【登場人物】
提督(13)
なんか水着でうろついている大和さんに声をかけたかったが武蔵だった、大和の挟んでるラムネが飲みたい
武蔵
最大戦力超戦艦級
最近来たので比較的まともだが、かなり大雑把、大雑把が服を着てる
長門(4)
誰も世話しない時津風の世話をしている
定期検診もちゃんと受けさせている
時津風
かわいいが、噛む
【前回までのあらすじ】
今、まさに命燃え尽きようとするこの時、清霜の小宇宙は超戦艦級の域へと高まった!しかし、清霜には決め手が無い、12.7cm連装砲も10cm高角砲も武蔵には通用しない、万事休すかと思われたその時!
「そ、その…その構えは46cm三連装砲!この武蔵最大の拳を真似ると言うか…フッ、やってみるがいい!」
ぶつかり合う46cm三連装砲、そして…
「フッ…見事だ、お前は今、師であるこの武蔵を超えたのだ、出来る事ならお前をこの先に進ませてやりたいが…フッ」
ドシャアッ!!
「…嗚呼、我が師の師武蔵よ…」
ドシャアッ!!
また再びシブヤン海に帰ろうぞ…
提督に黄金の矢が刺さりきるまで、残り1時間!
◆◆◆◆
「いや、ないから!」
なんで1日休んだだけでバトル展開になってんの!?っーかなんで俺死にかかってんの?
「フッ…まぁ細かい事はいいではないか、実はこの武蔵もこう言うベタな展開は嫌いではない」
「いや、俺も嫌いじゃないけどな」
武蔵はラムネの瓶を取り出して俺の前に置いた
今日は五月雨のアホンダラが休みなので、代理として暇そうな武蔵に秘書艦を任せてみたが、コイツ、さっきから飲み物はラムネしか出さねぇ…
「おい、なんか別のモン出せよ、麦茶とか」
「なんだ?麦茶が飲みたかったのか?それなら早く言え」
武蔵は冷蔵庫の扉を開けて俺のガリ●リ君を取り出すと袋を開けてガリガリし始めた
「テメェ!なに俺のガリガ●君フツーに食ってんだ!」
「麦茶か…ふむ、無いな、なにやらアイスコーヒーらしき物はあるが」
「アイスコーヒーとかどうでもいいんだよォ!俺のガ●ガリ君を謝れよ!」
「これはなかなか美味いな、どうだ?提督も食うか?」
「いや、そもそも俺のだから!」
「そうだったな、では替わりと言ってはなんだが……この武蔵のラムネをやろう」
「だからそのラムネがいらねーんだよォ!いい加減にしろよテメー!」
まったく、イライラしてたら喉だけでなく腹も減ってきた
どうせ今日もそんなに忙しいワケじゃねぇし、ラーメンでも食いに行くか
「ん?どこに行くのだ?」
「腹減ったからラーメン食いに行くんだよ」
「ラーメンか…悪くない、この武蔵も御一緒しよう」
「別に構わねぇけど、自分の分は自分で払えよ」
「フッ、問題ない、この武蔵、ちゃんと財布は持っている」
俺は武蔵とラーメンを食いに行くべく基地を出る事にした
たしか食堂にもあった気がするがどうせなら食堂のサービスエリアみたいなラーメンよりもっと美味いやつが食いたい
「…ん?おぉ、提督と……武蔵ではないか?」
体育館横の通路を通りかかると、長門が声をかけてきた
「なにやってんだお前、盗撮か?」
「いや、今日はかわいい時津風の散歩をな…」
そう言って、長門が指した方向にはなんか犬みたいなのがダラダラと転がっていた
駆逐艦、時津風
飼い始めは駆逐艦のキッズ達もみんなかわいいかわいい言って可愛がっていたが、今や誰も散歩に連れて行かない
結局、お母さんが世話してるペットブームの犠牲者と言えるだろう…
「ほれ、チューインガム食うか?」
「やめておけ、人には懐かないイヌだ」
「バカ言いなさんな、俺はこう見えても愛犬家として…」
「グルワアァァァァァァァァ!!!」
その時、チューインガムを持つ俺の右手に鋭い痛みが走った!
「ギャアアアアア!!コイツ噛んだッ!噛みやがったァァァァ!!」
「グルルルッ!!ガフッ!!」
痛てェェェェ!!コイツ噛みながらグルグル回ってやがるッ!!絶!なんたらかんたらみてーに回ってやがるッッ!!
「だから言っただろう、懐かないと」
「ハッハッハ、まさに、飼い犬に手を噛まれると言うコトだな」
「笑ってねぇで助けろ武蔵ィ!千切れるッ!俺の腕が千切れるーッ!」
「ん?あぁ、すまんすまん」
ひとしきり笑った武蔵は、俺の手を噛む時津風のボディに容赦なく膝蹴りを叩き込んだ
「ギャイン!!」
「時津風ーッ!な、何をするだァー!許さんッ!」