【登場人物】
提督(158)
大和男児でありキュウシュウ男児、ラーメンはホカホカのトンコツラーメンを好む
Warspite(8)
陛下、とても高貴な御方
清霜(8)
夏休みの自由研究は朝顔の観察日記
リベッチオ(5)
夏休みの自由研究はひまわりの観察日記
連日の猛暑になんか絶対に屈しない!いいじゃない、できるものならやってみなさい!と決意を新たに、冷房の温度を連打して下げていた8月の日、そう言えばお中元とか送らないとなぁと思い立ち、頼れる右ハンド、五月雨にお中元買いに行くからデパートに行こうぜ!と陽気に誘ったが“見たい番組があるので嫌です”と断られ、仕方ないので1人で行くかと歩いていると、当基地きってのアホガキどもがサマーコーデのオシャレな服を着てゲラゲラ笑いながら階段の下にたむろしていた…
「よぉ、アホガキども」
「あ、テイトクだ」
アホの1号、キヨシこと清霜、オシャレでオマセな者が多い夕雲型きってのバカヤロウ、その頭の悪さはブッちぎりであり、あの香取先生ですら35点以上を取らせた事がない
「ホントだ!テイトクだ!」
アホの2号、イタリアから来た刺客!合法駆逐艦ことリベッチオ、その頭の悪さは清霜にすら匹敵し、最近はローマも算数を教えているらしいが、よくクサレ脳ミソがぁー!と机に顔面を叩きつけられている
「随分とシャレた格好してるじゃねぇの?お買い物にでも行くのか?」
「うへへへ〜清霜達、今からMITSUK●SHIに行くんだ!」
「リベも!リベも行くよ!」
「ふ〜ん」
ナニがMITSUK●SHIだ、カッコつけやがって、どこの発音だよ、ネイティヴか?ネイティヴな感じか?あ?このネイティヴが!!ったく…どうせ、ガキどもに甘い足柄の野郎に連れてけ連れてけ駄々こねたのだろう
「ま、足柄の言うコトよく聞いて大人しくしてるんだぞ」
「足柄サン?足柄サンは行かないよ?」
「イかないよ?」
「あ?」
ナニ言ってんだコイツら、イカレてんのか?いや…イカレる以前に深刻なアホだが
「足柄のカスじゃねぇなら誰と行くんだよ?」
「ダチンコ!」
「ダティンコー!」
「ナニがチ●コだ」
『……あら?Admiral?』
アホガキどもの頭の悪さにうんざりしていると、廊下の向かい側から隠し切れない高貴さと優雅さを併せ持つ美の王者がゆったりと歩いてきた
「へ…ッ!陛下ァァァ!!」
「あら?やっぱりすぐバレてしまいましたね…」
陛下はいつもの女王然とした絶対女王スタイルではなく、超絶エレガントなサマードレスをお召しになっておられ、さらに、一目でお高価とわかる黒眼鏡を着用する、これまさにお忍びスタイル!
しかし駄目…っ!駄目駄目!隠しきれてない…っ!圧倒的っ!圧倒的高貴さ!輝き…っ!平民では膝を折るしかない絶対的な王のオーラ!
「…陛下、その御姿は……?」
「似合いませんか?」
「いえ!大変お美くしゅう御座います!その御召し物、とても良くお似合いになっておられます!」
「Thanks a lot、有難う」ニコッ
陛下は気品と格調高きロイヤルスマイルと共に短い謝辞を述べ、俺はその破壊力に膝を折り、思わず祖国を捨て、陛下への忠誠を誓いかけたが、なんとか足をふんばり、腰を入れ、自らの左小指をパキるコトで耐え抜いた
「いえ…お気になさらずに」
「ヘーカ!早く早く!早くいこーぜぇー!」
「ヘーカの準備遅くてリベ達ヘソがティー沸かすかと思ってたー」
「I make them wait and I'm sorry to do、お待たせしてすいません…」
このガキどもォォォォォ!!陛下に!よりによって陛下に謝らせやがったァァァ!!ナニやってんだオマエら!謝るのオマエらの方だよ!アホでスイマセンだろーが!い…いくら陛下が御心の広い御方とは言え、これはマズい、王である陛下が謝罪させられる屈辱!この屈辱に対しアレだ、陛下大激怒→一族郎党処刑台、もしくは、陛下大激怒→日英開戦!第三次世界大戦勃発の可能性すらあり得る…
「す、スイマセン陛下!コイツらアホなんです!生まれついての純度100%混じりっけなしの純粋なアホなんです!オラァ!貴様らァ!陛下に謝らんかい!」
「I don't come to that、よいのです、子供が純粋で、そして素直である事は素晴らしい事です」ニコッ
「ガハァ!!!………そ、そうですか」バキッ!!
左手の中指と薬指を犠牲に、陛下のロイヤルスマイルに耐え抜いた俺は生温い汗を拭い、努めて冷静さを装いつつ笑顔で対応した
「ヘーカ、その変なメガネなに?」
「コレですか?」
オイィィィィ!!変とかゆーなッ!!陛下のお洒落サングラスをッ!死にたいのかオマエは!?
「清霜にも貸してー!」
「どうぞ」
清霜のアホンダラは陛下からお洒落サングラスを受け取ると早速それを着用し、頭の悪さが+50された
「うへへへ〜…大戦艦様のサングラスかぁ〜、どぉ?カッコいい?」
「あー!キヨシだけズルい!リベも!リベにも貸してー!」
「新しい時代を作るのは老人ではない」キリッ!
「スゲェ!キヨシ戦艦みたいだ!」
何が戦艦だ、それ戦艦じゃないで大尉だよ!
「ねー!リベにも!リベにも貸して!ねー!キヨシ!ねー!」
「オ…オイ、壊すなよ、ホント壊すなよ、なぁオイ、なぁ?へ…陛下、陛下ァ!本当に…ッ!本当にスイマセン!コイツらアホなんで…ホント悪気とかないんで」
「よいのです」ニコッ
嗚呼、陛下…陛下ッ!御心の広い御方、まさにこの御方こそ王に最も相応しい御方、まさしく王の中の王!誓ってしまいたい!忠誠を…ッ!この御方に身命を捧げるとはなんと名誉な事か………だが、俺は耐えた、膝を折りかけた心身を鼓舞し、自らの左腕を破壊する事で大和男児の尊厳を守護り通したのだった…
「Admiral…お顔の色が優れないようですが?」
「ハハ…ちょっと熱中症気味かな?水分が足りてないのかもしれません」
「Oh…それはいけません、十分な水分と休息を取る事をお勧めします」
「ハハ…御気遣いありがとうございます」
流石は陛下だ、俺のような下々の者への体調配慮まで……あ、やべ、これかなりやべーわ、今すぐ叫び回って転がりてーわ
「あ、ヘーカ!外にタクシー来たって!」
「タクシー来たって!」
「I see…それでは、Admiral、行って参ります」
「あ、はい………どうぞ、お気をつけて、あとガキども、間違っても陛下にご迷惑をおかけすんなよ、いいな?ホント、いや、マジで、マジだから!いいな?後でアイス買ってやるからマジで大人しくしてろよ、わかったな?」
こうして、陛下はアホな子供達を連れてMITSUK●SHIへと楽しい庶民的shoppingへと向かい、俺はその御姿を見送った後、あまりの激痛に雄叫びを上げ、その場でゴロゴロと転げ回っていると、キモい猫を持った改白露型の緑のチビスケが何やってんのと聞いてきたので、パンツ見えてますよと答えると顔面を踏まれた
次回は懲りずにトクベツヘーン
倶楽部HO-SHOWの上位ランカーに挑むのは、通称『艦娘たらし』と呼ばれた男…