不健全鎮守府   作:犬魚

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3度目のロー●ン回

【登場人物】

提督(154)
久々の開幕クズ、そして終始クズ

Pola(7)
見た目だけは超絶美少女のアルコールモンスター

Zara(5)
通称ザラ姉様、妹が心配で仕方ない姉の鑑


提督とPolaとロー●ン

降格の腹いせに、ちょっと馬でも見に行くかと馬が元気いっぱい走っている場所に行き、現金いっぱい失った俺は基地への帰路、煙草でも吸うかとポケットに手を突っ込んでみたらライターしかない事に気付き、仕方ないので近所のロー●ンに寄ると、店の外からハチミツブロンドのボンキュッボンのオネーちゃんがチラチラと店内の様子を伺っていた…

 

「ナニやってんだ?オマエ」

 

「あ、テイトク…」

 

ボンキュッボンのオネーちゃんことイタリアから来た刺客、Zara級重巡のザラ姉ちゃん、イタリア艦としては初のセカンドステージへと超進化を果たした逸材

 

「エロ本でも買いに来たのか?なんなら提督がついでに買ってきてやるぞ?ペンギンク●ブか?」

 

「違いますっ!」

 

「なんだ、違うのか」

 

「今日はポーラがこのコンビニのバイト初日なので心配で見に来たんです」

 

「ポーラぁ?」

 

たしかに、店内をよく見るとカウンターのところに見た目だけは超絶美少女の頭のネジとBORUTOがユルユルそうな

見覚えのあるアホ面が立っていた

 

「ナニやってんだ?アイツ」

 

「バイトです!なんとポーラが真面目に働くと言って今日からここでアルバイトを始めたんです!」

 

ザラ姉ちゃん曰く、最近出撃やら演習やら遠征やらの仕事もなく、金に困っていたポーラは現金輸送車を襲う綿密な計画を立てていたので、姉としてはこれはいけないと感じ、ポーラにアツい2時間説教をし、改心したポーラは真面目に労働に勤しむ事にしたそうだ…

 

「ふ〜ん」

 

「ところでテイトクは何故ここに?」

 

「煙草買いに来たんだよ」

 

「なるほど…」

 

丁度ムシャクシャしていたところだ、あのアルコールモンスターには俺の憂さ晴らしにでも付き合って貰うか、俺は財布をポケットから取り出してコンビニの店内に颯爽と入店した

 

ーーー

 

「いらっ〜しゃいませぇ〜………あ、テイトクだ」

 

「よぉ、真面目に働いとるかね?」

 

「モチロンですよぉ〜、ポーラは仕事中は飲まない真面目な良い子ですからねぇ〜」

 

たしかに、根は真面目で良い子なのかもしれないが、よく見るとポーラの右手はプルプルと小刻みに震えている、俺じゃなきゃ見逃しちゃうね

 

「いっぱい買って行ってくださいねぇ〜」

 

「いいだろう」

 

俺はまず雑誌コーナーに行き、今週の漫画雑誌を立ち読みし、次にドリンク類の入ったコーナーから500ml6缶パックのビールを取り出し、適当な乾き物を手に取ってレジカウンターに立つポーラの前に置いた

 

「あと煙草の42番3つと、横にあるホットスナック全部くれや」

 

「全部ですかぁ!?」

 

「そうだ、モタモタすんな、スピーディに、なおかつ丁寧に袋に詰めろよ」

 

「うぇ〜…めんどくさぁ〜」

 

ポーラはマジかよコイツ面倒くせぇ客みたいなコトをブツブツと呟きながらから●げクンなどのホットスナックを保温器から取り出して袋に詰める…

ただ1つ、そうたった1つだけ提督が気になることがあるとすれば、レジカウンターの横にしれっと置かれている募金箱…まぁ募金箱自体は珍しい物ではない、だいたいどっかの災害とかなんとか募金とか書いて常に置いてあるからな、だが!この募金箱は違ったッ!

 

「オイ、ポーラ」

 

「なんですかぁ?今ポーラ忙しいんですけどぉ〜、テイトクのせいで」

 

「この募金箱はなんだ?」

 

「募金箱は募金箱ですよぉ?あ、テイトクもしかして眼鏡の度が合ってないんですかぁ〜?」

 

「この募金箱に書かれている“ポーラの酒代復興支援金”とはなんだ?」

 

「あ、それいいでしょ〜?それ置いてたらみんなお金入れてくれるんですよぉ〜」

 

締まりのない顔でヘラヘラ笑いながらポーラは私って頭良いですよねぇ〜とか言ってケラケラ笑う、ポーラ曰く、主に男の客に釣り銭渡す際にちょっと手を握ってやればすぐに入れてくれるらしい、真面目な勤労者どころかコイツはとんだディアブロだよ…

 

「はい、コレで全部ですよぉ、とっととお金くださいよ、お金」

 

「ガタガタ言うなクズが、ほら」

 

俺は支払いを済ませ、ポーラのアホンダラから購入した商品を受け取り、店を出………ない!店を出ずに店内の一角に設けられたイートインスペースへと向かい、適当な椅子に座った

 

「な〝!?」

 

「ここはお客様が飲食していいスペースだろう?ポーラくぅん?」

 

「え?えぇ…そうですけどぉ…」

 

ポーラの美少女顔が青ざめていくのがわかる、クックック、そうよ…そのまさかよ!!俺は今しがた購入したホットスナックとビールの缶を取り出し、スタイリッシュに缶のプルトップを開けて一口に喉に流し込んだ

 

「うぅ…っ!キンキンに冷えてやがるっ!!」

 

「あ…あ…あああ!」

 

「ありがてぇ…!涙が出るっ!犯罪的だっ………うますぎるっ!」

 

「あ…ぁ、あぁ……あああ」

 

ポーラはたまらん絶望顔のままアウアウ言いながらレジカウンターからこっちを見ている、ハッハッハ!愉快愉快!染み込んできおるわい!クズどもの労働を眺めながら飲む一杯は!格別…っ!

 

「そしてこのか●あげクン…っ!スパイスが効いている!くーっ!!」

 

「あ…あ……」

 

ポーラはレジカウンターから出て、何かに取り憑かれたかのようにこっちにフラフラと歩いて来た

 

「なんか用か?アルバイト店員のポーラくぅぅぅん?」

 

「ビール……ビール……っ!うぅ!!でもっ!でもポーラは仕事中で!」

 

「ウヒャヒャヒャヒャ!!たまらんのぉ!どうだポーラくぅぅぅん?提督のコレ、分けてやっても構わんぞぉ?その代わりオパーイ揉ませろよ、ヒャーハッハッハッハ!」

 

「あうっ!!くれ……くれるんですか!?ポーラにお酒を……駄目っ!駄目駄目!まだ仕事中、まだ仕事中……そうザラ姉様にポーラは真面目になるって約束して…約束して…」

 

ーーー

 

邪『せっかくテイトクがタダで奢ってくれるんですよぉ?チャンスですよぉ!』

 

うぅ…邪悪なるポーラがッ!!邪悪なるポーラが誘惑を!

 

聖『ダメよポーラ!ザラ姉様と約束したでしょう?』

 

アナタは!?聖なるポーラ!生きていたのですね!?

 

聖『だからポーラ、お酒はバックヤードでこっそり、ね?』

 

聖なるポーラもダメな子でしたぁ!?

 

?『フッ…見ちゃいられませんねぇ』

 

邪『ゲ、ゲェーッ!!』

 

聖『ア、アナタはーッ!』

 

シシリアン・ダンディのポーラ!!まさか来ていたとはーッ!!

 

シ『クールさをなくしたらダンディではなくただのキザ野郎ですよぉ』

 

さすがドン!なんてクールな御方でしょう、そうですぅ!ポーラはこの御方についていけば…

 

?『唸れ!!オレのニュースーパーブロー!』

 

シ『ナニぃ!?ぐ、ぐわああああああああ!!』

 

嗚呼!!シシリアン・ダンディのポーラがぁぁぁ!!

 

?『フッ、出来たてホヤホヤのパンチなんでつい加減を間違えちまったようですねぇ』

 

邪『ゲェーッ!!』

 

聖『ア、アナタはーッ!!』

 

スーパースター!御曹司のポーラーッッッッ!!!

 

ーーー

 

なにやら立ったまま白目を剥いてガクガクと震えていたポーラの身体が急に停止した、どうやら内なるポーラとの戦いに決着が付いたらしい…

 

「…」ニヘラァ…

 

ポーラはいつもの締まりのない笑いを浮かべ、レジカウンターへ戻ると、奥に居た店長らしき男に“ポーラバイト辞めます!クソありがとうございましたー!”と叫び、豪快にロー●ンの制服を脱ぎ捨て、俺の居るイートインにまるでラファエロの絵画のような躍動感溢れるジャンプで飛んできた!

 

「ウヒャヒャヒャヒャ!!ウェーイ!テイトク!ウェーイ!イタダキマース!」

 

ポーラはスタイリッシュにビールのプルトップを開け、一息に喉に流し込んだ

 

「あー…うますぎるっ!この一杯の為なら強盗だってやりかねない…っ!」

 

「よぉーしポーラァ!飲め飲めぇ!今日は俺の降格祝いじゃあ!トコトンいくぞぉー!あとオパーイ揉むぞ!」

 

「ウェーイ!!トコトンいきますよぉ〜!ハイ、好きに揉んでいいですよぉ〜!」

 

 

こうして、ポーラはバイトを初日で辞め、俺たちはそのまま近くの公園に行きウェイウェイ言いながら飲みまくり、後で2人してザラ姉様からアツい説教を受け、俺とポーラは泣きながら正座で反省文を50枚程度書かされた


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