不健全鎮守府   作:犬魚

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後編、このお話はZero-45様のご厚意で書かせていただきました、いい感じにアレするを多用する大人の社会

【登場人物】

提督(153)
ダメな大人、中身ボドボドの空虚な器

吉野中将
実力派快男児、あやうく、イエス・マイロードと膝を折りかけたが耐えた

鈴谷(47)
開幕アホビッチ、わりと正直者



戦慄!大監査 後編

話は吉野三郎中将が来訪する前日に遡る…

 

「鈴谷ァァァァァ!!テメーワケわからん電話相談とかなんとかナニしてくれんだよォォォォォ!おかげでヤバい中将に目ぇつけられたじゃねぇかよォー!反逆か?ア〝ァ?上司を売る気かテメーは!頼むよぉ〜鈴谷クンよぉ〜これ以上俺をイライラさせないでくれよぉ〜…提督のパサパサの胃にサブマシンガンをオートで連射するのはやめてくれよぉ〜?なぁオイ、鈴谷クンよォ〜?少しは妹の熊野ちゃん見習ってくれよォ?見ろ!熊野なんて基本アホだがシトラス系のイキでイナセなエレガント臭だぞ?それをオマエはなんだ?サキュバスみたいなビッチ臭をプンプンさせやがって!アレか?発情期か!?あ?発情期なんですかー?パンツ見せてみろ!パンツ!どうせアレだろ?男を誘う黒とか調子コイて穿いて………って!なんで今日に限って白とか穿いてんだよ!そーゆートコもムカつくんだよ、このアホビッチがァァァァァ!!」

 

執務室に呼び出しを喰らった鈴谷は、とりあえずいきなりキレてた提督からのアツい説教+八つ当たり+マグナムビンタのロマンキャンセルを含みガトリングコンビネーションで執務室の床を転がった

 

「ぶべらぁ!!」

 

「ったく…ビッチの貴様をここまで取り立ててやった恩を忘れおって、このカテ●リーFめ!」

 

「クッ!!」

 

たしかに、電話相談の内容は些か盛った感はある、毎日レ●プされてるだの座学の講義中にバ●ヴのスイッチONされてるだの、かわいい妹を盾にとられ、フフッ…お前がイヤだと言うなら妹に協力して貰うしかないな、大好きなお姉ちゃんの為ならきっと拒むまい、健気なコトだ…など言われ脅されているなどだが…

 

「…だがまぁ、来るモンは仕方ない」

 

「ってか、マジで来るの?中将が?」

 

「マジだ、白銀本気の本気と書いてマジだ」

 

本気!みたいな顔をした提督は机の上に並べてある書類をトントンと指で叩き、深くため息を吐いた

 

「そこで鈴谷、お前にはこの事態を招いた元凶の一因として責任とチャンスをくれてやる」

 

「ハァ…?責任って鈴谷カンケーないじゃん、提督がクソなのが悪いんじゃん」

 

「やかましい、ゴチャゴチャ言わんと協力しろ!うまくいったらカレー奢ってやるから」

 

「ホント?やったぁ!やるやる!ナニやればいいのー?」

 

提督はどんだけチョロいんだコイツと呟き、とりあえず監査に来た中将をママの店で接待するので隣についていい感じにアレしてやれと鈴谷に説明した

 

「調べによると、中将殿はおっぱい大きな娘をはべらすなかなかの快男児らしくてな(天海中佐調べ)」

 

「ほぅほぅ!それでアレだ!おっぱい大きくて、しかもかわいい鈴谷に白羽の矢が立ったと!」

 

「そうだ」

 

「提督もなかなか見る目あるじゃん!うへへへ、そうかそうか〜、やっぱ鈴谷ってかわいいんだ」

 

「そして、お前の磨き抜かれた援交テクさえあれば必ずや中将も御満足頂けるだろう!」

 

「ハァ!?鈴谷援交とかしてねーし!!」

 

「いいか!とりあえずアレだ、いい感じにアレしろよ」

 

「いい感じにアレしろとか、ふわっとし過ぎだし……ってか!援交とかしてねーから!」

 

◇◇◇◇◇

 

大佐の案内で基地施設内を回り、色々と頭の痛いものを見て執務室へと戻って来た提督と時雨、なにやらガラの悪い艦娘、アニメショップみたいな明石酒保、倉庫の奥にチラリと見えたオーラバ●ラー、そして、ウチのスパ子とは違うマジモンの王の力を持った女王………処理しきれない情報に頭が痛く、時雨くんは“あれ、全員死刑でいいんでしょ?”としか言わないので余計に頭が痛くなった…

 

「ハッハッハ、お疲れ様でした中将殿」

 

「えぇ、色々とアレですが…」

 

と言うか、一言で言うなら疲れた

 

「中将殿、実は本日中将殿の来訪に合わせましてささやかながら宴の準備させて頂いておりまして…中将殿はアレですか?こちらの方、イケる口でしょうか?」

 

大佐は右手でグラスを傾ける仕種をする、こちらの方、つまりは酒類などはお好きですか?と言うわかりやすいジェスチャー…

 

「や、自分はあまり得意ではないのですが……まぁ付き合い程度ならば」

 

「いやいやいや!実に御立派でいらっしゃる!アレですよね?やっぱ酒は飲んでも呑まれるなですよねー!」

 

「は…はぁ、まぁ付き合い程度に一杯ってだけで…」

 

グイグイくる大佐に少々辟易していると、大佐は時雨からは見えない絶妙なアングルに立ち、胸の辺りを持ち上げるジェスチャーと小声で囁いた

 

「コレ、大きい娘、用意してますんで」ヒソヒソ

 

「えー…」

 

あー……そんな感じかぁ、なるほど〜…まぁ、あるよね、大人の社会には、正直な話、吉野としても度を越さない接待や酒の席自体は嫌いではないし、むしろそれがある程度組織の潤滑油となり、物事が円滑化されるのなら問題ないと考えている、むしろ…自分が接待を受ける立場になっている事にあまり自覚がなかった

と言うか、なんだよ!コレ、大きい娘って!どこ情報だよ!?

 

「どうですか中将殿?」

 

「そうですね…」

 

この男、中身スカスカなのかと思いきや大人の特権を自覚的に使用してくるな…まぁ、多少はくだけた席で話をしてみてもいいか…ただ、大佐の言う店にウチの秘書艦を同行は色んな意味で不味い気が…

 

「五月雨クン!ヘイ!五月雨クン!」

 

「なんですか?」

 

「提督と中将はHO-SHOW行くから!ほらコレ!コレでほら!秘書艦殿となんか美味しいモン食べてきなさい!な?」

 

「はぁ?」

 

大佐は財布からスタイリッシュに数枚の紙幣を抜き、時雨と話をしていた大佐の秘書艦らしい五月雨の手に握らせた

 

「私は別に構いませんけど…時雨さんもそれで?」

 

「…」

 

時雨くんは一瞬、めっちゃこっちを睨んだが、すぐに五月雨にそれで構わないよと笑顔で応えていた、よく出来た秘書艦で提督は嬉しいよ、後が怖いけど…

 

「では時雨さん、私達は焼肉でも食べに行きましょうか?」

 

「焼肉かい?いいね」

 

「五月雨クン!領収書!領収書貰ってきてね!領収書!」

 

経費で処理する為に必要な社会派アイテム、領収書

こうして、後が怖い気がするけど時雨と別れ、提督は大佐と共に夜のお店へと向かう事になった、念のために言っておくがこれは組織の潤滑油と言うか、大人のお付き合いの一環である、吉野は決して大佐の言うコレのおっきな娘に興味があるワケではない

 

「さて…行きますか」

 

「えぇ」

 

提督と大佐はお互い詰襟のフックを外し、颯爽と肩で風を切って歩き出した

 

ーーー

 

主に、酒類などを提供する風俗営業許可に則ったKENZENな夜の店、倶楽部HO-SHOW…

重厚な木製の扉を開くと、やや薄暗い店内とシックでエグゼクティブな雰囲気が貴方をお待ちしています…

 

 

「いらっしゃい………なんだい?そのヤクザみたいなのは?」

 

「中将様だよ!中将様!」

 

「フーッ〜………ふ〜ん、まだ若いのに大したもんさね、ウチのボンクラと違って」

 

………これは、鳳翔…さん?なのだろうか?え?なんか場末のスナックのバ……いや、ママみたいな、え?いやいやいや、え?ってキセル長っ!?

その、鳳翔さん?はこちらにジロりと視線を向け、なにやら品定めするように見られた、っーか怖い!?ナニこの鳳翔さん!?ホントに鳳翔さんなのぉ!?

 

「あの…大佐、こちらは?」ヒソヒソ

 

「倶楽部HO-SHOWのオーナー兼軽空母、ビッグ・ママです」

 

ビッグママ…ッ!?ってか軽空母って…やっぱ鳳翔さんなんだ、ってか、倶楽部?倶楽部鳳翔?え?居酒屋でも小料理屋でもなく?倶楽部ッ!?

 

「フーッ〜…あ、アンタあれかい?もしかして大坂のヨシノとか言う提督さんかい?」

 

「あ、はい…そうですが、大坂鎮守府を預かる吉野三郎です」

 

「そりゃ丁度良かった、コレ、帰ったらアンタんトコの鳳翔に渡しといてくれないかい?」

 

そう言って、鳳翔さんことビッグママはなにやら分厚い茶封筒と薄いノートみたいなものをカウンターの裏から取り出して机の上に置いた、と言うか、茶封筒からはちょっとだけ中身であろうキャッシュがコンニチワしてるんですけど…?え?ナニこの金?

 

「あの…コレは?」

 

「フーッ〜…会費と回覧板、渡しゃわかるよ」

 

「は、はぁ…では、お預かりします」

 

鳳翔会には吉野の知らない深い闇があるのだろうか?

 

「ママ、今日はせっかく中将殿が来られてるんだし、中将殿に相応しい最高級のヤツ開けてよ!最高級の!」

 

「あ、いや、正直な話、自分はあまり酒は…」

 

「最高級ねぇ…」

 

ビッグママこと鳳翔さんはカウンターの裏から何やら高価そうな酒の瓶を何本か取り出して机の上に置いた

 

「そうそう、そんな感じの………って!!コレ全部俺が少ない給料でちょくちょく買い集めたヤツじゃねーか!どっから持ってきやがったババア!!」

 

「誰がババアだいこのボンクラがァ!!文句があんならツケ払って言うんだねこのロクデナシが!」

 

「クッ!」

 

◆◆◆◆◆

 

「ティーッス、鈴谷で〜す」

 

「熊野ですわ!」

 

…そんなワケで、中将殿をエグゼクティブなシートにご案内し、俺達の席におっぱいデカくて頭スカスカのアホなJKみたいな鈴谷と、一応、念には念を入れて中将殿がおっぱいあんまり好きではない事態を想定し、いつでもリリーフできるように呼び出した熊野が来た

 

「中将さんなんだってぇ?ちょーカッコいい」

 

「えぇ、これまさに益荒男ですわ」

 

とりあえず、鈴谷のアホには中将殿への対応に応じてボーナスを支払うと言ってある、手段は問わん、ただ、思いきりで行けと命じたのでまぁいい感じにアレしてくれるだろう

 

「中将さんナニ飲むぅ?ビール?焼酎?ウィスキー?ブランデー?あ、ウーロン茶とかソフトドリンクあるよぉ」

 

「え、あぁ…じゃ、とりあえず最初だけビールで、あまり酒が飲めないので」

 

「マジでぇ?あ、鈴谷達も一緒に飲んでもいい?」

 

「あ、はい、どうぞ」

 

「優しぃ〜!やっぱ中将さんともなると優しい〜」

 

さすがは鈴谷だ、まるで本職の如き流れるようなドリンクサービス、そして自分にも自然な流れでドリンク追加、大したやつだ…提督は鈴谷の思いきりを評価するぞ!

 

「じゃ、鈴谷もビールにしよっかな〜?熊野は?」

 

「フッ、女将!この店で一番お高価い酒をお持ちなさい!一番お高価な酒を!」

 

熊野のアホは手をパンパンと叩きアホなコトを言っていたのでスピーディに口におしぼりを詰めて右肘で腹に一撃入れてやった

 

「オブッ!?」

 

「熊野はウーロン茶でいいそうだ」

 

とりあえず、それぞれ飲み物が揃ったところでカンパイをかわし、本日の接待タイムが始まった

 

「あの、もしかしなくても君が例の電話相談の鈴谷くんで?」

 

「電話相談?あ〜…うん、したした!電話!」

 

「せっかくなんで色々話を聞いておきたいんだけど…」

 

「あ〜…アレね、正直ちょっと盛ってたっーか、鈴谷も疲れてたっーか」

 

よし!いいぞ、その調子でいい感じにふわふわした感じに濁せ!行け鈴谷!忌まわしき記憶と共に!お前なら出来る!

 

「じゃあ、下着を脱ぐコトを強要されたとかは…」

 

「あ、それはしょっちゅう!」

 

鈴谷ァァァァァ!!ナニ言ってんだオマエはァァァァァ!?

 

「…では、全裸で土下座を強要されるとかは…」

 

「あ、それはたまに」

 

たまにじゃねぇよ!!やべぇよ、中将殿の疑惑の目がやべぇよ…

 

「ウチのテートク、ア●ルならセーフとか言って前は厳しいけど後ろはマジ容赦ないし」

 

「へぇ…」

 

マズい、コレは非常にマズい流れだ、よし!ここはキチンと誤解を解かねばなるまい、俺はあくまで退屈な日常に飽き飽きしている女性や、痴漢願望、露出願望のある女性……いわゆる“牝”の資質を持つ女以外には手を出さない紳士であると言うコトを!

 

「ハッハッハ、中将殿、小粋なスズヤジョークと言うやつですよ、ハッハッハ」

 

「提督提督、私、カシオレが飲みたいですわ!カシオレ!」

 

悶絶肘ボディからいつの間にやら回復した熊野はアホづらで俺の袖を引っ張った

 

「やかましい、好きにしろ、好きに」

 

「女将!カシオレ!カシオレをお持ちなさい!お高価なカシオレを!」

 

コノヤロウ…マジダチじゃなかったら今すぐ腹に貫手ブッ刺したまま持ち上げて爆散させてやりたいところだ

 

「大佐、出来れば後でお話が…」

 

「ハッ!」

 

…そう、過ちを気に病むことはない、ただ認めて次への糧にすればいい、それが大人の特権だ

とりあえず、なんかいい感じにアレな言い訳でも考えるか…

 

◆◆◆◆◆

 

吉野中将の監査から数日後…

 

「お久しぶりです中佐、先日は災難でしたねぇ」

 

相変わらず爽やかなイケメン特有のスマイルを浮かべる天海中佐、なんかこっちの方で別件の用事があるついでに上から俺宛の書類を届けに来たそうだ

 

「まったくだ」

 

だがまぁ、特に何のお咎めもなく帰って頂いて正直ホッとしている、鈴谷のアホが股間にドリンクぶちまけていい感じに執拗に股間を拭いたりのサービスが効いたのだろう、たぶん

俺は天海から受け取った封書を開け、中の書類を確認してみる…

 

「………ん?」

 

あれ?おかしいな、ちょっと目が…いや、眼鏡の調子悪いのかな?んん?大佐→中佐?

 

「どうしました?中佐?」

 

天海のイケメンスマイルは、よく見るといつもより愉快度が増して見える…オイオイオイ、なんですかコレは?え?ナニ?下記の将校を三ヶ月の降格と減俸処分に……

 

「ギャアアアアアアアア!!」

 

降格してるじゃねぇかァァァァァ!!

 

「あ…?あ…?嘘だ!嘘だ?、なぁ天海!嘘だろ?嘘だど言っでぐれよぉ!ウソダウソダドンドコドーン!」

 

「まぁまぁ中佐、落ちついて」プークスクス

 

「アマミザァン!ナズェミテルンディスー!!」

 

◇◇◇◇◇

 

一方、監査から帰還した大坂鎮守府…

 

「ちょっと評価が甘過ぎじゃないかい?」

 

「ん?まぁ、妥当だと思うよ」

 

正直なところ、あの基地を率いる提督を含めて問題だらけだけど、不思議とあの基地に所属している艦娘からの提督の評価は悪くなく、話を聞いてみると、それなりに好感を持っているとの艦娘からの評価を反映した結果だ

 

「じゃ、提督があの基地の問題を抱えている娘をウチで引き取るって話になったらどうする?」

 

「………それは、ちょっとゴメンだね」

 

「だろ?」

 

あの問題抱えた艦娘達が他で上手くやっていけるかと言えば、たぶん無理だろう、なら、とりあえずはあの大佐……いや、中佐か、彼に任せた方がいい

 

「…ところで提督」

 

「なにかな?」

 

「提督はオパーイ大きい頭スカスカのJKみたいな子が好みなのかい?」

 

「ブーッ!!!」

 

ごぼっ!…ごふっ!時雨くんが手にしたスマホには何故かあの時の画像が表示されている

 

「なかなかのデレだね?あ、もしかしてアレかな?提督はツンデレなのかな?」

 

「し…時雨くん、何故それを…?」

 

「さぁ?そうそう、これは関係ないけど、帰り際にあっちの秘書艦とアドレスを交換したんだ…」

 

…やられたッ!!まさか、あの男………なるほど、蛇の毒はゆっくり回ると言うコトか

 

「詳しく話を聞きたいね、お茶でも飲みながら…」ハイライトオフ

 

「は…ハハハ……」




次回
メチルモンスターが真面目に勤労
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