不健全鎮守府   作:犬魚

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新年早々汚い話、春は夜桜、夏には星、秋には満月、冬には雪………つまり、病んでいる

【登場人物】

提督(197)
今年もビッチに厳しい風紀委員長的ハレンチ提督

鈴谷(57)
自称メインヒロイン的存在の背景キャラ

熊野(22)
自称オシャレな重巡、最近の流行りは豹柄に金のモール入り


提督と鈴谷とイチャLOVEキングダム

「あけましておめでとうございます!他の追従を許さない絶対的ヒロイン力を持つ鈴谷がお年玉を貰いに来ましたよ!」

 

新年早々ビッチ臭をプンプンと撒き散らすビッチ界に産まれし無双の勇者、鈴谷は俺の机によっこらcenturyとか言いながら腰かけ、ヘラヘラと如何にも頭悪そうに笑いながらハイ!お年玉くれよ!お年玉!と言って手を出したので俺はその手を優しく握り……

 

「零の悲劇ーッ!」

 

「ウッギャアアアアア!!痛い痛い痛い痛いーッ!!」

 

鈴谷はコレはヤバいと察したのか、余った左手で俺の首にチョップを連打し、俺が怯んで右手の力が弱ったところで一気に右手を引き抜いた

 

「ハー……ハー…殺す気かッ!?」

 

「ほぉ…新年早々良い状況判断だ、とっさに俺を怯ませる為に選んだ攻撃も的確、褒めてやろう」

 

「は?」

 

「撫でてやろう、来なさい」

 

「え?マジ…?いやぁ〜照れるなぁ〜…」

 

鈴谷はいやぁ〜マジ照れるなぁ〜マジ鈴谷褒められるコトにあまりにも不慣れすぎるし照れるなぁ〜とか言いながらヘラヘラ笑って不用意に近付いて来たので、俺は大きくバイスクローした右手で鈴谷の頭を掴んだ

 

「零の悲劇ーッ!!」

 

「ウッギャアアアアアア!!痛い痛い痛い!割れる割れる割れるーッ!」

 

鈴谷はコレはヤバいと察したのか、すぐに右脚で俺の横っ腹を蹴り、俺が怯んで右手の力が弱ったと同時に零の悲劇から脱出して執務室の床を転がった

 

「ハー……ハァ…ハァ!ナニすんだこの野郎ーッ!殺す気かッ!」

 

「咄嗟とは言え良い状況判断だ、褒めてやろう」

 

「クッ…!新年早々褒められて伸びる鈴谷をバカにして…」

 

さすがに三度目は警戒しているか、まぁいい

 

「ってかサミーは?サミー、今日休み?」

 

「休みだ、今日は姉妹で近所のイ●ンモールにでも行ってるんじゃないか?」

 

「ふ〜ん」

 

「わかったら去れ、俺はさっきからお前を殺したくてウズウズしてるんだよ」

 

「なんで!?鈴谷まだナニもしてなくね!?」

 

「お年玉要求したろーが」

 

「そんだけじゃん!ってかお年玉要求しただけで殺したくてウズウズするって…どんだけ鈴谷に対して厳しいの!?」

 

「厳しくない、提督だ」

 

「知ってるよ!」

 

まったく、何が気に入らんのか知らんが、鈴谷の野郎はぶつくさと文句をタレつつとりあえず冷蔵庫の開けて俺のサイダーのペットボトルを取り出してグラスに注ぎ、さらに流れるような動作で戸棚を開けてお徳用コ●ラのマーチを取り出してお客様ソファーによっこらsexualと座った

 

「うめー!」

 

「ナニ勝手に飲み食いしてんだテメーは、っーか我が家のような勝手さか!」

 

「お菓子とジュースくらいいいじゃん、ケチくせー、あ、ってか提督ヒマっしょ?ゲームしよーぜ!ゲーム!マ●オゴルフ」

 

「死ね」

 

「厳し過ぎるッ!返答が死ねの一言とか厳し過ぎる…ッ!」

 

「厳しくない、提督だ、っーか帰れよ、ヒマならそこらのパパにでも頼んでお年玉貰って来いよ、お年玉、鈴谷タマ舐めんの大好きぃ〜だろ」

 

「ハアァ!?べ…別に好きじゃねーし!ってか鈴谷そーゆーのはしないし!」

 

「ナニ言ってのかねこの現役援航巡は」

 

「現役援航巡じゃねーし!!鈴谷的にはほら、アレよアレ、アレ!そーゆーのはやっぱ好きな人っーか、将来を誓った感じの…」

 

「ふ〜ん」

 

「ふ〜ん、じゃねーし!!真面目に聞けよ!?」

 

「…チッ、うっせーな……ナニ今更清楚系キャラ作ろーとしてんだ?バカか?あ?アレか?清楚系ビッチか?清楚系ビッチにジャンル替えか?あ?このビッチ系清楚が」

 

「ビッチじゃねーし!ってか清楚でもねーけど………ってか、今更だけど清楚ってナニ?」

 

ナニ言ってんだコイツ?イカレているのか…?しかし清楚か、ふむ、清楚、よくAVコーナーで見る単語だがキチンとした意味自体はあまり考えたコトなかったな……まぁ、たぶんだが俺的なイメージでは清楚と言えば浜風ちゃんな気がするし、浜風ちゃんと言えば清楚、つまりだ、ここから導き出される結論は………

 

「…おっぱいが大きいコトだな」

 

「とんでもない答えだよ!!ゼッテー違うよ!」

 

「なんだとコラァ!浜風ちゃんに謝れよ!」

 

「なんで!?」

 

ーーー

 

「お年玉を頂きに参りましたわー!って………なんのプレイですの?」

 

執務室の無駄に丈夫な鋼鉄の扉を開き、今度は熊野がやって来た…

 

「ご覧の通り、福笑いだが?」

 

日本が誇る正月の伝統的遊戯、福笑い…

ルールは単純、適当な布等で目隠ししたプレイヤーが人の顔の形を模した枠内に、目、鼻、口、眉などのアイテムを置き、より、人の顔に近く作りあげた方が勝利するのがスタンダードルールだが、今回は目隠しだけでなく手足を拘束、さらに口も拘束、ついでに耳には大音量のヘッドホンを装着するエキスパートルール2018を採用している

 

「うごごご…」

 

「…新年早々おバカなコトしてますわね」

 

「お前の姉ちゃんだぞ」

 

「こんな人知りませんわ、はい、お年玉くださいませ、お年玉」

 

「やだよ、俺と福笑いして勝ったら考えてやろう」

 

「イヤですわ」

 

「あとついでに、今なら参加賞にこの肉便器もくれてやろう」

 

「いりませんわ、汚らわしい」

 

熊野はエキスパートルール2018で転がる鈴谷のケツを思いっきり蹴り上げた

 

「ウガアアアアアア!!」

 

「ゴチャゴチャ言ってないでお金くださいまし、お金!私、ニューマシン用のスプリントダッシュモーターとローハイトタイヤ&カーボン強化ホイール買いたいんですわ!」

 

「もはやお年玉ではなく金と言い切る欲望に忠実なその意気や良し!熱意や良し!いいだろう、持っていきたまえ!全てを!」

 

「ありがとうございますわ!でもこのビッチ臭いのはいりませんわ」

 

熊野は俺からポチ袋を受け取るとウッヒョー!これで強化パーツを買いに行きますわーとハシャぎながら執務室から飛び出そうとしたが、床に転がる鈴谷につまづき、前のめりで盛大にコケて壁に顔面を強打し、パンツを全開にしたまま気を失った…

 

「…」死ーン

 

「ウゴゴゴ…」ゴロ…ゴロ……

 

なんてヒドい…

 

「………はぁ」

 

俺はポケットから携帯電話を取り出し、とりあえず五月雨に電話し、執務室にゴミが落ちてるから拾ってくれと用件を伝えると、ただ一言“死ね”だけ返答されて通話を切られた………なんて冷たいヤツなのだよ




次回はグ●メ四天王が全員集まるグルメ回

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