不健全鎮守府   作:犬魚

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狂気の天才M巡Y張

【登場人物】

提督(166)
1%足りないSAMURAIの血はガッツで補う

夕張(29)
痛みが生と性を実感させてくれる人の痛みがわかる根はいいやつ、根は


提督と夕張と殺戮の天使

「新しい装備を開発しました、ハッキリ言って自信作です!」

 

爽やかな秋晴れの執務室、どうやったらサラトガのオパーイを合法的かつメチャメチャに揉みしだく事ができるのか、ゲーデルの不完全性定理に当てはめつつこの難問に挑んでいると、完璧無乳大数軍の刺客“完熟”のメロン野郎がニコニコと笑みを浮かべながら入って来た…

 

「ハッキリ言って自信作です!」

 

「二度言うな」

 

二度も自信作と言うぐらいだからこれは相当ロクでもないものを作りやがったなこのヘソ出しメロンは…

 

「とりあえず見せてみろ、見てから修羅の左か、菩薩の右か判断してやろう」

 

「はいっ!」

 

俺は世紀末救世主の如く指をバキバキと鳴らしながら夕張にとりあえず見せてみろと伝え、夕張は相変わらずちょっと嬉しそうに元気良く返事した

 

「今回開発………と言えばやや語弊がありますが、まぁ細かいコトは抜きにして、今回開発しましたのはこちら!モビルアーマー!ハシ●マルです」

 

「…足がないな」

 

「足なんか飾りです」

 

夕張の指差した窓の外にそびえ立つ全長30メートルはゆうに超える巨大なマシーン、そのスタイリッシュなデザインはまるで今にも飛び立つ巨大なる鳥を彷彿させてくれる

 

「こちらのハシュ●ルですが、あの巨体で参るほどの高い機動性、しかもレールガンでも傷一つ付かないナノラミネートアーマーの高い防御性能があります」

 

「ほぉ」

 

「そして!なんとこのハシ●マル!頭にビーム砲を搭載しており、その絶大な破壊力は戦艦タ級ぐらい消し飛びます」

 

それ、すげぇのかそうでもないのか微妙な威力だな…まぁ、ビームである以上、射程は相当なものがあるんだろうが…

 

「あと、このハシ●マル、完全自律型のAIを搭載してまして、とりあえず人を見たら殺す事を前提に動きます、まさしく殺戮の為のマシーンです」

 

「それダメなヤツじゃねぇか!?なんでそんなヤバいAI積んでんだよ!」

 

「さぁ?正直なところ、コレ、地面に埋まってたのを拾って修理しただけなので詳しい事はよくわからないんですよねー」

 

ギャオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

まるで雄叫びの咆哮のような駆動音が唸りをあげ、窓の外に立っていた殺戮の為のマシーン、モビルアーマー・ハシ●マルは空にビームをブッ放しながら動き出した

 

「ヒイィ!?動き出した!?」

 

「ちなみにこのハシ●マル、目標を破壊するだけではなく、自ら思考し効率的な戦闘を行う高度でヤンチャなAIで、とにかく人が多く居る場所を真っ先に攻撃します!徹底して人類殺戮の効率を高めた機体です!ぶっちゃけ厄祭戦もコイツが暴れ回ったせいじゃないかと…」

 

「とりあえず止めろ!」

 

「あ、無理です」

 

この野郎、なんてヤバいバケモノを蘇らせやがったんだ…

その人類抹殺マシーン・ハシ●マルはビームを撃ち終えた後、ノソノソと基地の外へ向かって動き出した

 

「オイ、なんか動いてるぞ」

 

「たぶん街に行くつもりですね、たぶん今日辺りだとイ●ンモールとか人がめっちゃいるんで」

 

「アホかァァァァァァ!!」

 

ビタンッッ!!(ビンタ)

 

「だるびっしゅ!!………痛い、痛いじゃないですかぁ」

 

痛いと言いつつも気色の悪い笑みを浮かべる夕張に、さらに下腹に蹴りを入れると、おごぉ!と言って腹を抱えて光る吐瀉物をビチャビチャと吐き出した

 

しかし、あんなのが街に行ったら殺戮のパレードが始まるのは確実ぅ!だ、しかもこのままでは俺が秘密裏に開発した殺戮マシーンを解き放って民間人を虐殺したとかあらぬ誤解でダースの罪状を付けられ、良くて裁判無しの処刑、悪くて裁判無しの処刑の二択だ………なんとか、なんとかしなければッ!

 

「…ハッ!長門!こーゆー時は長門だ!」

 

そうだ!こーゆー時こそ、いや、こーゆー時にしか用はない頼れるタフ・ガイ、あの古代殺戮兵器オ●ガにも殴り勝った事のある長門ならあのバケモノにも勝てるハズ…っ!

 

「五月雨!長門だ!長門を呼べ!」

 

「長門さんなら今日は休暇で居ませんよ、なんか“フッ、もしかして私も作曲活動をして動画サイトに公開していたらかわいいJSから曲を作ってくださいとお願いされるメールが来るのではないだろうか?”と言って朝からグラーフさんと出かけましたよ」

 

「長門ェ!!」

 

何考えてんだあの性犯罪艦は!そんなラノベ特有の上手いハナシあるワケねーだろーが!っーか、そんなの仮にあってもただしイケメンに限るだよ!オマエじゃダ………いや、長門はワリとイケメンか、うむ、そこは意外にも大丈夫だったな

 

「チッ!なら武蔵だ!最大!最新!最強の超戦艦武蔵ならあのバケモノも…」

 

「武蔵さんなら今日は薬局に新しいブラ買いに行くとか言って朝から出かけましたよ」

 

「アイツにブラ必要ねぇだろ!っーか薬局にブラってなんだ!包帯か!?新しい包帯買いに行ってんのか!?」

 

どいつもコイツも使えねぇ……仕方ない、あまり気は進まないが、金剛率いるダイヤモンド・フォースどもならあのバケモノもなんとか…

 

「オイ、金剛姉妹は?アイツら暇人だろ?」

 

「たぶん、まだ寝てるんじゃないですか?」

 

「イイ身分だなオイ」

 

俺が身を粉にして働いていると言うに、あのクサレ姉妹どもは……しかしヤツらの実力は本物だ、特に金剛は常に俺の心臓を狙う野心家でもある

 

「アヒャヒャヒャ…っ!ハシ●マルはもう誰にも止められませんよォ!」

 

「やかましい!」

 

夕張は狂気の科学者特有の片手を額に当てて狂ったように笑っていたのでとりあえずヘソに一指拳をブッ刺すと、んほぉ!と言って両膝から崩れ落ちた

 

「誰のせいでこーなってんだ、誰のせいで」

 

「全部私のせいです…っ!」キリッ!

 

「そ・う・だ・よ!全部オマエのせいだよ!」

 

「アギャ!アギャヤアアア!ひた!ひた…っ!ひたひはらないひでぇぇぇ…!」

 

夕張は舌を引っ張られつつも痛い痛いと手で降参のタップをしていた、ついでに、窓の外では運悪く外を歩いていた自称フランスから来た最強戦艦がハシ●マルの前脚?に掴まれてギャーギャー言いながらブンブン振り回されていた

 

「クッ!人類にヤツを止める手段はないのか!」

 

絶望の殺戮マシーン・ハシ●マルに、最早打つ手がないのかと頭を抱えていたその時、執務室の扉をノックし、なにやら黒くてちっこいのが入って来た

 

「遠征したきたから、ハンコ」

 

「ミカァ!」

 

遠征ワクワクスタンプカードを片手に、資材調達の遠征から帰ってきた三日月…っ!俺は三日月の肩を軽く叩き、右の親指で窓の外で最強フランス戦艦をクチバシ的なものでブンブン振り回す巨大な殺戮マシーンを指した

 

「ミカァ、やってくれるか?」

 

「…いいけど、アレなに?鳥?」

 

「デカい鳥だ」

 

俺はロッカーから取り出した鉄パイプを三日月に渡し、三日月はアレがあると提督の邪魔なんだよね?と確認してきたので、俺はやっちまえ!とだけ指示し、三日月は鉄パイプを持ったまま果敢に窓から飛び出した……まったく、すげぇよミカは、強くて、クールで、度胸もある、アイツの背中を見ているとこの先の海へ進めねぇコトはねぇ、俺達は何処にだって行けるって気がしてくるぜ…

 

ーーー

 

三日月の悪魔的活躍の甲斐あり、モビルアーマー・ハシ●マルの脅威は去った…

 

「何か言いたい事はあるか?」

 

「ハハッ!全部私のせいですっ!」

 

執務室の床でニコニコと笑いながら正座するまったく反省の見られない狂気の天才軽巡、マゾ張

 

「スネークバ●トぉー!ですか?それとも怒りのスネークジェノ●イドですか?あ、もしかしてもっと痛いコトですか?」

 

コイツ…今から自分に起こるであろう凄惨なる痛みにワクワクしてやがる…っ!とんでもないドヘンタイだよコイツは

 

「五月雨、ロッカーにダンビラ入ってるから出せ」

 

「ア●ルですか!?それともア●スですか!?ヤるんですね!メチャメチャに!エロゲーみたいに!」

 

「やかましい、ちょっと黙ってろこのマゾメロン」

 

五月雨から受け取ったダンビラを引き抜き、切っ先を今にもメロンエナジースパークリングしそうに息を荒くする夕張に向けた

 

「斬るんですね…っ!龍●閃ですか?龍●閃ですか?龍●閃・旋→凩→嵐ぃ!ですか?」

 

「フーッ〜………みずちィ!!」

 

「………あの、特にナニもないんですが?むしろ、なんか心地よい風が吹いたような…………ブハァ!!!」

 

「お前にも聞こえただろう?風の、清響が…」

 


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