不健全鎮守府   作:犬魚

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今回は導入編で次回から前後編の会議編

【登場人物】

提督(175)
世間体を気にする大人、世間体、大事

五月雨(55)
専業秘書艦、ドジっ子


提督と会議と秘書艦

「上から提督宛ての封書が来てますよ」

 

秋雨前線にウンザリ気味でメランコリックな気分の秋の執務室、意図せずにクソマズコーヒーを淹れるドジっ子の面影を残す青髪ロング子は軍本部から郵送された茶封筒を机の上に置いた

 

「ふ〜ん」

 

「読まないんですか?」

 

「どうせロクなコト書いてねぇんだろ、今日は気分じゃねぇし見なかった事にする」

 

イヤな事はとりあえず先延ばし、ここは様子見と言う名の日本人に多い典型的なアレを使い、俺は茶封筒を机の引き出し………だと忘れるので、とりあえず一日一度は目につく書類ケースに放り込んだ

 

ーーー

 

「あ、そう言えば会議がありますよ、会議」

 

「ふ〜ん」

 

「ふ〜ん、じゃないですよ、クリーニングした制服ありますからちゃんとそれ着て下さいよ」

 

「へいへい、てめーは俺のオカーサンかっての」

 

しかし会議か……とりあえず提出して大丈夫な書類とか報告書とか作っとかないとな、まぁ、俺らみたいな下っ端将校はこーゆーデカい会議では会議場でざわ…ざわ…するのが主な仕事だが…

 

「今年はどうしますか?また私ですか?それとも香取先生にでもお願いしますか?」

 

「そうだなぁ〜」

 

会議に同行させる秘書艦か……去年は鹿島先生に頼もうと思ったが、なんやかんやでコイツだったな、別に五月雨でもいいが、やはり会議に同行させる秘書艦っーとアレだ、やっぱこう…ほら、アレだよアレ、なんっーかブランド物みたいなアレなんだよ!

やっぱデキる将校なんかはみんなキラッキラに煌めく秘書艦連れてんだよ、もうアレな、高級車みたいなモンだよ、例えば同じ五月雨でもどっかの大将の秘書艦の五月雨とか最高グレードのフルオプションの正規ディーラー点検も付いちゃってる感じだよ、あと、かわいい系、頑張り屋でドジっ子の本物の輝きだよ!

ウチの五月雨なんて頑張ってクソマズコーヒー淹れるぐれーしかドジっ子の面影残ってねぇよ

 

「しかし香取先生はなぁ〜」

 

以前、香取先生にも同行して頂いた事があるが……まぁ、うん、些か調子に乗っていた将来有望な若手をSからMに変えてしまい、ちょっとした問題になった

 

「あ、由良さんはどうですか?由良さん、帰りに高い御飯奢るって言ったら来てくれますよ、たぶん」

 

「由良さんなぁ〜」

 

さらに以前、俺がまだ中尉だった頃に由良さんと会議に行き、些かオラついた将校にインネンをつけられ、よりによってヘアスタイルをバカにされたコトにプッツンした由良さんは親でも区別つかねーぐらいグチャグチャに整形する問題を起こした…

 

「お前はどうなんだ?」

 

「別に私でもいいですけど……あ、春雨姉さんなんてどうです、春雨姉さん、かわいいし、大注目ですよ」

 

「別の意味で大注目だよ」

 

あんな白髪のパチモンハルサメ連れて行けるかっての、あんなバケモン連れて行ったらその場で俺共々即射殺だよ

 

「っーかあのヤロウ、いつまでウチにいるんだ?あ?オマエのねーちゃんだろ?」

 

「さぁ?まぁ、本物の春雨姉さんならきっとどこかで元気にしてますよ、今頃マ●オカートでもしてるんじゃないですか?」

 

そういや、こないだの大規模作戦にも敵の中に春雨が交じっていたらしいが……もしかしたら本物の春雨は既に頭の中をイジり回され、身体の中もイジり回され、股間の辺りに淫らな紋章刻まれ、洗脳&調教完了してるんじゃないだろうか…

 

「まぁ、ウチにいる白髪の姉さんも快適ネット回線と歩いてすぐのコンビニで自堕落完了してますけど…」

 

「とんだ堕落ぶりなのだよ」

 

まぁ、本物と同じく夕立と村雨のバカコンビからパシられるのは変わらないようだが…

 

「とりあえずアレだな」

 

「なんですか?アレって」

 

「やっぱ秘書艦連れて行くんだから誰もが羨むメインヒロイン的なのを連れて肩で風を切って歩きたいのだよ」

 

「はぁ?」

 

「はぁ?じゃねーよ、青髪ロング子が」

 

五月雨はナニ言ってんだコイツみたいな顔をしながら冷蔵庫からオレンジジュースのペットボトルを取り出し、自分の分と俺の分をグラスに注ぎ、一つを俺の机に置いた

 

「まぁ、気持ちはわからなくもないですけど、同行する身としてはアレですよ、しょーもないボンクラ中佐の秘書艦とかセレブリティな秘書艦の集まりが眩しすぎて居場所に困るんです」

 

「誰がボンクラ中佐だ」

 

たしかに、秘書艦の社交場的なものを兼ねているので同行する身としてもアレだろう、セレブリティな秘書艦は会場の真ん中でマイ●ンのカップで優雅にティー、セレブリティでない秘書艦は会場の隅っこで紙コップ片手に上司の悪口、艦娘とは言え女社会の闇は深い…

 

「ま、誰も行きたくないなら私が同行しますので、テキトーに誰かに声をかけてみたらどうですか?浜風さんとか」

 

「バカヤロウ、浜風ちゃんにそんな惨めな思いさせるワケねーだろーが」

 

「その優しさをもうちょい私にも分けて欲しいものですね」

 

◆◆◆

 

偉大なる航路のどこかにある深海棲艦の深海秘密基地…

 

「ハルサメチャン!?コノげーむヲヤリコンデイルナ!?」

 

「さぁー?どうでしょうかー?」

 

集ちゃんさんこと集積地棲姫さんとのマ●オカート勝負、このゲームは夕立姉さんや村雨姉さんに散々ボコられたのでちょっと自信があります!

 

「スゲェ!SYUガ負ケソウダ!」

 

「マッタク!俺タチノハルサメチャンハ最高ダゼ!」

 




地味に、誰でイクのか未だに考え中………誰にすっか

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