不健全鎮守府   作:犬魚

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後半戦突入、戦慄!志摩艦隊!

【登場人物】

足柄(13)
提督とは同じ穴のキジムナーとかディスられている三女、よく見ると良いオンナ

那智(4)
妙高姉妹の唯一の良識派、でも拳系


多号作戦改

海の猛者どもがウヨウヨ後半の海、新世……レイテ湾、この作戦の目的である七本(ピラー)を破壊し、この光溢れる地上を守る為、勃ち上がったアツき血潮の正義の戦士達は五本目の(ピラー)を破壊するべく向かっていた…

 

「デッドハウリング!」

 

『オゴォ!?』

 

そして、まずはお馴染みの前半輸送任務、妙高姉妹の次女那智の鉄拳が軽巡棲姫のオシャレマスクを破面し、軽巡棲姫はこのままでは終わらんぞォーと言いながら深く暗い海に転落していった…

 

「さすが那智クン!ハンパじゃねぇ!」

 

「あぁ、那智クンこそオレたち志摩艦隊の誇り…」

 

「思わずガイドビーコン出しちまいそうになっちまったぜ…」

 

ドラム缶や大発を積んだ駆逐艦のキッズ達からキャッキャと持て囃される那智は、よし!今度お前達にデッドハウリングを教えてやる!と満更でない様子で応えていた…

 

そして…そんな駆逐艦のキッズ達にちやほやされる那智とは対照的に、一人、ガリガリと爪を噛む重巡が居た…

 

「クッ!那智めッ!那智めッ!那智めッ!礼号キッズのハートを鷲掴みにするなんて!」

 

清霜、朝霜、霞、それは足柄と大淀が特に可愛いがっている礼号組のファミリー達、いつもは足柄さん足柄さんと懐いてくる可愛いキッズ達が今日は那智さん那智さんと春の那智祭りを開催する屈辱!足柄はファーックスと叫びながらその辺にいた貝を蹴りあげた

 

「お、落ち着いてくださいよぉ、足柄さん」

 

「あ?なんだっけオマエ…?アブ、アブラゼミ?」

 

「…阿武隈です」

 

「フッ、私はCOOLよ、そう…常にCOOLな大人、だって私は足柄よ?当然じゃない?」

 

「はぁ…?」

 

自称COOLな大人はファーックスとか言いながら勢い良く貝を蹴り飛ばしたりませんよぉ〜…喉元まで出かかった言葉だったが、阿武隈は大人なのでそれを飲み込んだ、そして、今日の晩御飯なんだろう?たしか長良姉ちゃんがプロテイン鍋とかワケのわからないコト言って五十鈴姉ちゃんに殴られていたなと思い出した…

 

「アブ…あぶ、アブグマ?まだ敵は居るのよね?本命が」

 

「え、えぇ…本命が、たしかヴェアーって鳴く人だとかなんとか、ってか阿武隈です!」

 

「フッ…あのヴェアヴェアの実を食ったヴェアヴェア重巡ね、相手にとって不足なしだわ」

 

「はぁ…?」

 

本命のBOSSである重巡棲姫を“狩る”…そうする事により、今は離れてしまっている礼号キッズ達の心は再びこの足柄の元に戻る!子供とはゲンキンなもので、新しいヒーローに目移りし易いが、これで本物のヒーローが誰なのかをきっと思い出してくれる!ここには来れなかった大淀だってきっとそう言って足柄の背中をバシバシ叩いてくれるハズ!

 

「よし!アブ……あぶ、阿武隈ァ!初月と10cm高角砲+高射装置は持ったわね!行くわよォ!!」

 

「物扱い!?」

 

ーーー

 

そして、迎えた海域後半戦………VS重巡棲姫!

 

「Are you OK?」

 

久々にやる気を出した狼の牙は遺憾無く発揮されていた…

 

「でた…っ!足柄さんのあの動作(ムーヴ)はーッ!!」

 

「足柄さんのフェイバリット!!バスターウ●フぅー!!」

 

「これでヤツのキン●マはグチャグチャだぜーッ!」

 

礼号キッズ達の声援をそのアツく!雄々しき背中に受け、伝説の狼が今、そのワイルドな牙を剥き獲物を狩るべくマグナムパンチを重巡棲姫の柔らかボディにその拳をメリ込ませた、その破壊力はまさに超必殺技、まともに喰らえば

全身の骨が砕けて死ぬ事は必至ッ!

 

『ヴェアアアアア……!!ガフッ…!!ゴフッ!』

 

しかし!足柄渾身のバスターウ●フをそのボディに喰らい、重巡棲姫の膝は未だ屈してはいなかった!

 

「こ…コイツ!足柄さんのバ●ターウルフを受けてなお立っているなんて…ッ!」

 

「ふ…不死身!ヤツは不死身だとでも言うのかーッ!?」

 

『ヴェアッハッハ…!馬鹿ドモメ……!』

 

ニヤリと笑う重巡棲姫はそのお腹の辺りをゴソゴソとまさぐると、一冊の雑誌を取り出してみせた

 

「あ、アレは…ッ!!月●ガ!」

 

「あの野郎!まさかお腹に月マ●を仕込んでやがったとは…クッ!月マ●をブチ破るのはたとえ武蔵さんでも無理だ…ッ!」

 

『ヴェアハッハッハ!バーカーメェー!!今日ノ私ハ一味違ウノヨ!一味!』

 

そう…今日の重巡棲姫は一味違った、彼女は今回の海域登板に辺り、深海A●G損保からリスクマネジメントを受けていたのです…

もしかしたら凶暴な狼が出現するかもしれない、そんな危機に備えたリスクを知れば人生が変わるプランを、重巡棲姫はバッチリと対策して来たのです

 

『ヴェアハッハッハッハ!!オマエノ能力ジャ私ニハ勝テネェ!!』

 

勝ち誇る重巡棲姫と、その、あまりの超装甲に絶望すらしかけた礼号キッズ達………しかし、狼はまだ死んでいなかった

 

「…それはどうかしら?」

 

『ナニィ?』

 

「たしかに月●ガをブチ破るのは至難の技、この足柄が命を燃やし、全てを賭けてもおそらくは鉄拳チ●ミにすら届かないわ…」

 

だが!!ボディではなく、そのキレーな顔にこの拳を叩きつけるのどうかしらね!?

 

『ナ…ナンダト!?タ……確カニ、ボディノ防御ハ完璧デモソノ他ハ丸裸同然ッ!?』

 

「スゲェ、さ…さすが足柄さんだ」

 

「天才……まさに足柄さんこそ戦いの天才だ!戦いの天才だ!」

 

「狼ッ!狼はまだ死んじゃいねぇぜぇーッ!」

 

◆◆◆

 

執務室でテレビを見ていると、ヴェアーとか言いながらキレーな顔した重巡みたいなのがGo bang!されてきりもみ状に回転しながらブッ飛んで頭からグシャァッ!と、どう考えてもただ事では済んでいないであろう擬音と共に海上に叩きつけられて沈んでいた…

 

「あれは死にましたね」

 

五月雨もオレンジジュースを飲みつつ実に冷静で的確な感想を述べる、人は守護るものさえあればどこまでも強く、そう、強くなれる…!そんなシンプルで当たり前の強さを教えてくれるのは常にアイツだったな、フッ…さすが足柄、そうでなくては面白くない

 

「んんんんー、許るさーん!私の遊びを邪魔しおって!」

 

「え?なんでキレるんですか?」

 

「キレてない、提督だ」

 

テレビ画面の向こう側ではアシガラワッショイアシガラワッショイと喜びの胴上げが行なわれており、あ、足柄が落ちた……バカでー、しかもあの野郎、アブ…アブドラくん?だっかにテメー手ぇ抜いたなとかインネンつけてやがる、最悪だなアイツ

 

「狼と言うものはキレやすく獰猛である、そんな狼によるリスクを回避する為にアブドゥルくんにはA●Gのリスクマネジメントを紹介したい」

 

「阿武隈さんですけどね」






次回は第6ステージ、新たな力を身につけたタフなアイツがやって来た!

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