【登場人物】
空母夏姫
赤城と加賀の悪いところを混ぜたジョグレス進化、水着なのにいつもより布面積が多い不思議
『ヒノカタマリニナッテ…シズンデシマエ!』
紅海で無惨にもダブルピースの刑に処されて散った空母夏鬼、しかしッ!彼女はまだ死滅していなかった!怒りの力が彼女を新たなるステージへとevolution、革命ではない、進化が彼女を空母夏姫へと進化させたのだッッッ!!
「ゲェーッ!あのクサレ空母のヤツ!生きちょったんかーッ!」
「なんてしぶてぇ野郎だ、恐ろしい執念を感じるのぉ」
「フッ、ヤツはどうやら地獄の鬼どころか閻魔様にも嫌われているらしいな」
マルタ島沖海戦後半戦、港湾夏姫をくだし、この海域に居座るBOSSへの挑戦権を得た当基地所属の艦隊は、道中の激戦を制しつつ、敵旗艦の待つステージへ到着すると、なにやら見覚えのある空母的なナニかが怒り狂った顔でシューシュー鼻から蒸気を噴いて立っていた…
『行ケ!キモイ鳥!ヤツラノハラワタヲひっちこっくシテヤレ!』
前回の初登場から今回にかけて、一気に繁殖に成功したキモイ鳥こと新型艦載機、見た目はキモイが強く、このキモイ鳥量産の暁には世界の空を制圧出来るのでは?と期待が寄せられており、キモイ鳥ブリーダーの護衛棲姫は受注が多くて参ってますよと忙しさの中に喜びの声をあげている
「チクショウ!なんてキモさだ!」
「あいた!?噛んだ!コイツ噛みやがったーッ!」
ギャース!ギャース!と鳴き声もややキモイ感じのキモイ鳥は、その鍛えぬかれたトゥースで襲いかかってきた
「チクショウ!なんとかならねぇのか!?」
「あったよ!秋月と10cm高角砲+高射装置が!」
「でかした!」
◆◆◆
「コーヒーくれ、冷蔵庫の」
「ご自分でどうぞ」
夏の猛暑とお別れを告げたいつもの執務室、現場から送られてくる映像をテレビで見つつ、缶コーヒーの蓋を開けてタバコに火を点けた
「フーッ〜…AKI姉ちゃんはホントに使える子だな」
「そうですね、まぁ、秋月さんだけではなく妹さん達もですけど」
AKI姉ちゃんこと秋月姉妹は些かロックなところがあるが、基本的には真面目で良い子ちゃん達だ、給料だってかなり稼いでいるが何故かいつも貧乏そうに見える不思議
「とりあえずここまでは順調みたいだな」
「そうですね、あ、ボディ刺さりましたよ、ボディ」
「うむ、あ、吐いたな」
「たぶん内臓破裂しましたねコレ」
武蔵のメガトンパンチが空母夏鬼だか夏姫だかのやわらかボディに突き刺さり、音声無しの映像だけでもオゴォ!!と言っているのが解る、むしろ、あの殺人パンチなら一撃で殺して欲しいものだろう
今回のカメラ係である阿武隈はこれ以上凄惨なシーンは撮り辛いのか、第二艦隊の仲間達へとカメラを向けてみた
『ア゛?ナニ撮ってんだコラ?オイ、オイィィ!』
『アタマパンパカされてぇーのか?オ゛?オイオマエ、えー…なんだっけ?アブ?アブラハム?』
う●こ座りで待機中の第二艦隊メンバー、残酷・残忍・残虐の揃ったハイスペックカノジョこと高雄と、無軌道・無計画・無秩序の悪行エリートのクソビッチ愛宕はカメラ係の阿武隈に絡んできた
『あ…阿武隈です』
『阿武隈ぁ〜?…あぁ、由良サンの妹』
『ヤベーよ高雄っちゃん、コイツ由良サンの妹だべ』
『あぁ、たしか阿修羅の阿に日本武尊の武、檜隈民使博徳の隈と書いて阿武隈だ、間違いねぇ…っか高雄っちゃんとかゆーな、キメぇわ、デブ』
『は?オイ今なんっつたコラァー!!』
…ナニやってんだ?コイツら、阿武隈はカメラを落としてしまったのか、ザーザーと乱れた映像とブッ殺してさしあげっぞバカめがァ!とか私はデブじゃない!ポッチャリ系よォー!とかやめてくださぁい!とか現場の混乱する様子だけがわかる音声だけが流れてきて、唐突にプツンと切れた、たぶん、誰か踏んだのだろう…
「フーッ〜…サミダリューン、この戦、後は卿に任せる」
「五月雨です、トイレですか?」
「いや、お買い物だ」
次のステージは“あの御方”に御出陣を願わねばならんしな、手ぶらでお願いするワケにもいかんのでお高価な菓子折を買っておかねば…
◆◆◆
『ウゲエェェ…』ビチャビチャ
『空母夏姫クン!』
『空母夏姫クンドウシタンダ、イツモノキレガナイゼ!』
『マサカ慣レナイ地中海ニ緊張シテルジャア…』
深海チームメイト達にも見てわかる空母夏姫のあきらかな不調!いつもならキレのあるストレートで戦艦だろうが空母だろうがバシバシと切って落とす筈なのに今回に限って何故か不調!
『イヤ…タブン原因ハアレダナ』
『軽母ヌ級!原因ガワカルノカ!?』
顔はデカいが知識は広い、深海きってのクールな有識者、軽母ヌ級は空母夏姫の不調の原因を科学的に分析したらしく、愛用の深海ノートを広げて見せた
『オソラク不調の原因ハ空母夏姫クンノ布面積ニアル、コノでーたヲ見テクレ』
『タ…タシカニ!』
『イツモノ、ノーブラ・ノーパンニ比ベテぽてんしゃるガ30%モ低下シテイル!』
『ツマリ!アノ水着ハ空母夏姫クンノ真ノ力ヲ抑エツケル拘束具ニナッテイルノダヨ!』
いつもの空母夏姫もとい、空母棲姫はノーブラ・ノーパンのベストオブ痴女スタイルなのに対し、今年はオシャレな水着スタイル、その布面積が仇となっていた!
『ナラ話ハ早イゼ!空母夏姫クン!脱ゲ!脱グンダーッ!』
『ソウダー!脱ゲ!脱ーゲ!脱ーゲ!』
『脱ーゲ!脱ーゲ!』
深海チームメイト達からのアツい脱げコールが響く中、空母夏姫は考える………誰が脱ぐかッ!と、たしかに、脱いだ方が色々気持ちイイし晴々とした気分になれるが、今年は違う!去年、あのケツババアはすれ違う度にケツ振って見せつけてきて、え?オマエまだ水着買ってねーの?プフーって笑いやがる、そんな屈辱に耐えて買った今年の水着!脱ぐワケにはいかない!
「オラァ!!」
『オゴォ!?』
「お前にはできないかもしれない」
『チョ!待テヨ!?』
無敵の重巡コンビのダブルハードパンチャーに交互に殴られ、膝ガクガクで尿漏れしそうになっているが未だ耐える空母夏姫の頭に、時雨様の強烈なカカト落としが炸裂した
「頭が高いよ」
最後に見た景色は白パン、空母夏姫はブクブクと気泡を残して地中海へと沈んでいった…
次回から最終海域!女王陛下VS姫騎士、たぶん