不健全鎮守府   作:犬魚

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圧倒的カリスマ!恐怖の将!!

【登場人物】

提督(189)
作戦期間中でも一杯のカミュを求めに行くまっことクズ

龍田
天龍姉妹の妹、頭によくわからない輪が浮いているが誰もその正体は知らない


提督と龍田とナイトクラブ24

鎮守府内に存在する煌びやかな光を放つ夜の店、ナイトクラブHO‐SHOW…

 

『HO‐SHOWへようこそロミオー!』

 

軽空母、鳳翔がオーナーを務めるこの店は決して、キャバレーナイトクラブ、略してキャバクラではない

薄い酒と安いツマミをおっぱいの大きな女が勧めてくるだけの店だ…

 

「フーッ〜…ぼちぼち順調らしいね、ボーイ」

 

「ボーイはやめてくれよママ」

 

相変わらずカウンターで妙に長い煙管からプカプカとケムリをふかすビッグママこと軽空母の鳳翔は今日はわりかし暇そうに基地スポを眺めていたので、俺は小粋なテイトクアイサツをしてテキトーな空いている席に座りタバコに火を点けた

 

「フーッ〜…」

 

「あらぁ〜…テイトクじゃないですかぁ〜、お久しぶりぃ」

 

「お、お前は………TATSUTA!?」

 

今宵、俺の席へとやって来たのは天龍姉妹の妹の方、龍田ッッッ!!過去、何度か天龍からその存在を示唆されていたものの今まで姿を現す事のなかった伝説の軽巡…ッ!!

や、まぁ、普通にうちに居たんだけど…

 

「お隣座っても?」

 

「構わんよ」

 

…この龍田、俺のマジダチである天龍と違い、比較的まともな感性の持ち主らしく、未だ中二病から抜け出せずにいる天龍を温かく見守ってくれているらしい

 

「何をお飲みなりますか?」

 

「そうだな、とりあえずビー……いや、ブランデーを貰おうか」

 

「ブランデーですねぇ」

 

…ニコニコと微笑みを浮かべつつ、流れるような動作でグラスにX●を注ぎ、ごくごく当たり前のように俺の前にグラスを置く龍田…ここまでは完璧ッ!いつものグダグダ感をまるで感じさせない圧倒的完璧ッ!

 

「…君も何かどうかね?」

 

「いいんですかぁ?では………私もブランデーを一杯頂きますね」

 

「あぁ…」

 

コイツ、なんかやっぱ最初は乾杯したい俺の気分を的確に察し、ごく自然な流れで己のドリンクを俺に頼ませるとはな、龍田、大したヤツだ……この手練れ、おそらくは阿賀野すら上回るHO-SHOWランキングの上位ランカーと見た!!

 

「じゃ、お疲れー」

 

「お疲れ様で〜す」

 

俺達のグラスが鳴り、戦いの火蓋が切って落とされた、面白い…見せて貰おうじゃないか、HO-SHOWランキング上位ランカーの実力とやらを、先に言っておくが龍田よ、この先、俺に隙はない!貴様は本日の時給と一杯のドリンクバックだけを持って部屋へ帰る事になるだろう………

 

ーーー

 

1時間後…

 

「やだぁ〜…テイトクさんオトコマエぇ〜♪」

 

「よぉ〜し!パパ今日はボーナス全部使っちゃうぞォ〜!ギャハハハハ!!」

 

「テイトクさんテイトクさん、こっち見て、こっち、はい、ピース♪」

 

「アヘェ…」ダブルピース

 

「やだもぉ〜」

 

勝てませんでしたぁ〜………なんだよコイツ、しゅごいよぉ…天龍の妹だからって油断してたよぉ、天龍のアホなんかと女としての完成度が全然違いしゅぎるよぉ〜、パーフェクトラージナンバーだよぉ〜

 

「あ〜………飲み過ぎた、ちょっと便所行ってくるわ」

 

「大丈夫〜?歩ける〜?」

 

「ダイジョーブダイジョーブ」

 

俺は鍛え抜かれた三半規管を頼りに、しっかりと床を踏みしめてトイレへと入り、ジッパーを下ろして猛る己自身から欲望を解放する………まぁ、ただのションベンなんだが

 

「さて…」

 

とりあえず、鏡の前で財布の中身を確認する

正直、少々調子に乗りました、はい、ホント、チョーシに乗りました、サーセン、まさか龍田がこれほどの実力者とか思ってませんでした、正直、阿賀野に毛が生えた程度だろうと思ってたが、予想を遥かに超えるとんでもない量の剛毛だったよ、もう龍田から見た阿賀野なんてパ●パンだよ!ツルツルのスケスケ、ツルスケじゃねーの!と言いたいぐらいだよ!

 

「とりあえず、現金払いでなんとかなりそうだな…」

 

さすがにコレ以上はヤバい、ちょっとコンビニ行って来ていいっすか?の領域になる、よし、あと1セットだけ、あと1セットだけにしよう、龍田のヤツもわりと飲んでたし、もう飲まないだろう、うん…

 

「よし、行くか…」

 

…ひと心地ついたし、そろそろ狩るか

 

ーーー

 

1時間後…

 

「ドン・ペリィー入りまぁーす!」

 

「テイトクさんオトコマエぇ〜♪」

 

勝てませんでしたぁ………なんだよコイツ、とんでもない女だよコイツ、マジであの天龍の妹か?天龍って言ったらアレだぞ?“オレの侵略ぅ!レ●ドゾォォォン”とか言ってドルンドルンしてるだけのただの中二病だぞ?物事はだいたいカードファイトでなんとかなると思ってるイタイだけのヤツだぞ…

 

「フーッ〜…あ〜飲んだ飲んだ」

 

「テイトクさん、はい」

 

龍田は請求書の挟んである黒革のバインダーを俺の手元にそっと置いたので俺はスタイリッシュに中身を確認する………だよなぁ、うんうん、まぁ、こうなるよな…ちょっとアレかな?かすみ目かな?なんか0が多い気がするな

 

「………あの、龍田ちゃん」

 

「はい?」

 

「カード使えるかな?」

 

「天龍ちゃんのハマってるカードじゃなかったらOKですよぉ〜」

 

小粋な龍田ジョークを交えつつ、俺のカードをスタイリッシュに受け取った龍田はママにカードでお願いします、あ、領収書の宛名はいらないですぅ〜と伝えた

 

「ありがとうございましたぁ〜、また来てくださいねぇ〜」

 

◆◆◆

 

「…と、言うコトがあってな、ターンエンド」

 

「ドロー、ふ〜ん、そういや最近龍田がコート買いに行きましょとか言ってたっけな」

 

昼下がりの談話室、俺と天龍と木曾はアツいカードファイトをしながら負けたヤツはマインドクラッシュするルールで遊んでいた

 

「お、きたきた!オレの風がビュービュー吹いてきたぜ!」

 

…う〜む、天龍はこんなにアホなのにな




次回は前半戦最終海域!

アツかりし友情!努力!勝利!

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