たまにある珍しい健全で平和な回
【登場人物】
提督(17)
海か川かと問われたら川で釣る
釣りをしながら小説等を読む暇な趣味もある
速吸クン(2)
忘れた頃に久々の登場、スポドリ係の女マネみたいな子
アイオワを仕留めた球は164キロを記録した
土用の丑の日…
平賀某がウナギが売れないウナギ屋の相談を受け、じゃ、この日はウナギ食うのマジナウい!え?食ってないのオマエ?遅れてるぅー、とかしたらよくね?みたいな案を出し、それが流行ったらしい…
「よーし、ウナギ釣りに行くか」
「ウナギって釣れるんですか?」
最近、国産のウナギは高くてなかなか手が出せない
一応、間宮食堂にもウナギの品目はあったが注文するにはなかなか手を出し辛いものがある
そこでこのハンサムな提督は考えた、買えば高いなら、自分で釣って捌けばいいじゃないかと…
「大丈夫だ、俺がガキの頃に川で鯉を釣ろうとしたらたまにウナギが釣れた覚えがある」
「へぇ」
「では行って来る」
俺は釣具セットを持ち、近所の川に向かう事にしたが、その前に何か飲み物でも買って行くか…
「あ、提督、お疲れ様でーす」
「む…君はたしか、速吸クン」
相変わらずスポドリ係の女マネにしか見えないな
このクソ暑い中、走り込みでもしていたのか、青春と色気の健康的な汗を流している
「どこかにお出かけですか?」
「釣りだ」
「釣りですか、何狙いですか?」
「ウナギだ」
「へぇ~、いいですね!ウナギ!私も田舎ではよく釣ってました」
釣り女子とか言うのは聞いた事があるが、ウナギをよく釣ってたと言うのも珍しいな
「…速吸クン、ウナギは捌けるかね?」
「捌けますよ」
「よし、採用」
「はい?」
「ウナギ釣りに付き合いたまえ」
「まぁ…別に構いませんが、その前に着替えて来ていいですか?さすがにちょっとコレは汗臭くて…」
俺が変態ならばそのムレムレでスケスケ寸前なのがいいのだよと言うところだが、俺は変態ではないので汗を流してサッパリとして来る事を勧めた
「構わんよ、そこで煙草吸ってるから着替えてきたまえ」
「はい!」
う~む、相変わらずうちのような掃き溜めには珍しい子だ
冷静に考えると、実はかわいいのではないだろうか?
「フーッ~…」
煙草に火を点け、白煙を吐き出す
飲み物ついでに煙草も買っておかないとなと考えていた時、また汗臭いのが歩いて来た
「む、提督ではないか?」
「よぉ、なにやってんだ?盗撮か?」
「フッ、このビッグセブン、そういつも盗撮しているワケではないぞ?」
汗臭い長門が泥臭い汗をダラダラと流しながらやって来た
「こっち来んなよ汗臭せーな」
「日陰だから仕方あるまい」
「で?なにやってたんだ?ポリに追われてんのか?」
「フッ、このビッグセブン、そういつも追われてはいないぞ?なんなら身体検査しても構わん、私はシロだからな」
「誰がするか」
「ちなみに提督よ、そのケースはなんだ?刀でも入ってるのか?」
「釣竿だ」
「釣竿?なんだ?釣りに行くならこのビッグセブンも付き合ってやってもいいぞ、こう見えても昔はグランダーナガトと呼ばれた釣りの達人だからな!」
ムサシじゃねぇんだな…っーかムサシだとバス釣りだった気がするが
「結構だ」
「なんだ?付き合いが悪いな………ハッ?まさか貴様、このビッグセブンに黙って駆逐艦のエンジェルス達と行くつもりではないだろうな!?」
「行かねぇよ」
「そうか、ならいい」
仮に、そうであってもお前には言わないがな
「ではやはり一人で行くのか?」
「いや、速吸クンを待ってるところだが?」
「速吸…?」
「たまにスポドリ配ってる女マネみてーなヤツだ」
「あぁ、あのマネージャーみたいな………ん?彼女はマネージャーではないのか?」
コイツ、マジでただのマネージャーと思ってたのか…
まぁ、俺も人の事は言えんが
「あんま速吸クンを舐めんなよ、彼女はああ見えて世界最速狙える肩してんだからな」
「ほぉ~」
「こないだなんかアイオワを三振に仕留めてたぞ」
特に、最後のバットをヘシ折る豪球は戦慄すら覚えたぐらいだ
「お待たせしました~」
「む」
「あ、長門さん、こんにちは、トレーニング中ですか?」
「あぁ、このビッグセブン、トレーニングは欠かさないからな」
「よし、では行くか速吸クン」
「はい!」
ウナギか…速吸クンも来たし、そろそろ狩るか
明日はお休みです
次回は明後日です