不健全鎮守府   作:犬魚

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遅くなりました②

【登場人物】

戦艦棲姫
通称、ダイソン、今回はなんと初戦海域から登場してる


第二遊撃部隊、抜錨!②

「あ、クソ!コイツつえーな…この!このっ!」

 

「なにやってるんですか?」

 

「ご覧の通り、ス●2だが?あ、クソ!あー…負けたじゃんよ」

 

作戦海域絶賛開催中の秋の執務室、俺は執務机の上に置いたテレビにゲーム機を繋ぎ、アツいストリートファイトに興じていた、男には急に拳を天に向けて突き上げたくなる時もあるのだ、昇●拳、波●拳、竜巻旋●脚、これだけできればスーパーヒーローの仲間入りだろう…

 

「作戦部隊の様子を見なくていいんですか?」

 

「大丈夫だろ、なんたって旗艦は初春様だぞ?初春様、そんじょそこらのヤワな駆逐艦とはオーラが違うからな」

 

「まぁ、ヤワかヤワでないかはどうかと思いますがオーラはアレですね」

 

「だろ?たぶん最低でも千年は生きてるな、初春様は」

 

おそらくは名の知れた大妖怪と言われてもなんら違和感がないからな、初春様は…

 

「まぁ、とりあえずあっちの様子でも見てみるか…たしかアブ沢くんがカメラ係だったな」

 

「阿武隈さんですね、由良さんの妹の」

 

そんな名前だったか?まぁ由良さんの妹の名前などどうでもいい事だが…とりあえず俺はテレビのリモコンを手に取り現場の状況を映しているであろうチャンネルのボタンを押した

 

 

『ダウンッッッ!!足柄ダウンッッッ!!』

 

『立てなーいッ!足柄立てなーい!!』

 

『立て!立つんだ足柄ァ!天使のように細心に!悪魔のように大胆にだー!』

 

 

え…?ナニこれ?なんか足柄がKOされてるんですけど…?え?ナニこれ?エンターテインメント?

 

「足柄さんがKOされてますね」

 

「あ、あぁ…そうだな」

 

とりあえず、現場に状況でも確認してみるか…

俺は電話機を手に取り、ビデオ係のアブサムくんのケイタイに電話してみるコトにした…

 

◆◆◆

 

深海きってのタフ・ディフェンダー、戦艦棲姫…

そのタフ&ハードなディフェンス力のイメージに隠れがちではあるが、なかなかのハードパンチャーでもある

 

ある日、深海コンビニで深海からあげと深海ビール(6缶パック)を購入した戦艦棲姫は自らの今後について考え直していた、実家からはいい加減フラフラしてないで実家の深海軟弱野菜の栽培を手伝えだのアンタそろそろケッコンとか考えないかだの言われ、戦艦棲姫的にもそろそろ年相応に落ち着いた方が良いのではないだろうか…

いつまでもシズミナサァイ!だの言ってても仕方ないのでは?

 

『もう私のカラダはボドボドな気がする…』

 

そんな事を考えていたその時、深海秘密基地内にあるキモい鳥みたいな新型艦載機小屋の前を通りかかると、なんかいつの間にやらウチに居た芋っぽい軽空母みたいなのがキモい鳥に餌をやっていた

 

『キモくないです、ほら、よく見てください、この歯並びとか可愛い系です』

 

いや、どう見てもキモい、そう答えた戦艦棲姫だったが、キモイ鳥が放り投げられた餌にパクついた瞬間閃いた!戦艦棲姫の脳内を駆け巡る!β-エンドルフィン!チロシン!エンケファリン!バリン!リジン!ロイシン!イソロイシン!………自らの仕事について思い悩んでた戦艦棲姫、起死回生のニュースーパーブロー…ッ!

 

ーーー

 

『名付ケテ……キモイバードブロー』

 

全ては、この一撃の為ッ!!伝説の狼を沈めた渾身のスーパーブロー、それがこの技の名…ッ!!

なんか芋っぽい軽空母、護衛棲姫が飼育しているキモイ鳥に餌をやってる姿から閃いた必殺の一撃、執拗にボディを狙い撃ち、ガードが下がったところで開いた顎に渾身の一撃を叩き込む戦艦棲姫最大のスーパーブロー

 

「足柄!足柄立てるか!?足柄立てるか!?」

 

「アーッと!足柄まだ死んでない!足柄はまだ死んでない!」

 

戦艦棲姫渾身のスーパーブローを受け、大の字に伸びていたはずの足柄はフラフラと立ち上がり、再びファイティングポーズをとった

 

『オイオイオイ………マジカ』

 

「ゴバァ……!!ハァ…ハァ…今のは、効いたわ…」

 

◆◆◆

 

「開幕戦からなかなか見応えのあるナイスファイトでしたね」

 

「あぁ、正直提督的にもビックリなのだよ」

 

作戦的には初戦海域突破を勝利で飾った形だが……まさか初戦からこれほどハードな殴り合いになるとは思わなんだな

結果的に、足柄は立ち上がりはしたものの大破まで追い込まれており、まだやれると首を振ったものの初春様のMIYABIなタオルを掛けられ、後は任せよと諭されてそのまま大破KO

残った敵戦力は初霜クンのナパームスト●ッチで海の藻屑となった…

 

「フーッ〜…まぁ、勝つには勝ったが、この先が心配になるな」

 

「そうですね」

 

「…ま、とりあえず次の海域への準備でも考えるか、五月雨、コーヒーくれや、戸棚にインスタントがある」

 

「ご自分でどうぞ」




次回は生クリームを上の口から流し込む話

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