後編です
【登場人物】
PolaとZaraねーちゃん
見た目だけなら超絶美少女の闇は深い…
14と13ちゃん
見た目だけなら健康的美少女の闇も深い…
明石と山風
クズ大人とわりと素直な子供、栄光のロード!明石キングダム
幻の一番艦、白露姉ちゃんに別れを告げ…再びパーリー会場をさまよっていると、オシャレかつ大変魅力的な装いでゴキゲンな様子の8っちゃんさんが居たので、俺は紳士として爽やかに“よっ!8っちゃんさん!その服似合うねぇ!オジサン興奮しちゃうよ!”と気さくに声をかけたらただ一言“…ケダモノ”とだけ言われた………まぁ、それはそれで興奮しちゃったネ…
『俺達が目指すのはjust now!勝者じゃなく勇者だろ♪』
『ウワアアアァァァァァ!!』
酒と料理とプレゼントと狂気が行き渡った会場…
壇上では既にバカどもがカラオケ大会を開始しているらしく、炎をバックに空を飛ぶ加賀の歌を聞いた那珂のPRIDEが真っ二つに裂かれて膝をついていた…
「あ、テイトクだ〜…」
「ホントだ!テイトクだ!テイトクウェーイ!ウェーイ!」
「ゲッ!ポーラと14か………っーか、酒クサっ!」
当基地きっての工業用アルコールモンスター、ポーラと14がウェイウェイが言いながら左右から俺の肩に手を回してきた、っーか酒クセェ!なんだコイツら!!美少女特有の良い匂いなんざまったくしねぇ!!メチルアルコール臭…ッ!圧倒的メチルアルコール臭…ッ!
「テイトクも〜…ポーラたちと一緒にぃ〜飲みませんかぁ〜?」
「今なら14のおっぱい触りホーダイプランがなんと月々3000円からー!って…ギャハハハハ!」
「息が臭い、喋るな」
半裸の美少女二人組にグイグイこられると言うのは普通に考えれば最高にHOTな状況であり、こんな時こそ頭と股間は最高にCOOLにするのが紳士だ……っーか酒クセェ!マジで
「いよっし!テートクぅ!今から三人でプロレスごっこしよ!プロレスごっこ!」
「いいですねぇ、ポーラはレッグスプレッドとか得意ですよぉ〜」
「うるせぇよ、っーか顔が近い、あと息がクサい」
14とポーラはゲヘヘヘとまるで蛮族のような笑いをあげて、さぁープロレスリングだプロレスリングだーと言いながら俺をグイグイと引っ張る………そこへ
「へぇ…プロレスごっこね、私も仲間に入れて貰おうかしら…」
「え?」
にこやかに笑うザラはポーラの腰を背後から両手で抱え、へそのあたりでしっかりとクラッチさせて体をブリッジさせる勢いで体を後方へと反り投げられポーラは脳天から床に叩きつけられた
「ドヘァァァァ!?」
「ポーラサンーッッッ!!ウゲッ!?」
「…14ちゃん、14ちゃんも……少し、大人しくしよう、ね?」
「ね、ねーちゃ……!!」
13ちゃんは強烈な力で14の頭を自分の股の間に挟み込んで胴体を両手で抱え込み、腕を14のへそのあたりでクラッチして体を垂直に持ち上げながら勢い良く尻餅をついて14の脳天を床に叩きつけた
「ポーラ…ポーラ?ねぇ?ポーラ?いい?私が怒ってるのはね?ポーラの心の弱さなの、そりゃ今日は楽しいクリスマスだものね?ちょっとぐらいハメを外してもいいと思うの…」
「ねぇ14ちゃん……14ちゃん?なんでお姉ちゃんの言うコト聞いてくれないの?ねぇ?わかってる?ねぇ?14ちゃんお姉ちゃんちょっと14ちゃんを甘やかしすぎたかもね…」
ザラ姉ちゃんと13ちゃんはアイアンクローで愚妹どものキレーな顔を掴み上げ、往復ビンタで頰を打ち、ポーラと14はそのままズルズルと会場の隅へと引っ張られて行った……
ーーー
「クックック……どいつもコイツもセールと言う単語に釣られて財布の紐が緩みよる、クリスマス商戦サマサマじゃわい…」
「…明石さん、オレンジジュースあるよ」
「まぁ!?ありがとー山風ちゃん!お姉さん嬉しいわー、マジ嬉しいわー」
………当基地きってのクズ大人、明石は尊い!山風ちゃんマジ尊いわーとか言いながら受け取ったオレンジジュースを呷り、悪魔的美味さだ…っ!とか言っていた
「よぉ、クズ」
「提督にだけは言われたくないですね、メリークリスマス」
「メリークリスマス」
俺と明石はメリークリスマスと言う名のスタイリッシュ挨拶を交わしガッチリとアツいシェイクハンドもかわした
「しかし随分と景気が良さそうじゃないか淫乱ピンク、そんなに儲けてんのか?」
「まぁ…ボチボチですかね、ようやくエミューが食卓に並ん……」
明石は慌てて美味いわー、このチキンマジ美味いわーと言いつつ山風の視線に気にしながら俺にバチコーンとウィンクしてきた…
明石の野郎、山風の可愛がっているエミューを“出荷”し、既にこのテーブルに並んでいる大人的事情を敢えて伏せようと言うワケか、まぁいい、工作艦明石!その大人的配慮に俺も乗ってやろう
「あぁ、やっぱチキンは死に立てに限るな!」
「ですよねー!あはははははー」
まぁせっかくの楽しいクリスマスパーリーの夜だ、子供は良い“ユメ”ってのを見る権利がある、汚い大人である俺も明石も見る事が出来ないユメってヤツをよ…
「よし!山風!明石が肩車してやるってよ!肩車!」
「…え?」
「よっしゃバッチコイですよ!バッチコイですよ山風ちゃん!」
明石はスタイリッシュに屈み、よっしゃ来いと手を叩きヘイヘイ!遠慮なんかするなガールと言ってさらに手を叩いた、まぁ、心なしか山風は引いているように見えるが、やはり子供、肩車の誘惑には敵わないのであろう、ちょっと遠慮がちに明石の肩に跨った…
「フンオオオオオッッッ!!」
「…明石さん、大丈夫?」
「だ…ダイジョーブ!全然ダイジョーブですよこの……くらい…ッ!!」
膝をガクガクしながら立ち上がる明石………コイツ、どんだけ貧弱なんだよ、貧弱すぎるだろ
「…わわっ!?」
膝ガクガクの安定性の悪さにバランスを崩した山風は明石の肩の上で明石の首を両足で締めつけながらグルリと身体を回し、そのまま膝を崩して仰向けに倒れる明石の顔面に強烈なGの乗った肘を叩きつける型で落下した!
「ガバァ!!」
「…明石さん!?ごめ…明石さん?」
「 」死ーん
あれは死んだな、まさかこんなところでエンメイリュウを見るコトになるとは…
ーーー
「お疲れ様です」
「よぉ」
ブラブラする事に疲れ、いや、正確にはブラブラしていたらバカどもに絡まれる事に疲れた俺は会場の外に出て煙草を吸っていると、髪の長いのがぬらりと現れた
「もう食べないんですか?」
「食ったさ、ハラいっぱいだぁ」
「そうですか」
青髪ロング子こと五月雨はケーキにフォークを入れ、さっさと食えばいいものをチマチマと食っている、女子か?あ?女子か?
「俺はもう帰るわ、バカどもにはあんまチョーシに乗るなってそれとなく伝えといてくれ」
「それとなくですね、無駄でしょうけど」
「フーッ〜………無駄だろうなぁ〜…」
次回はたぶん年内、たぶん