不健全鎮守府   作:犬魚

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毎度お馴染みイベント連動、極力ネタバレしないイベント編

【登場人物】

提督(162)
夏だけはキラっと輝く勲章を欲しがるバッドガイ
AL/MIのトラウマ持ち


続続続・提督と作戦とミーティング

夏のアツい風物詩、大規模作戦と言う名のフェスティバルの開幕を目前に控えた当基地、今年もキレのあるストレートや、喰い気味のストレート、そして、力のこもった全力ストレートがオレの心をアツくさせるだろう…

 

「えー…今回は大規模作戦と言うコトで、初回からやる気のある娘はガンガン使っていきます、ガンガン使って、散々使い倒してボロ雑巾のようになってもでぇじょうぶです、バケツがあります、今回も皆さんの為に一杯用意してありますのでジャブジャブ使って構いません」

 

いつもはスポーティーな施設の体育館にて、作戦前恒例の全艦集会に集まったバカどもに壇上からアイサツをし、作戦開始の火蓋が切って落とされたコト、そして、夏休み中にバカなコトするんじゃねーぞとバカにもわかりやすく、なおかつ丁寧に伝え、俺はマイクを置き、香取先生はエレガントに次のプログラムを読み上げる

 

「え〜…続きまして、夏のインターカンの表彰を行います、優勝、チーム西村艦隊総合…」

 

ーーー

 

「ワイハー!」

 

「ワイハですって!」

 

喫煙所で一服し、執務室へと戻っていると、執務棟と寮の間にあるロビー的な広場で、実力派エリート集団と名高い潜水艦のアホンダラどもが夏を彩るオシャレでKAWAII服に身を包み、大きなトランクをゴロゴロと押していた…

 

「よぉ、カスども」

 

「あ、テイトクなのね!」

 

「168達、今からハワイだから、電話とらないから!」

 

当基地の潜水艦どもには期毎に長期休暇を取る事が約束されている(ただし、場合によっては休暇出撃もあり得るが、その場合は日当の135%が別途支給される)…

平均練度98、安心の三交代シフト、小破以上即休憩あり、新人にも優しいセンパイ達が丁寧に教えてくれる実にホワイトな運営がこの実力派エリート集団である

 

「ろーちゃん新しい水着買ったですって!」

 

「…ユーも、買った」

 

「誰か26のパスポート見なかった!?ねぇ!?ねぇねぇ!」

 

今回の長期休暇はハワイか…コイツら本部作戦以外の普段から稼いでるから金だけは持っている、たぶん、ホ●ト遊びにハマっても大丈夫なぐらいは稼いでるが、近所にホ●トクラブはないので、こうして長期休暇の際に散財して来るのだろう

 

「あ…ああぁぁ…酒ぇ、姉ちゃん…酒ぇ」

 

「ダメ、14ちゃん……でも、飛行機内は飲み放題だから…」

 

「飲み放題っ!?いいんですか!姉ちゃん!え…飲み放題って?え?それは、いくらでも飲んでいいと…?14は飲んでいいと!?」

 

「…いいよ」

 

「クッ!ありがてぇ…っ!ありがてぇ!!」

 

そっくりお姉ちゃんにガッシリと抱きつき、アル中の14はアツい涙を流して慟哭する、飛行機にさえ乗れば飲める!それも…っ!好きなだけっ!こんなに嬉しい事はない…ッ!!14の心はきっと希望に満ち溢れているのだろう、楽しい旅!楽しいバカンスの幕開けだと…っ!

だが、そんな14を優しく抱く13ちゃんの腕には時計型麻酔銃が巻かれている、たぶんお姉ちゃんはヤるだろう、目的地までグッスリだ…

 

「…まぁ、あんまハメハズさず節度を持って遊べよ、あと、必要になったら即リターンさせるからな」

 

俺は一番近くに居た58と8っちゃんさんの肩に手を置いて楽しんできたまえよと理解ある上司のエールを贈った

 

「へいへい」

 

「気安く触らないでください」

 

まったく、相変わらず8っちゃんさんは社会派だけに厳しい娘なのだよ…

 

ーーー

 

作戦期間中は喫煙解禁のアツかりし執務室…

 

「で?今度はどこだ?スリガオか?ついに姉様出陣か?」

 

当基地には珍しい菩薩の如き優しさを持つ姉様がたまに思い出した様にレイテがどうのこのう呟く姉様達のトラウマポイント…おそらく、レイテを乗り越える事で姉様は新たなるステージに進む事が出来るのだろう…

 

「違います、なんか欧州救援とかなんとか、そんな感じらしいです」

 

「奥州か…」

 

ふむ、どうやら今度の作戦はかなりレッツパーリーな事になりそうだな

 

「欧州ですからね、欧州」

 

「知ってるよ、奥州だろ?大丈夫だって、オレケッコー得意だよ?まず小田原ブッ潰してホウジョー滅ぼして…」

 

「違います」

 

青髪ロングは麦茶を俺の机に置き、上から来た通達と、天海辺りに調べて貰った今回作戦概要の書類を机に置いた

 

「…ふむ、思った以上にめんどくさそうだな」

 

「ですね…」

 

さて……どうしたモンかね、とりあえず開幕戦はいつもの五十鈴パイセンでいいとして……ま、なんとかなるか

俺は胸ポケのタバコを確認し、席を立ち上がった

 

「…どちらへ?」

 

「散歩、付いてくんなよ」

 

「あ、そこの戸棚にお酒ありますから」

 

「あいよ」

 

俺は五月雨が事前に用意していた墓参り用の酒の入ったビニール袋を手に、執務室を出た、まったく…こーゆートコもムカつくんだよな、コイツ

 




次回は開幕初戦!
立ちはだかる新たる強敵!五十鈴王国崩壊の危機!

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