【登場人物】
提督(195)
とりあえず宝箱開けてタイダ●ウェイブで即死した
夕張(31)
狂気の天才メカニックM、Mではあるが誰からでも良いワケでないM
「新しい装備を開発しました、ハッキリ言って自信作です」
クリスマスが終わった瞬間年の瀬が迫る世間同様、年の瀬が迫った冬の執務室…まぁ、年の瀬だからと言って基地的にはなんと言うコトでもなく通常営業なのだが…
そんな通常営業中の執務室に今日も制服の丈が合ってないダメメロンが自信に満ちた笑みを浮かべてやって来た
「ハッキリ言う、気に入らんな」
「まぁまぁ、まずは見てから言ってくださいよ!今回はマジスンゴイですよ!来年ってか今年こそ深海の命日オブジイヤーですよ」
「やかましい」
今年もあと一週間切ってんのにナニ言ってんだコイツ、イカレてんのか?いや、イカレてるんだったな…
夕張はスンゴイですよースンゴイですよーとヘラヘラ笑いながら今回のビクーリドキーリメカ!カマァーン!と言って無駄にデカいシートを捲り、シートの下からなんか前にも見た事があるきっしょいマシーンが姿を現した!
「名付けましてオ●ガ改です」
「…足があるな」
「足なんて飾りです」
………オ●ガ改ったか?コイツ、っーかオ●ガって言ったらアレだよな、以前、どっからか拾って来たのを修理したとか言ってた制御不能の殺戮の為のマシーンだよな(第101話参照ですって!)
あの時はたまたま執務室を訪ねてきた長門の鉄拳のおかげで事無きを得たが…
「こちらのオ●ガ改ですが、以前の古代殺戮機械オ●ガに比べレベル以外の全てのパラメータがオ●ガを上回っており、ただでさえ強かったオ●ガを超えるその強さはまさに相対する者全てに絶望を与えてくれます!もう生まれて初めて心の底から震えあがらせて真の恐怖と決定的な挫折をさせて恐ろしさと絶望に涙すら流させます!」
ガショーン…という微妙な駆動音の鳴る中、夕張はオ●ガ改の素晴らしい性能を力いっぱい説明している…
「このオ●ガ改!火炎放射、波動砲、マスタードボム、ロケットパンチ、ブラスター、アトミックレイなど多彩な攻撃手段にさらなる進化、バリアチェンジを加え、弱点属性を変える事が可能です!」
ガショーン!!
「すごいな」
「えぇ、これほどゴキゲンなメカはそうはありませんよ、そうは」
夕張は無い胸を張り、誇らしげに鼻を鳴らした
「で?コレ、改ってぐらいだから制御はできんのか?」
「え?できるワケないじゃないですか?」
ビタンッ!!(マグナムビンタ)
「まぶちッッッ!!」
「何故そこを頑張らないんだオマエはァァァァァ!?ヤバい殺戮マシーンがさらにヤバくなっただけじゃねーかァァァァァ!!」
俺のビンタで床に転がった夕張はちょっと嬉しそうな気色の悪い笑みを浮かべて立ち上がった
「ちなみにオ●ガと同じく壊れるまで止まりません、むしろこのオ●ガ改は一体なんなのか?誰が、いつ、何の目的で作りあげたのか、そもそも改ってコトは誰かが手を加えているハズですがその一切が不明なまさしくオーパーツ的なナニかです」
「ナニがオーパーツだ、オパンツ見せろよこのヤロウ!」
「オーパーツです、って!ちょ!スカート!スカート捲らないでください!今日はちょっと汗臭いんで!」
妙なところで恥じらいの心がある夕張はスカートを手で抑えて抵抗していると、件の最終型殺戮機械オ●ガ改のモノアイがチキチキと動いてこちらを見た
ガショーン!(ターゲッティング)
「オイ、アイツ、なんかこっち見てるぞ」
「あ、たぶん波動砲きますよ、波動砲、波動砲マジやべーですよ、波動砲」
「知ってるよ!」
喰らえばタ級どころか重巡棲姫すらイッパツで消し飛ぶらしい恐怖の波動砲がこちらに向かってターゲッティングされているッッッ!?
ダメだ、早くこの場をトンズラしなければ俺も夕張も青髪ロング子も………って!!あの野郎!いねーし!いつの間にやら執務室からトンズラ完了してやがるよ!
「大丈夫です!いざとなればこの自爆スイッチを押せば自爆します」
「そんな便利なモンあるなら今すぐ使え!この世に塵一つ残さないぐらい完璧に爆破してしまえ!」
「ですがこの自爆スイッチ、一つ問題がありまして…」
「なんだ?威力が強すぎるとかそんな感じか?基地ごと消すみてーな感じか?」
「いえ、ボタン電池を入れ忘れまして……CR2025なんですけど」
なんで自爆スイッチみてーな重要なアイテムにそんなコンビニでも売ってそうな、しょーもないボタン電池使ってんだよ、バカか!?っーかバカか!?コンビニで買っとけよ
とりあえずアレだ、窓にはダイヤモンドより硬いマグナムスチール製の鉄格子、壁はアツいコンクリート、唯一の出入り口にはあの殺戮マシーン……選択肢は限られている
①完璧!夕張ディフェンダー!
②伝説!夕張カーテン!
③無敵!夕張シールド!
「…やはり③か」
「たぶんですけどアレですよね、全部私が死ぬ感じのアレを考えてますよね?」
「あぁ、全部死ぬ」
「ですよねー」
夕張では波動砲を何秒受け切れるのかわからんが、まぁ、俺が逃げるだけの数秒さえ稼げればそれでいいと考えていると、最終型殺戮機械オ●ガ改の後方、つまり執務室の外の方からなにやら声が聞こえてきた
「同志提督ーッ!同志提督はいるかーッ!?………む?なんだこれは?新しい掃除機か?」
この声………旧ソから来た革命戦士ガングートか!?
俺はとりあえず真裏に居るらしいガングートに助けを求めた
「ガングートか!?ガングート!そこに居るのはガングートか!?」
「あ?その通りだが……同志提督よ、なんだこの邪魔な機械は?草刈機か?」
「ガングート!!コイツは資本主義のブタだ!遠慮なくブッ壊せ!」
「なァ〜にィ〜………?資本主義のブタだとぉ?」
よし…っ!アツかりし共産革命ガングートのPRIDEに上手く火を点けたらしい、ガングートは貴様ァ!銃殺刑に処するぞーとか言いながらオ●ガ改の脚をガンガン蹴り始めた
「同志の命を狙ってきたかこの鉄屑が!生かしては帰さんぞ!」
ガショーン!!(ロケットパンチ)
「ゴデュファ!!!」
オ●ガ改の殺人ロケットパンチをどてっ腹に受け、ガングートは反吐をブチ撒けながら倒れた
「ガ、ガングートォォォォォ!!」
「ハーッハッハッハ!どうですかこのオ●ガ改の圧倒的なパワー!たとえ大戦艦級と言えど一撃ですよ一撃ぃ!最強!そして無敵ィ!アーッハッハッハ!」
夕張の野郎はナニが面白いのか、狂った科学者特有の片手を額に当ててゲラゲラと笑っていたのでとりあえず股間を蹴り上げた
「オゴォ!?」
「クッ…やっぱ革命ばっかしてるヤツはダメだな」
もうダメだ、もう死ぬしかないのかと諦めかけたその時、ポケットの携帯電話がブーブー震えているので引っこ抜いて受話ボタンを押した
『あ、まだ生きてますね』
「五月雨ァ!!テメーいつの間にトンズラしてんだコラァ!!」
『まぁそう怒鳴らないでくださいよ、せっかく頼もしい援軍を呼んであげたんですから』
「援軍だぁ?」
五月雨からの通話を維持しつつ、オ●ガ改の様子を伺おうとすると、強烈な轟音と共にオ●ガ改のマシンティクスボディが浮き、その強固なボディがヘコんだ…
「ヘ〜イ、ポンコツマシン、テイトクのHeartを掴んでいいのはワタシだけデース」
せ…戦艦金剛ッ!!バ…バカな、この基地の裏にもう何年も君臨するまさに鎮守府の帝王!ヤツが動いたと言うのか!?五月雨のヤツ…なんてことを!!
「でた!金剛姉者必殺の奥義!大金剛流真空殲●衝ッ!」
「アレを喰らって大丈夫な牛を榛名は知りませんねッ!」
「フッ、まったく私達の姉者はとんでもない御方のようですね」
オ●ガ改を拳で圧倒する金剛と、そんな姉を誇らしげに見守る金剛シスターズ…
「マッタク………このガラクタが、テイトクをDIEするのはワタシデース?OK?」
当基地きっての暴力の化身、金剛によって古代から来た最終型殺戮マシーンは無事に破壊された…
そして、それは新たなる戦いの幕開けでもある…俺は傷つき、股間から汚い水を流す夕張に肩を貸し、続きはまた今度にしないかと提案したが、DIEシマースと唸りをあげる金剛パンチを夕張でガードし、もはやヤるしかないと覚悟を決めた俺は夕張の手足を巧みに掴み、夕張ヌンチャクにて金剛拳との死闘を開始したッッッ!!