~ん」
自らの脚で歩かねば散歩にはならないのではないだろうか?よく見ろよ、そいつには立派な脚がついてるじゃないか……と言いたいところだが、まぁ、変にフラフラさせてどこぞの野良猫とズッコンバッコン大騒ぎしてくるよりはマシか…
「…提督、暇なの?」
「ご覧の通り、大忙しだ」
「…ご覧の通り、暇そう」
「暇じゃない、提督だ」
俺は知っている、この流れは暇なら散歩に付き合わないかと言ってくる流れだろう、しかし山風よ、俺は今から喫煙所でどうすれば浜風ちゃんと楽しくお喋りできるのかを徹底解析、1箱吸うまで帰れま10を行う予定なので貴様に付き合っている暇などないのだよ
「お、提督とチビスケだ、ナニやってんのー?」
「…む」
丁寧かつ紳士的にその場を去ろうとしたその時、廊下の向こうから明石の店で買ったらしいパンを持った鈴谷が歩いてきた
「ナニやってんのー?あ、もしかしてゲームするの?鈴谷も仲間に入れてよー」
「仲間じゃない提督だ、あと、ゲームもしない」
「ふ~ん、よ!チビスケ」
「…チッ」
「ナニこのチビ、ナニ舌打ちしてんの?は?ナニ?鈴谷に上等ですかー?」
「…チビスケじゃない、山風」
「はいはい、って…ナニその生物!キモっ!」
「…キモくない」
「や、普通にキモいわー、マジキモい」
コイツ、ことごとく地雷を踏み込んで行くタイプなのだろうか?ただでさえいつも不機嫌そうな山風がみるみる不機嫌さを増しているように見える、もしかしてコイツら仲が悪いのだろうか?
「まぁいいや、あ、パン食べるコイツ?鈴谷様のパン分けてあげよーか?」
「…いらない、変な菌つく」
「つかねーし!!」
鈴谷はパンを袋から取り出して豪快にかぶりついた
「う゛っ!!」
練乳パンの練乳が勢いよく鈴谷の口内に噴出し、口に入りきらなかった練乳が口の端から垂れた
「うぇ…うぇぇ……ナニコレ?濃い、っーか量多すぎ」
「バカかオマエは、っーかなんだそのパン」
「明石サンとこで買った新商品、練乳タップリ中身パンパンパン……うぇぇ、甘めぇ…テイトク、そのコーヒー頂戴」
「お断る」
「ケチか!」
「ケチじゃない、提督だ」
明石の店はたまに変な菓子パンを入荷するんだよな、妙な商売にやたら手を出す悪い癖だが、たまに当たりもあるからこればかりは注意できん
「…提督、行こう」
「ん?あぁ、そうだな」
山風に袖をグイグイ引っ張られてその場を去ろうとする俺……
「って!待て、俺は別にお前の散歩に付き合ってないぞ」
いかんいかん、普通に流されるところだった、こやつめ、チビスケの分際でなかなかやりおるわ
「俺は今から喫煙所に行くんだよ、じゃあな」
「あ、ちょい待ち」
「なんだ?」
「喫煙所行く前に鈴谷にお小遣い頂戴」
「小遣いか……いいぞ、その、山風が持っている猫の頭を撫でる事ができたらくれてやる」
「ラクショーじゃん、チビスケ、そいつ貸し…」
「…ダメ」
「いいじゃん!ちょっとだけ!ちょっと頭撫でるだけだし!」
「…変な菌つく」
「つかねーし!!いいからゴチャゴチャ言ってねーで撫でさせろォ!」
鈴谷は強引に山風の抱えている猫に手を伸ばす、しかしッ!!
ガリッ!!
「ぐわああああああ!!!コイツ噛んだ!噛みやがったーッ!!」
『愚かなるヒューマンよ、この俺の頭を撫でるなどなんたる不遜』
山風の腕からヒョイと飛び出した猫は警戒態勢で尻尾を垂直におっ立てた
「喋ったァァァァァ!!!」
『喰い散らかしてくれるわ!』
「ヒィ!!ヒイイィィィィ!!」
‐‐‐
「あばばばばばば…」
「…ナニしてんの?このおねえさん」
「さぁ?もしかして動物と今ごろドッタンバッタン大騒ぎしてるユメでも見てるんじゃねーの?」
立ったまま白目を剥いて失禁する鈴谷を不審そうに見る山風、そして、鈴谷の食いかけ練乳パンを食べる猫…
「…ダメ、汚いよ」
「汚くない、鈴谷だ」
「…?」
「まぁいい、俺は煙草吸いに行く、じゃあな」
「…わかった、あ、テイトク」
「なんだ?」
「…今度、海風姉達が三●にお買い物に行くって言ってたから一緒にどうかな…って」
「覚えてたらな」
「…うん」