不健全鎮守府   作:犬魚

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第六ステージ前半戦、新たなステージは改に挑む場所

【登場人物】

Italia(5)
パスタの姉、比較的常識人のメルヘン思考

Roma(4)
パスタの妹、見ての通り頭の良いやつ





追撃!第ニ遊撃部隊①

熱戦!烈戦!超激戦!血で血を洗う死闘もいよいよ第六海域、パラワン水道方面攻略へと乗り出した地上の愛と平和を守る為に命の小宇宙を燃やす戦士達…

 

『ヒッ!ヒイィィ!来ルナ!コッチニ来ラァトカ言ッタケドアレハ嘘デス!嘘ォ!ウゲェェェェェ!!』

 

海域攻略初戦、前回に続き志摩艦隊の登板だが一部メンバーを交替、暇人のイタリア戦艦を起用し、なんか瑞穂様っぽいのブン殴りに向かわせたが…

 

「WAAAAAAAANNABEEEEEEEEEE!!」

 

『ウゲェェェェェ!!!』

 

「そう…一味、違うのね…」

 

見ての通り、頭のいいヤツであるメガネパスタの一味違う拳の前に瑞穂様っぽいヤツは特に何をするわけでもなくKO、抵抗する事なく、命を差し出すのは良いコトだ…

 

「…チッ、服が汚れたわ」

 

「ローマ!?なんでアナタはそんなに暴力的なの!?」

 

服が汚れた事に腹を立て、沈まないように腹の辺りを執拗に死体蹴りする見ての通り頭のいいヤツである妹をなんとか制止し、姉のイタリアはどうか成仏してくださいと沈みゆく水母棲姫を見送った

 

「反吐がでるわ」

 

「ローマ、何か悩みでもあるの?お姉ちゃん相談に乗るよ?」

 

「悩み?別にないけど?」

 

「ないんだ…」

 

いつからだろう、妹がこんなに暴力的になったのは…?イタリアは目を閉じてまだ姉妹が幼かった日を思い出してみる、そう…ローマだって昔はお姉ちゃんお姉ちゃんと可愛い時期があったはず…

 

ローマ5歳 「ギャハハハー!こいつ名前占いで『大地獄』行きだぜェーッ」

 

ローマ8歳 「ボスを倒したのならよォー 実力から言って…次の幹部は私ね」

 

ローマ13歳 「オマエは蹴とばされやすいように…しゃがんでいるんだ」

 

ローマ15歳 「このチンピラが私をナメてんのかッ!何回教えりゃあ理解できんだコラァ!ろくご30ってやっておきながらなんで30より減るんだ!この・・・・・・クサレ脳ミソがァァァ!!」

 

………あれ?可愛いかった時期がない?あれ…?おかしいな、たしかローマにも可愛いかった時期かあったハズ、私の事を慕ってくれてた時期があったハズ!そう、あれはたしか……えぇと、つい最近、たしかお姉ちゃんって呼んでくれたような…

 

ローマ最近 「掃除しろ…?ハァ?誰に言ってんの…?オネーちゃん?」ピキッ!パキッ!

 

うん……なかった、ローマに可愛い時期がなかった

イタリアは記憶のムーディーをいくらブルースしても可愛いローマを思い出す事は出来なかった…

 

「お腹空いたわね、姉さん、帰るわよ、ピザ焼いて」

 

「え?」

 

「帰ったらピザ焼けって言ってるのよ、あと姉さん、何食べたらそんないやらしい身体になるのかしら?ピザ?」

 

「今その話必要!?ってか、体型的にはローマもそんなに違いないでしょ!?」

 

「そうね、ただ、姉さんの男受けするドエロスボディには敵わないわ、大したエロスね」

 

「やめて!人をそんなエロスの権化みたいに言うのはやめて!」

 

◆◆◆

 

初戦、水母棲姫を突破し、無事ガイドビーコンの灯りの下に戻ってきた志摩艦隊…

 

「言わんこっちゃない…」

 

「次はまた栗田艦隊による連合艦隊ですね」

 

「またかよ…」

 

また金剛様の出番か、今回は稼ぐなアイツ…っーか燃料の減りがやたらと早い気がするが、まだこっちは切札である最強カードである超戦艦を切ってないんだがな…

 

「そういや、あやつはどうなっている?」

 

「あやつ?」

 

「そう、あやつだ」

 

最強の超戦艦、武蔵……今回の作戦に合わせ、上から更なる改装の許可が下りた武蔵、ちょっと改装してくっぞ!と、なんかコンビニ行くような感覚で基地の奥にある改装工廠、通称、精神と●の部屋に入って行ったらしいが…

 

「武蔵さんならまだ見てませんけど…」

 

「ナニちんたらしてんだアイツは…」

 

ヤツこそこの作戦の切札、燃料もボーキも少ない逆風がビュービュー吹いていても追い風に変えてくれるであろう俺の切札なのだが…

 

「よし、ちょっと見に行ってみるか、サミー、付いて参れ」

 

「はぁ?」

 

俺は執務椅子からスタイリッシュに立ち上がり、五月雨と共に基地の地下にある改装工廠へと向かうと、改装工廠の扉の前で大和さんがハァハァ言いながら体操座りをし、矢矧ちゃんから飲み物を受け取っていた…

 

「ハァ…ハァ…」

 

「大和さん!サイダーです!」

 

「あ…ありがとう、でも…大和的にはサイダーより水の方が…」

 

「大丈夫っす!急いで買ってきたんで!キンキンに冷えてるんで!」

 

「あ…あぁ、うん、ありがとう」

 

大和さんは矢矧ちゃんから受け取ったサイダーのプルトップを開けると、キンキンに冷えたサイダーが勢い良くスプラッシュしサイダーまみれになった…

 

「うええぇぇぇ…ベトベトだぁ…」

 

「大丈夫っす!サイダーまみれの大和さんもメチャシブいっす!」

 

矢矧ちゃんから“男樹”と書かれたタオルを受け取り、サイダーを拭き取る大和さん……どうやら矢矧ちゃん的には大和さんの全てがメチャシブいらしい

 

「よぉ、まだ武蔵は改装中か?」

 

「あ、提督…」

 

「提督、シャーッス!提督!」

 

比較的常識人である大和さんと、その舎弟、矢矧ちゃんは比較的常識的挨拶をすると、武蔵はまだ改装中で、今は長門のアホが武蔵と共に部屋に入っていると教えてくれた

 

「…なんで長門まで?」

 

「武蔵の相手が出来る戦闘力を持った修行相手が必要ですから…」

 

「へぇ…」

 

そうか、第二改装ってそんな感じなのか…おそらくはこの扉の奥で、今も武蔵と長門のアホが限界突破する為のブッちぎりZENKAIバトルを繰り広げているのだろう…

ちょっと覗いてみるか…

 

「やめた方がいいのでは?」

 

「まぁ、ちょっと覗くぐれー大丈夫だろ」

 

五月雨から女性の着替えを覗くのは如何なものか?と一応止められたが、興味には勝てない、そしてこれは着替えを覗くワケではない、あくまで改装を覗くだけだ、俺は重くるしい扉を少しだけ開け、中を覗いてみる…

 

「いい加減にしろ…この星をメチャクチャにしやがって、キサマら一体いくつの星を壊せば気が済むんだーッッッ!!」

 

「ハッハッハッ!この武蔵は大和とは違うと言ったろう!この星ごと消えてなくなれぇーッ!!」

 

………扉を閉め、ついでに取っ手をチェーンでグルグル巻きにして南京錠で鍵をし、鍵は窓から海に向けブン投げた

 

「どうでした?」

 

「ヤツらをこの星に解き放つな」

 

◆◆◆

 

パラワン水道攻略第二戦、栗田艦隊の前に立ち塞がる次なる敵…

 

『ナンドデモ……シズメテアゲル!!』

 

深海ガード下きっての屈指の防御力を誇る戦艦棲姫…………ではないッ!!

 

「ち…違う!ヤツは今までのヤツとは違うぞ!」

 

「今までと気の質が違う…っ!ヤツめ、いったいどんな修行をしやがったんだ」

 

戦艦棲姫改め、戦艦棲姫・改!この戦いの為、戦艦棲姫が到達した新たなる境地、今まで“壊”という境地に達した姫級は何人か存在していたが、それとは別次元の進化“改”に到達した唯一無二の力!

六人の正しい心を持つ深海棲艦の深海パワーを身体に注入する事により、戦艦棲姫は新たなる境地へと足を踏み入れたのだった…

 

「なかなか楽しめそうなゴミが出てきたデスネー…」

 

『海軍ドモメ………破壊ヲ楽シンデンジャネェゾーーー!!!』

 






次回、とびっきり最強対最強!激突、金剛様対戦艦棲姫・改、あと空母おばさん

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