不健全鎮守府   作:犬魚

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カクカクしたやつがカクカクする回

【登場人物】

提督(216)
初代しか知らない単三電池ボーイ

夕張(32)
地味に、年末以来の久々の登場


提督と夕張とポ●●ン

いよいよ開幕する今季最終戦を控え、それぞれ最終調整に励むチームメイト達に、イケる…!コイツらとなら!と自信に満ちた仕上がりに満足しつつ執務室で入念にスタメンのオーダーを考えていると、これまた自信に満ちた笑顔で執務室へとやって来た軽巡は自信に満ちた台詞を言い放った…

 

「新しい装備を開発しました、ハッキリ言って自信作です!」

 

「夕張ェ…」

 

誰もが熾烈な正レギュラー争いを勝ち取るべく過酷なトレーニングに励んでいると言うに…まったく、こやつめ、まるで戦船としての意思を感じられぬわい

 

「今回はかなりスンゴイですよ、えぇ、かなりスンゴイです」

 

「そうか、とりあえず見るだけ見てやるから見せてみろ、案の定くだらないものならオマエのケツは明日からだらしなく腸液垂れ流しだからな」

 

「ヒッ…!だ、大丈夫です!」

 

心なしか、ちょっと嬉しそうに顔を引きつらせた夕張はもうスンゴイですよーマジスンゴイですよーと言いながら、今回開発した商品はこちらーっ!と勢い良く布を取り去った

 

「ゲェーッ!こ…これは!?」

 

赤と青のシンプルなカラーリングに、全体的にカクカクとしたボディ!!それでいてその佇まいは未来的を思わせる気品に溢れている…ッ!

 

「名付けまして、でんのうせんしポ●ゴンです」

 

「足がないな」

 

「足なんて飾りです」

 

コイツ、またとんでもねーモン作ってきやがったよ、マジでとんでもねーモンだよコレ、え?なにこれ?大丈夫なの?

 

「最高の科学力を使い、ついに完成しました」

 

「なんでオマエはその最高の科学力をもっと地球の為に活かすコトができんのだ…」

 

しかしポリ●ンか……なんか昔、カジノ的なトコでコイン9999枚集めて交換したっけな、で、苦労したワリに使えねーなコイツとか思って速攻で預かり所的なとこに預けて二度と姿を見なかったが…

 

「こちらのポ●ゴン、このカクカクした見た目の通り、かくばるコトができます」

 

『¥÷3→8+€〆☆247÷€♪』かくばるーん

 

ポ●ゴンはポリ●ン特有の変な電子音みたいな鳴き声を出すと、なにやらそのカクカクしたボディがかくばった………っーか、そもそも最初からかくばってるみたいなボディだから違いがわからねぇ

 

「さらに!テクスチャーで自分のタイプを相手と同じにするコトができます!」

 

『〆々〒\=+48○・33°』しゃきーん

 

…見た目ではまったくわからんが、なんか変わったのだろうか?コイツ

 

「どうですか?」

 

「いや、どうと言われてもな…」

 

夕張のアホンダラはどうですかこのポリ●ン!スンゴイでしょー!ねー!スンゴイでしょー!とポ●ゴンを抱えてこっちにグイグイと押し付けてきた、ってか痛い!なんかカクカクしてるトコが当たって超痛い!

 

「あと、サイケこうせんが撃てます、サイケこうせんはスンゴイですよ、当たったらタ級ぐらいなら一発でケシ炭です」

 

「サイケこうせんスゲーなオイ!?」

 

サイケこうせんってそんなヤバい光線だったのか!?

 

「どうですか?スンゴイでしょ?」

 

「…まぁ、たしかにスンゴイのはスンゴイが」

 

「そして!このポリ●ンにはかつて全国のちびっ子達を病院送りにした最大の奥義!パカパ……」

 

「ポ●ゴンは悪くねぇ!!」

 

ビタンッ!!(ビンタ)

 

「あふんっ!!」

 

俺の全力ビンタで夕張は床に転がり、これが痛み……この痛みとかブツブツ呟きつつ気色の悪い笑みを浮かべていた

 

「…ポリ●ンは悪くない」

 

「そうですね、だってポリ●ンはこんなにも可愛いんですから」

 

かつて百人以上のちびっ子達を病院送りにしたと言うレッテルを貼られた赤と青のカクカクしたそいつは気色の悪い笑みを浮かべつつ頰を撫る夕張のところに近寄り、その、感情のまったく感じられない目で夕張を見ていた

 

「おぉ…ポ●ゴン、私の心配をしてくれるんですか?」

 

『>3+>3^×÷21・1¥1☆々0…|』

 

「なんて良い子なんですかアナタは!!素晴らしい!素晴らしいですよ!アナタこそ私の最高傑作です!」

 

夕張はポリ●ンのカクカクしたボディを抱きしめ、まったく!オマエってヤツは最高だぜー!とか言いながらガンガン体力を削られていた…

 

「どうですか提督!このポリ●ンは!」

 

「いや、どうと言われてもなぁ」

 

まぁ、タ級も一発で消し炭になるらしいサイケこうせんはかなり魅力的ではあるな、実はコイツ使えるヤツなのだろうか?

 

「あ、そうそう、実はこのポリ●ン、一つ難点がありまして」

 

「なんだよ?難点って…」

 

「レベルが高いので言うコトを聞いてくれません」

 

「やっぱ使えねーじゃねーか!!」

 

ビタンッ!!(ビンタ)

 

「ばるさっ!!」

 

俺のビンタを受け、夕張は再び床に転がってちょっと嬉しそうな顔をして右手でスカートを抑えつつ再び立ち上がった

 

「…はぁ、まぁいい、とりあえず使いモンにならんガラクタってのがわかった」

 

「ガラクタじゃありません、ポ●ゴンです」

 

俺は床をウロウロするポリ●ンを手に取り、とりあえず夕張に壁に手ぇついてケツこっちに向けろと言うと、夕張は元気な声で返事をして、そのイマイチ完熟さが足りていない尻をこっちに向けたので、俺はポリ●ンの鼻?鼻先を夕張のケツにネジ込んだ

 

「…あらよっと」

 

ブスッと!!!

 

「ンギいいイィィィィ!!な……な!ナニ!?なんですかぁ!?」

 

「かくばる」

 

「お、お!お!おおおおおお!!」

 

「かくばる、かくばる、かくばる、かくばる、かくばる、こうそくいどう」

 

「あ、あっ!アッーーーーー!!!」

 

とりあえずかくばるだけかくばったポ●ゴンの高速の動きに、夕張は目の色をパカパカとさせて失神した

 

………なるほど、これがポリ●ンショックというものか






次回からたぶんイベント海域編
最近通常回少なめなので今回はちょいちょい通常回挟みめでいく予定ですって!

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