不健全鎮守府   作:犬魚

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悪魔の研究、夕張
上から下までオレもオマエもガ●ダムだ!

【登場人物】

提督(122)
大人の特権を使いたがる少年の果ての大人

夕張(22)
尊敬する先生はイン●ラム先生、デッドエンドシュートしたい年頃

清霜(6)
アホの子、とにかく力が欲しい多感な年頃



提督と夕張と駆け抜ける嵐

「新しい装備を開発しました、ハッキリ言って自信作です」

 

自分に自信を持つと言う事は決して悪い事ではない、自信を持つ事により、向上心が増したり、性格的にも前向きになったりとプラス方向のメリットがある、まぁ、持ち過ぎてもアレだし、かと言って持つ方向性が違ってもアレだが…

今日もそんな自信に満ち溢れる兵装実験軽巡、夕張は自信に満ちた顔でやって来た

 

「今回の作品はこちら!その名もグ●イズ・キヨシです!」

 

窓の外にそびえる20メートル級はあろうか、雄々しく立つ巨大なマシーン、頭部のセンサーらしき部分にグレ●ズの面影を残す素晴らしい造形だ

 

「…足があるな」

 

「ないんですけどね」

 

「一応聞くが、グ●イズ・キヨシと言う名を冠するところから察するに、アレには清霜が乗っているのか?」

 

「はい!厳密には乗っている……と言うよりは、清霜ちゃん自体がグレ●ズ・キヨシですね」

 

「…なんだ?その、俺がガ●ダムだみたいな妙にフワフワした説明は?」

 

つまりアレだろうか?オレとオマエとシャイニングガ●ダムは一心同体的な何かだろうか?

 

「まぁ、簡単に説明しますと、高感度阿●耶識システムをパイロットの思考と機体に直接リンクしてまるで生身の身体のように扱う事ができます!あの巨体でそれはもうキショイぐらいヌルヌル動けます、まぁ、ぶっちゃけて言えば清霜ちゃんを機体に直接組み込んで生体パーツにしたんです!」

 

ビタンッ!(ビンタ)

 

「あふんっ!」

 

「ナニやってんだオマエは!?」

 

あの殺戮の為のマシーンみたいなのがキヨシだって言うのかい!?

 

「アヒャヒャヒャ!さぁグ●イズ・キヨシよ!復讐の時は来ました!今こそ腐敗しきった軍に鉄槌を下すのです!」

 

『誰に命令している?このメロン野郎』

 

「なにッ!?」

 

清霜ことグレ●ズ・キヨシが執務室の壁をブチ壊し、その腕で夕張の身体を掴んだ

 

「き…キサマ!ナニをしている!離せ!えぇい!離せ!誰がキサマにその力をくれてやったと思っているんだッ!?」

 

『アンタには感謝している、だがアンタのような危険な軽巡は生かしてはおけない!』

 

「ヒッ!?」

 

ダメだコイツ……キヨ●ルディとアーマード●イダーキヨシの反省がまるで生かされてない、しかも今回は相手が20メートル級とか余計にタチが悪いぞ

 

『死ね!』

 

グレイズ・キヨシは夕張の身体を宙に放り投げ、ドリルキックで夕張を蹴り飛ばした

 

「グヘァ!!!」

 

「ゆ…夕張ーッ!!」

 

『これでもう邪魔は入らない……まずは武蔵さんだ!武蔵さんを倒してこの清霜が最強だと言う事を証明してやるぞー!わははははー!』

 

清霜ことグレイズ・キヨシはゲラゲラと笑いながらその巨体でピョンピョン跳ねる

 

『しれーかん、武蔵さんはどこ?武蔵さんとヤらせてよ!武蔵さんと!でないとメチャメチャに暴れるよ!』

 

「調子に乗りやがって…」

 

しかしマズいな、たしか今日、武蔵は休暇をとって街のイ●ンモールになんか意識高い感じの映画を見に行っているハズ…

 

「ちょっと待ってろ」

 

『早くしてよねー、でないとこのメロン野郎にドリルパンチするよー』

 

別にメロン野郎がどうなっても構わんが、マズいな、武蔵が街に行っているとバレたらコイツも今すぐ街に行って大暴れする可能性が高い、万が一にも武蔵が負ける可能性は無いとしても、そこら辺をメチャメチャに壊してシャレにならない損害賠償請求され、せっかく地域への貢献活動で好感度を上げていたのに愚かな民衆達に軍がヤバいと言う印象を植え付け、最悪、小さなお子様を生体パーツに使う非道の実験を行う悪魔の組織に仕立て上げられるかもしれん…

 

なんとしてもコイツをここで止める必要がある!

 

「すげぇですわ!スーパーロボットですわ!鈴谷!ほら!スーパーロボットですわ!」

 

「すげー、写メ撮ろ、写メ」

 

「筑摩ァ!なんじゃアレは!スーパーロボットじゃあ!スーパーロボットがおるぞォ!?」

 

「えぇ、スーパーロボットですね姉さん」

 

チッ…野次馬共が集まって来たか、まぁそりゃそうだわな、あの巨体だ、注目にならん方がおかしい、しかしどうする?どうすれば……ハッ!そう言えば倉庫に聖戦士のオーラマ●ンがあったような…だが俺のオーラ力では地上人に劣る!やるしかないか!ハイパー化を!

 

ゴン!ゴン!

 

緊急事態発生中の執務室の扉を律儀に叩き、誰かが執務室へと入って来た

 

「失礼しま……って、なんですかコレ!?なんで壁壊れてるんですか!?」

 

「秋月か…何の用だ?ご覧の通り、今、忙しいのだが」

 

「遠征終わったから、ハンコ」

 

秋月と一緒にやって来た三日月はワクワク遠征スタンプカードを俺に差し出す、このワクワク遠征スタンプカード、遠征する毎にスタンプが貯まり、スタンプを貯めると明石の店で使えるお得なクーポンが貰えたりする

 

「はいはい、ハンコね、ハンコ、ゴクローサン」

 

「三日月さん150個になったですね!」

 

「…もうちょっと貯めようかな」

 

ちなみにスタンプ200でプレイス●ーション3に相当するお得なクーポンが貰える、ミカは本当に頑張り屋さんだなぁ………ん?

 

「なに?」

 

「ミカァ…」

 

俺は三日月の肩を叩き、俺の後ろにそびえ立つ黒い巨体を親指でクイッと指した

 

「やってくれるか?」

 

「いいけど?」

 

俺はロッカーから金属バットを取り出し、三日月に手渡すと三日月は破壊された壁の縁に立って俺に問う

 

「どのぐらい?」

 

「徹底的にだ」

 

「了解」

 

三日月は壁から元気良く飛び出し、グレ●ズ・キヨシのアタマを思いっきり殴りつけた

 

『イダァ!?なんだテメェ……ヤる気かー!』

 

「使い難いな…コレ」

 

 

後に、この激しい戦いを見ていた者達は皆一様に言った、その戦いぶりはまるで悪魔のようだったと…

 

グレ●ズ・キヨシは徹底的に破壊され、清霜はなんやかんやで無事に回復し、元のアホな子供に戻り、三日月は今日もお得なクーポンと交換する為に遠征に行っている…

 

そして…

 

「何か言いたい事はあるか?メロン野郎」

 

「クッ!殺せ!」

 

兵装実験軽巡夕張、懲役1年!!

 

 

しかし、どう考えても闇が深い研究、グ●イズ・キヨシ開発計画は基地破壊の真相隠蔽の為に闇に葬られ、罪状は消滅、服役途中で夕張は釈放された

 


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