提督(18)
ビスマルクさんが好き、露骨に態度が変わるナイスガイ
ビスマルクさん
ドイツの誇る大戦艦
ちやほやされてきたせいか、意外と普通、普通のビスマルク
プリンツ・オイゲン
ビスマルクさんの舎弟、アネゴ命
提督との仲は露骨に悪い、アネゴ命だがいわゆるレズではないらしい
レーベくん
初めて会った時に提督からチ●ポついてるんですか?と聞かれてドン引き、それ以来会話した事はない
マックスくん
同じくドン引きした
【前回までのあらすじ】
圧倒的な力を持つ防空棲姫!大和型の超火力すら涼風の如く受け流す彼女の前に次々に倒れて第六駆逐隊のゆく仲間達!
「ナニ…?血ガ?」
トドメを刺そうとしたその時、防空棲姫の手から一筋の血が流れる
返り血か?いや、何かが今、飛んできたのだ…
「コレハ……暁型ノ部品?コレガ私ノ手ニ傷ヲツケタノカ!?」
ゴオオオォォォ!!
「そうだ、防空棲姫よ…私の兄弟達にそこまでした以上、その程度の傷じゃ済まないよ」
「オ、オマエハーッ!!」
不死鳥ッ!!“不死鳥”のヴェールヌイ!!
「お前には地獄を見て貰う」
◆◆◆
「それ去年の話ッ!前回じゃないで去年の話ッ!だからなんで1日休んだだけでバトル展開!?」
昨年の夏、俺にとっては二度目となる夏は一度目の夏が無念の敗北になった苦い経験から、一年かけて万全の体制を作って挑み、それでも尚、なんとかギリギリの差で勝利した戦いだ…
思い出したくもないが、思い出すのは防空棲姫の太股がエロかった事ぐらいだろう
正直、二度と会いたくないが、もし会ったなら今度こそ肉●器にしてやる
「肉●器になァ!」
「なにがァ!?」
む、つい声に出てしまったか…
五月雨のやつがドン引きしている
「気にするな、ただの独り言だ」
「今更ですが、その独り言はどうかと思いますが」
「笑ってくれて構わんよ」
「笑う要素が無いんですけど…あ、そうそう、上から作戦の参加通達来てますよ、今週末からです」
「そうか、もうそんな時期か…」
そういや昨日からどいつもこいつも真面目に訓練してるのを見かけたな、普段はチューインガム食いながら漫画読んでゲラゲラ笑ってるバカどもだが、さすがにシーズン前になるとレギュラーの座を狙いおる
「よし、たまには真面目な訓練でも見に行くか、五月雨、麦茶を持って付いて来い」
「自分で持ってくださいよ、はい、水筒」
俺と五月雨は麦茶とクーラーボックスを持ち、真夏の訓練場の視察へ向かう事にした
…
「喉が渇いたわね」
「ミネラルウォーターです!」
「ありがとう、あと、アイスが食べたいわ」
ミネラルウォーターを飲み干し、さらにアイスを所望するワガママボディの金髪美女、ドイツが誇る大戦艦、ビスマルクさん
「すぐに準備致します!レーベくんかマックスくん!ハーゲンダッシュ買って来て!今すぐ!」
そして、自称・ビスマルクさんの一の舎弟、プリンツ・オイゲン
うちの国産どもが居ないところを見るに、どうやら今の時間はドイツ海軍が訓練場を占有しているらしい…
「仕上がりは順調なようじゃないか、ビスマルクくん」
「あら?提督、私を見に来たの?感心ね」
「ハッハッハ、当然ですよ、ハッハッハ」
ビスマルクさんだからこそ許されるこの態度、仮に金剛辺りがこの態度だったら正中線に四連撃を叩き込むところだ
「ナニしに来たんだァ?このゲスチンヤローがァ、アネゴから離れろ、殺すゾ?」
「あ゛?俺は今、ビスマルクさんと楽しくお喋りしてるんだよ、消えろ」
俺とビスマルクさんの間にいつも割って入ってきやがるな、このプリケツヤローは
「は?今は見逃してやるから、お前が消えろ」
「ア゛ァ?オイ、ケツプリ、誰が、誰を、見逃してくれるって?」ピキッ!パキッ!
「ニホンゴのわかんねークソアトミラールだな、クチャクチャのザワークラウトにしてやんよ?」ピキッ!パキッ!
コイツとはここで“決着”つけてやる必要がありそうだなァ~
「プリンツ」
「はい!アネゴ!」
「アイスが食べたいのだけど?」
「そうでした!すぐに!すぐに準備を…」
「クックック…」
「なんだァ?何がおかしいんだコラ?殺すゾ」
「そうかそうか…ビスマルクさんはアイスをご所望か」
「!」
クックック、どうやら気付いたようだな、俺が持っているクーラーボックスに
「ビスマルクくん」
「なに?」
「アイスなら、丁度、私が持ってい…」
「あら?そうなの?」
勝った!絶望しろ!絶望しろよプリンヤロー、ビスマルクさんにアイスを渡して好感度アップはお前じゃあ無い!この!提督だ!
「クッ……そ、そうだ!アネゴはハーゲンダッシュ!高貴なアネゴはハーゲンダッシュしか食さない!」
「な…なにィ!?」
「そのクーラーボックスに入ってるのはどーせガリガリするヤツでしょ!アトミラールがいつも食べてる高貴じゃないヤツ!」
このクーラーボックスの中に入っているのはガリ●リ君…
高貴なビスマルクさんには少々似合わない可能性が大ッ!
「やはり高貴なアネゴにはハーゲンダッシュ!さぁレーベくん!マックスくん!早く買ってきて!」
「え?イヤだけど」
「自分で行けよ」
バカめ!なんて人望の無いヤローだ!
「オイ五月雨!ハーゲンダッシュ買ってこい!」
「普通にイヤですけど?」
「ププーッ!自分もじゃん、ダッサ!」
「ア゛ァ?」
こうなったら自分で“購入”するしかあるまい!
俺はクーラーボックスを床に置き、明石の店へと最高のスタートを切った
「逃がすかァ!」
プリンチペ!やはり貴様もかッ!
だが学生時代は光速のランニングバックと呼ばれた俺に勝てるかな?
「うおおおおぉぉぉ!!」
「ふぁいあぁぁぁぁ!!」
・・・
「サミダレ、それ、何か入ってるの?」
「シロクマですけど?食べます?レーベさんとマックスさんも」
「…なかなか美味しいわね、悪くないわ」
この後、明石の店に到着した俺達はハーゲンダッシュが無い事を知り、灼熱の炎天下、更にコンビニまで走り、帰りは緊急搬送された