【登場人物】
提督(137)
欲望に忠実な快男児
鈴谷(44)
金とカレーが好きなスペシャルなビッチ
「てぃーっす、鈴谷が遊びに来ましたよぉ~」
新たなるメイトを無事に迎えた春の執務室、今日は連戦の疲れを癒やす為に五月雨も休暇をとっており、俺は1人、読みかけで放置していた文庫本を読みながらこれからの地球と人類の歩みについて真剣に考えていると、ビッチ臭を撒き散らすビッチモンスター、略してビチモンがやって来た
「…」
俺は机の引き出しから普段から持ち歩いてないリボルバー式の拳銃を取り出し、机の上に置いた
「ナニコレ?」
「その銃で自ら命を絶ちたまえ」
「厳しいッ!!鈴谷に対して厳し過ぎるッ!」
久々にツラ見たと思ったらコレだよ、このビッチオブビッチは、俺の爽やかな休日にまるでYOKOZUNAやO-ZEKIの如く激しいぶちかましを当ててきやがる
「厳しくない、提督だ」
「まぁいいや、サミーは?休み?」
「休みだ」
「ふ~ん」
何がふ~んなのかは知らないが、鈴谷は戸棚を開けてカールの袋を取り出し、冷蔵庫を開けてペットボルトに入ったオレンジジュースを取り出してグラスに注いだ
「なに勝手に飲み食いしてんだテメーは、前歯折られてーのか?」
「いいじゃん別に、ってか鈴谷遊びに来たんですぅ、お客様だよ?お客様」
「何がお客様だ」
「とりあえず提督ヒマでしょ?ゲームしよーぜ!ゲーム!」
「暇じゃない、ご覧の通り、俺は忙しい」
「や、暇そうじゃん……なんか本読んでるだけじゃん?」
まぁ、特に急いでやらねばならない仕事はない、しいて言うならば後でプランターのミニトマトに水やりでもするぐらいだろう
「ス●2しよーぜ!ス●2!鈴谷の地獄車で提督とかマジ地獄車よ!」
「やだよめんどくさい、お前弱いもん」
「は?弱くねーし、もし鈴谷が負けたらカメラの前でアヘ顔ダブルピースしてやるし」
どこからこの自信が湧いてくるのかは知らんが、これだけ言うならばある程度は練習してきたのだろう
「ふ~ん」
「ふ~ん、じゃねーし!アヘ顔ダブルピースだよ?鈴谷のアヘ顔ダブルピースだよ?マジ普通はちょっとお金出しても見れないレアな感じのヤツだよ?」
「何がレアだ、そんなエロ本、俺は36冊持っているよ…」
「え…?マジで?」
「冗談だ、小粋なテイトクジョーク」
「あ、あぁ~ジョークね、うん…ジョークね、うん、知ってるし」
鈴谷はグラスに入ったオレンジジュースをワイルドに飲み干し、大きく息を吐いた
「用がないならさっさと去れ、部屋にインモラルな匂いが充満してかなわん」
「インモラルな匂いとかしねーし!ナニ?溜まってんの?」
「そりゃオマエ、溜まるに決まってるじゃねぇか?どこかで欲望の捌け口を見つけて処理しないと大変な事になるぞ」
「お…おぅ、そうなんだ…へぇ~」
まぁ、俺は良識ある大人だから夜の街に行くが、世の中には秘密裏に作られた地下室で欲望を発散させたり、執務室で駆逐艦から遠征の報告を聞きながら机の下にいる誰かに欲望をぶちまけたりするトレンディな基地や鎮守府も多いと聞く、実に羨ましい話だ
「あ、じゃ~提督、一つ鈴谷からご提案が…」
「あ、ムリ」
「ムリってナニ!?まだ何も言ってないじゃん!?」
「聞くまでもないわ、そんなに小遣いが欲しいなら仕事紹介するぞ?仕事、地域の行政に強い発言力を持つ豚尻孕蔵議員(49)が見た目JKぐらいの若い秘書を探していてな…」
「絶対ヤダし!?ナニその名前!?オーク?オークかナンかでしょ?マジで!」
「失礼なコト言うんじゃないよこの子は、オークに失礼だろーが」
たしか経済誌に顔写真が載っていた気がするので俺はパラパラとページを捲り、鈴谷に見せてやった
「やっぱオークじゃん!?名は体を表しまくりじゃん!?」
「まぁ、些か脂の乗った年代ではあるな」
「ギトギトだよッ!これ絶対孕まされるヤツじゃん!?ワシの種●けプレスで生き残った者はおらんとかゆータイプじゃん!?」
「女の子が種付けプ●スとかゆーんじゃないよ」
ちなみに、お小遣いに関してはかなり良い額貰えるらしい
「絶対ヤダし!ってか提督!お小遣い!お小遣いくれるなら提督頂戴!鈴谷新しいゲーム買いたいし!」
「やだよ」
「いいじゃん!鈴谷今回の作戦海域出てないからお金無いんですぅ!」
「そうだったか?」
「そうだよッ!」
言われてみると、もがみんとくまりんこ姉ちゃん、そして熊野はなんやかんや活躍してた気がするがコイツは見なかった気がするな…
「鈴谷が出たいって言ったらタマゴ焼きセンパイと半裸センパイがダメだったら出してやるとか言ってたけど、普通に完封してきたせいで出番無いし」
あ~…そう言えば、なんか出して出して鈴谷もイきたいーとかゴネてたが、別に溜まってるワケじゃなかったのか
「っーワケで!お金がありません!」
「わかったわかった、あー…じゃ、こうすっか?オマエ新人連れて演習行って来い」
「え~…演習ぅ?マジだるいんだけど」
「見事勝ち越したら演習手当に加えてボーナスをつけてやる」
「ヤります!ヤらせてください!心を込めてヤらせて頂きます!」
こうして、鈴谷は海防艦の3人と神威と春日丸を連れて果敢に大和型や長門型や正規空母の群れに突っ込んで行った…
その熱意あるファイトは見るものを感動させ、戦争の意味を世界に問う充実した内容だったと後に提出された演習記録には記載されていた…
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「………お小遣いください」
「演習手当は出してやろう、ほら、これでハンバーガーでも食べなさい」
5戦4敗か、まぁ、期待はしてなかったがそんなものだろう、むしろ1勝出来てるのが不思議だが…演習ではたまに、疑惑のジャッジがあるからな
「…少なッ」
「1勝しかしてないからな」
それでも、演習手当を貰った海防艦はビスケット買いに行くっすよとか言ってハシャいでたが…
「…提督」
「なんだ?」
「鈴谷、肩とか揉むのが超上手いけど?オパーイが頭に当たる感じのオプション付き、5000円で」
「…500円な」
「安いッ!!」