【登場人物】
提督(182)
トレンディ大尉、若さとはキラッキラ
香取先生(15)
トレンディ練巡、その指導はアツくハゲしい
鹿島先生(15)
ドエロスボディに定評のある練巡、ツッコミ不要
「提督、先日実施した駆逐艦の子達の進路希望調査をお持ちしました」
朝晩に寒いなチクショウと呟く秋の日、執務室で書類仕事をしていると、今日も眼鏡が素敵な香取先生と、妹の鹿島先生が執務室へとやって来た…
「これはこれは先生方、お疲れ様です、先日から面倒な仕事をさせてしまい申し訳ありませんなぁ」
「そんなコトはありませんよ、ねぇ鹿島?」
「え?あ、うん…いえ、はい!正直、提督が居なくてもワリとなんとかなるって言うか…」
定例会議から先日迄まで入院している間、先生方には御迷惑をおかけしただろう、ここはやはり大人として先生方を食事にでも誘い日頃溜まっているウッフンを発散する場を一席設けないとな…
「あれ…?提督、今日は五月雨さんは休みですか?」
鹿島先生はいつもの席に座ってない青髪ロング子の代わりに置かれたく●モンのぬいぐるみを手に取ってみる
「えぇ、今日は休暇を取って夕張と近所のイ●ンモールにに行くとかなんとか…」
「へぇ〜、あの二人って仲良いんですね」
「えぇ、好きな音楽のジャンルは知らない仲なそうですが」
「は…はぁ?」
まぁ、好きな音楽のジャンルは知らないが変なところで気は合うらしいので問題ないのだろう、鹿島先生は曖昧な笑みでそうなんですかと呟いたが、そこはやはり鹿島先生、笑みは曖昧でもそのドスケベボディは曖昧ではなくメリハリが利いておられるのだよ…
「それで?進路希望調査と?」
「はい、先日実施しました進路希望調査ですが、こちらにまとめております」
「ふむ…」
エレガントに香取先生が手渡してくれた書類を手に、とりあえずパラパラとめくってみたが…………
進路希望調査とか頼んだっけかな?あ〜…そういやなんか前に先生とそんな話したっけかなぁ〜…あ〜…うん、したした、なんか夏前に居酒屋的なトコで新時代の教育についてアツく話し合ってた時、なんか微妙に覚えがあるわ、うん
香取先生曰く、いつまでも軍のような組織に縛られる必要は無く、未来ある子達は将来に向かって目標を持つべきであり、我々はその“黄金”のような“夢”に向かう子らの背中を少し後押しするのが本当にあるべき教育の姿だとアツく説いてくれた……まったく、香取先生はいつだって俺をアツくさせてくれる…ッ!先生のような真の教育者に時に厳しく、時に優しく指導される駆逐艦のクズどもには殺意すら覚えるね!俺は!
「ふむふむ、え〜…まずは暁ちゃんか…」
【暁:アーマーロ●ド・レディ】
「ヒュー!」
さすが暁ちゃんだ!目指すレディの難易度が宇宙一高いレディだぜ!ただ、暁ちゃんよ、提督としては暁ちゃんには暁ちゃんらしくノビノビと育ってくれて欲しいね!
「しかし、そんな暁ちゃんを提督は応援したい」
「素晴らしいお考えです、提督」
「え?……あの、提督、香取姉ぇ……じゃない、香取姉さん、それ進路とはちょっと違う気が…」
「ではドンドンいきましょう、ドンドン」
【吹雪:メジャーリーガー】
【綾波:スーパーサ●ヤ人】
【朝潮:超大型●人】
「…ふむ」
どいつもこいつも“夢”があって大変よろしい!こう…アレだな、クソガキ特有のキラッキラの“夢”とはかくも眩しいものか…へへっ、汚れちまった大人のオイラにゃコイツのキラッキラが眩し過ぎるぜ
「しかしアレですな、難しいとは思いますが………自分を信じて“夢”を追い続ければ“夢”はいつか必ず叶う!」
「素晴らしいお考えです、提督……この香取、提督のお考えに感動しました」
「や、どうかな…?あの香取姉ぇ?メジャーリーガーはまだいいとして、スーパーサ●ヤ人も超大型●人もちょっと難しいじゃないかな…って」
「何を言っているの鹿島、私達が、私達指導者がそんな弱気でどうするんですか!姉さん感心しませんよ!」
「え…?いや、常識的に…」
「鹿島」ニコッ
「…な、なんでもないです、なんでもありません」ガタガタ
鹿島先生はへへっ…じょ、冗談だよ、冗談だよ香取姉ぇと言いたげに小刻みに震えているようにも見えるが、もしかしてアレだろうか?小の方でも我慢しておられるのだろうか?
「あ、コレなんて可愛いらしいですよね!夢があって!」
【白露:お嫁さん】
「オイオイオイ…マジかよ白露姉ちゃん」
「えぇ、これは少し厳しい指導が必要ですね」
「なんでッ!?提督も香取姉ぇもなんでそこは応援してあげないの!?」
しかしさすがはヤンチャボーイズに定評のある白露姉妹の頂点に立つ白露姉ちゃんだ、神をも恐れぬ最高にロックな進路希望…っ!
【時雨:常に勝つ僕の進路は常に正しい】
【夕立:ガン●ム】
【村雨:ガン●ム】
【春雨:ガン●ム】
…そしてあのバカどもはどんだけガン●ムになりてーんだよ、バカか?バカなんだな?バカでいいんだよなッ!
「時雨ちゃんの進路もどうかと思いますけど…」
「提督、こちらもなかなか夢が溢れてますよ」
【清霜:勝者じゃなくて勇者!】
【りべ:セリエAのスター選手よりギャングスター!】
知ってた、さすがはこのアホどもはひと味違うスパイスだってコトは提督は見なくても知ってた
とりあえず、ひと通りパラパラと見てみたものの、他にもケーキ屋さんだのプロ野球選手だのF1ドライバーなど、どいつもこいつもキラッキラの“夢”に溢れている、むしろ、思ったよりお嫁さんと書いてヤツが多いのに提督的には驚きを禁じ得ないのだよ
ーーー
「提督、珈琲を淹れましたので……どうぞ」
「やや!これはこれはありがとうございます」
やや疲労感を感じつつある俺の気分を的確に察し、少量の糖分を加えたクリィーミィなコーヒーを淹れてくれる、まったく、香取先生はどこまでも素敵な先生だ
「…む?この仄かに感じる香り…薔薇ですな?」
「えぇ、少し薔薇のエッセンスを…」
まったく、香取先生は常にエレガントでいらっしゃる…
「ハッハッハ、香取先生にはかないませんなぁ、ハッハッハ」
「まぁ、お褒め頂いてもこれ以上は何もでませんよ」
「うわ…相変わらずイラっとくるわ、このトレンディ小芝居」ボソッ…
「鹿島、今なにか言った?」
「なんでもありません!何も言ってません!サー!」