【登場人物】
扶桑姉妹
姉様と山城による姉妹コンビ、必殺技は艦橋ドッキング
海峡夜棲姫
海峡姉と海峡妹による姉妹コンビ、必殺技は海峡ドッキング
最終海域、スリガオ海峡沖…
「ヘーイ、コイツですか?ワタシがDIEしていいゴミはー?」
金剛率いる連合艦隊による殺戮のパレードに始まり…
「“ムカつき”が止まんねーよ…」
妙高姉妹の次女、那智率いる元気ブリバリでゴキゲンな志摩艦隊による海域の集団暴走暴走行為に続き…
「キタ!!絶対王者!西村艦隊だ!」
「オーラパネえ!!」
「最終海域だってのにあの落ち着きぶり、やっぱ王者の風格があるぜ…」
スリガオ海峡深海海峡旗艦艦隊に挑むのは今回のゲームの為、入念に準備してきた扶桑率いるチーム西村艦隊、本来なら、山城が今回のチームを率いるに相応しいらしいが、謙虚な山城は姉様を差し置いて旗艦などあまりにも畏れ多いと扶桑に譲ったそうな…
「…さぁ行きましょう、私達の青春はスリガオとの青春、私達は今日、その青春に決着をつけるのよ」
「嗚呼姉様、なんて凛々しい御言葉を……っ!この山城、涙が……熱い涙が止まりません」
◆◆◆
「行ったか…」
「えぇ、行きました」
今日はなんかちょっと違う日、出撃して行ったチーム西村艦隊ども見送った際、朝雲、山雲、満潮、フッ…どいつもこいつも男の顔をしておったわい、おそらくはこの死闘、歴史に残る名勝負となるだろう、俺はチーム西村艦隊の名前が刻まれた蝋燭を前に確信していた…
「なんですか?そのロウソク…」
「これか?これは寿命蝋と言ってな、この蝋燭の火が消えた時、その者の寿命が尽きるのだ」
「また変なルーレットといい、不吉なモノを…」
「バカ言うんじゃないよ、これはほら、アレだよアレ、親心ってやつなのだよ」
ちなみに五月雨の言う変なルーレットとは、出撃前のチーム西村艦隊に提督からのアツい心尽くしのつもりで用意したアイテムで、盤面には99の“勝利”と1つの“死”が刻まれており、勝利以外に針が止まることはまずないだろう景気付けアイテムである、まぁ、姉様が回したら針は“死”で止まったんだが…
「出撃前に士気は下がりましたけど提督に対する殺意は上がりましたね」
「俺は悪くない」キリッ!
「そうですか………あ、そろそろ海域の最奥に着く頃じゃないんですか?テレビテレビ」
「む、そうか…」
◆◆◆
『オイオイオイ…』
『死ンダワ、俺』
『マサカ……全員“ゾーン”…ダト?』
VSスリガオ海峡深海海峡旗艦艦隊との激突、夜→昼の昼夜逆転の変則的な流れとなる今回のゲーム…
五月雨曰く、今回の時雨様はまだボクサカとかズガタカとか言い出す前の綺麗な時雨クンに戻っているらしく、チームの力を最大限に引き出す時雨クン本来の能力により、チーム西村艦隊は限られた天才しか入れない極限の集中状態、ゾーンに限りなく近い状態に全員が入っていた
「朝雲ナッコオ!」
『ブベラァ!?』
「山雲ドライバー!」
『オブシッ!!?』
その破壊力は尋常ではなく、駆逐艦のキッズ達ですらあの戦艦ル級をまるでバターやチーズのように裂き、それはそれは美しい丸みを帯びたオブジェを作るように深海の仲間達を叩き潰してゆく………しかしッ!!
『ココ…ハ…トオレナイシ……トオサナイ……ヨ……ッ!』
『海峡夜棲姫クン!』
『海峡夜棲姫クン!』
スリガオ海峡を守護する謎の艦種、戦艦姉妹!海峡夜棲姫は姉妹ならではの息の合ったコンビネーションで限りなくゾーンに近い状態に入っている筈のチーム西村艦隊に切迫していた
『フフフ…私達仲良シ姉妹ノこんびねーしょんハ無敵ヨ』
『…ソウネ、私達ノ仲良シニハ勝テナイワ』
海峡夜棲姫から感じる抜群のタッグパートナー感………それが、扶桑姉妹のPRIDEに火を点けた
「フッ、何が仲良し姉妹よ、この2Pカラー風情が……私と姉様の前に滅びるがいいわ」
「…そうね、山城、私達も仲良しだものね」
戦艦姉妹海峡夜棲姫と扶桑姉妹、どちらが本物の仲良し姉妹か、互いの妹はアツく!ハゲしいメンチビームをバチバチと撃ち合いながらア"ァ?殺すゾ?だの殺しちゃうゾ?だの言いながら軽く拳を当てて距離を取った…
『ハラハァー!!』
「ショラァー!!」
まずは山城と海峡妹がハゲしくブツかり合い、おそらくは金的以外の全ての反則が使用される凄惨なファイトとなった、しかしこれはあくまで姉妹のPRIDEを賭けたタッグマッチ…ッ!!
「死ねっ!!艦娘絞殺刑ーッ!!」
『ウゲェ!?タ……タスケ!タスケテ姉様ァ…タスケテェ…』
『…ヤメテ頂戴』
海峡妹のピンチに、海峡姉はトゲトゲアームでそのピンチをカットして救出した
『…大丈夫?』
『ウゲェ……クッ、アリガトウ姉様、姉様!アレヲヤリマショウ!』
『…アレヲ使ウノネ………ワカッタワ』
海峡姉妹は背中合わせのように立ち、姉が妹を背中合わせの体勢で担ぎ上げる、その姿はまさにキラメキの流血列車!凶悪なロングホーンを突き刺さす死のトレイン
「どこまでも舐めた真似を………姉様!私達も!」
「…山城もアレがしたいの?ふふ、そうね、昔はよく姉様姉様とおんぶを強請ったものね、懐かしいわ…」
扶桑姉妹も海峡姉妹と同じくロングホーント●イン発進態勢スタンバイ、その姿たるやまさに勝利のイマジネーションすら彷彿させる死の超特急
「死ねェェェェェェェ!!!」
『地獄ニ行ケェェェェェ!!!』
正面からぶつかり合うロ●グホーントレインVSロングホーント●イン!!その破壊力は一方的に喰らえばただでは済まないのは確実ぅ!………だが
「うぎゃああああああああ!!」
『ウギャアアアアアアアア!!』
ロン●ホーントレイン正面衝突事故で、山城と海峡妹は互いに大ダメージを負って転げ回った
◆◆◆
「…なにやってんだ?アイツは」
「たぶんアレじゃないですか、同族嫌悪的な」
「あぁ、そんな感じな」
執務室のテレビで現場の様子を見ていた俺と五月雨、五月雨が先日買ってきたお徳用の一口チョコでも開けましょうかと言って棚から出してきたので俺は一つ取って口に放り込んだ
「しかし強いな、あの2Pカラーみたいなヤツら」
「そうですね」
夜→昼となると時雨クンのマグナムフィニッシュも難しい、どうやらこの戦い、あの姉妹に託すしかないようだな…
次回は②
死闘のタッグマッチを制するのは姉妹か姉妹か