【登場人物】
扶桑(2)
通称、姉様
拭いきれない不幸が漂う航空戦艦
菩薩の如き優しさと評判
山城(2)
通称、妹
姉様依存症の疑いがある航空戦艦
色んな意味でヤバい
鎮守府内に存在する煌びやかな光を放つ夜の店、ナイトクラブHO‐SHOW…
『HO‐SHOWへようこそロミオー!』
軽空母、鳳翔がオーナーを務めるこの店は決して、キャバレーナイトクラブ、略してキャバクラではない
薄い酒と安いツマミをおっぱいの大きな女が勧めてくるだけの店だ、くどい様だが決していかがわしい店ではない
「今日は静かに飲みたい気分でな、どちらかと言えば物静かで煩くない娘がいいな、あ、おっぱい大きめで」
「注文が多いねぇ、まぁいいさ、テキトーなトコに座ってな」
いつもの如く、ビッグママこと鳳翔のテキトーな接客でテキトーな席へと座った
作戦期間中?知らないね
「…扶桑です、宜しくお願いします」
「妹の山城です」
「お、おぅ…」
改二になって人並みの不幸になったが、それでも拭い去れない不幸感が漂う航空戦艦姉妹、扶桑型
コイツらもここで働いてたのか、意外だな
「…提督、エチルにしますか?メチルにしますか?」
「お勧めはメチルよ、姉様」
「…そう、山城は物知りね、じゃあメチルにしましょう」
「オイ!!なんでそんな選択肢!?しかもメチル勧めるの!?ビール、とりあえずビール!」
コイツら…俺になんか恨みでもあるのか?特に妹ッ!
「…ビールですか?山城、ビールはどれかしら?」
「たぶんこれよ、姉様」
「…ありがとう山城、どうぞ、提督」
山城が取り出したのは、オリ●ンビール
いや、まぁ、うん…ビールだよ?しかしなんだ?なんでまたそんな微妙に地域限定っぽい銘柄を?
まぁ、飲むけどな
「…提督、私達も頂いて宜しいかしら?」
「ん?あぁ、構わんぞ」
「…では私は水道水を、山城は何にするの?水道水?井戸水?」
「いや、普通になんか酒飲んでいいからッ!」
なんで水!?せめてミネラルウォーター的なものにすりゃいいのに、なんで水道水か井戸水!?
わからん、コイツらだけは本当によくわからん
「姉様、シャンパンはどうでしょう?」
「…シャンパン?山城はなかなかお洒落なのね、いいわ、山城がいいならそれにしましょう、宜しいですか?提督」
「あ?あぁ、うん、いいんじゃね?」
「ママー、提督がドンペリ、ロゼ」
「オイィィィ!!オイコラ山城ォ!オマエなに頼んでんの!?しかもオマエ!ロゼったろーがァ!!」
コイツら…いや、山城ォ、コイツだ!
コイツが俺の警戒心に警鐘を鳴らしてやがる!
どうやら扶桑はちょっとおっぱい揉むぐらい許してくれそうな素人だが、山城、コイツは違うッ!
間違いなくランキング上位だ
「…ダメよ山城、どんぺりってとても高価なお酒なんでしょう?私でも名前を聞いたコトがあるもの…」
「さすが姉様、博識でいらっしゃる」
「…そんな有名なお酒はダメよ、私達には勿体無いわ」
「さすがは姉様、たかが底辺の財布を心配するなど…まるで菩薩の如き優しさです」
「オイ妹、今オマエ、オレのコト底辺ったろ?オイ」
「では姉様、この、リシャールにしましょう」
「…りしゃーる?聞いたコトない名前だわ、山城は本当に物知りね」
「ママ、リシャール入りま…」
「オイコラァ!!妹ォォォ!!オマエ姉様の無知と優しさにつけ込み過ぎだろォォォ!!」
「チッ……いいから金だけ出せよ、クズが」ぼそっ
コイツ、本性を現しやがった!
「あと、次、姉様の太ももに触ったら“バラ”すぞ」
コイツ…なんてドス黒い目をしてやがるッ!!
コイツの精神こそ暗黒空間だ!バリバリ裂けるドス黒いクレバスだッ!!
次回こそイベント編