【登場人物】
リシュリュー
フランスから来た自称最強戦艦、実家はブドウ農家のパリっ子気取りの田舎者
戦艦水鬼改
戦艦棲姫と同じく、神のステージに到達した深海棲艦の逸材、深海会議の司会とかやってる
長門
タフ&ハードな鉄の城、知ってる人は皆一様に、まぁ…ステゴロなら長門でしょうと答える、ただしロリコンである
陸奥
長門の妹、比較的まともな常識的イイ女、基本的には面倒くさがり屋でおおらかだが根はバトルジャンキーらしく、対戦相手の本気を引き出したがる
今期最終戦の最終海域、幾つもの哀しみと海を越えて辿り着いたエンガノ岬にて待ち受ける深海任務部隊岬沖艦隊支援集団、その、熱き深海集団を率いるのは戦艦棲姫と同じく、新たな力に目覚め、より強く、そして穏やかになり、冷静に闘えるようになった深海棲艦の大物、戦艦水鬼・改!
「戦艦リシュリューよ!退きなさい!」
『役ニ立タヌ…忌々シイガラクタドモメ!』
挑むのは自称最強戦艦、フランスから来た天と地のはざまに立つ美の戦士、リシュリュー率いる腕っこきのハンターを含めた連合艦隊!
「フッ…ナニが水鬼よ、笑わせてくれるわね…このリシュリューに勝てるつもりかしら?」
『アァ?』
「アナタに絶望を教えてあげるわ、どうしようもない絶望をね…」
リシュリューはその黄金の獅子の如き豪奢なキンパツをぶわぁーっと掻き流し、自信に満ちた表情と余裕に満ちた強い言葉で戦艦水鬼改に、どうだ?かかってこいよ?と言わんばかりに指をクイクイと動かした
『フンッ…ナカナカ自信ガアルヨウダナ』
「フッ…このリシュリューのスーパーブローを受けてその余裕が保てるかしら?私には見えるわ、今から数秒後、無様に倒れたアナタが、跪き許しを乞う姿がね!」
『ムッ!?コ…コレハ!?』
リシュリューの背後から大量の薔薇が飛び散る!!Mon amiralとの高電圧エリアでの過酷なトレーニングで編み出した戦艦リシュリュー最大のスーパーブロー、その名もデビルプロ…
『忌々シイガラクタガーァ!!』
BAKOOOOOOOM!!(黄金の右ストレート)
戦艦水鬼改の黄金の右ストレートがリシュリューの腹をカウンターで貫き、リシュリューはグルグルと錐揉み状に回転しながら上昇して落下し、頭から海面に叩きつけられた
グシャァッ!!!
「リ、リシュリュー!!」
「リシュリューさんがヤラれた…ッ!た…たったイッパツで!」
「たったイッパツで!」
◆◆◆
最終決戦を大迫力のパノラマ映像と見よう!そう考えた俺は会議室に置いてあるプロジェクターにテレビとアンテナケーブルを接続し、明石のアホンダラの店で買ったコークとチートスを食べながらチームの戦いを観戦していた…
「スゲェ戦いだ…っ!スゲェ戦いだ!」
「頑張れ…っ!チクショウ…!頑張ってくれ…!」
「スゲェよミカは、急に眠くなった時の為に枕まで用意して…」
…しかしだ、本来なら大画面を独り占めする予定だったのだが、明石の店でたまたまお菓子を買いに来てた陸奥と睦月型のクソガキどもに会ってしまったが為に今や会議室は応援上映会と化している
「うるせぇよ、陸奥、このクソガキども黙らせろよ」
「いいじゃない別に」
「よくねぇよ、あと俺のチートス食うな」
「いいじゃない、ケチケチしない」
このヤロウ…イイ女でなければ容赦なく阿修羅バ●ターしてやるところだが、まぁいい…俺はイイ女にはそれなりに優しい男だ
「そういや五月雨ちゃんは?」
「便所、ウ●コじゃねーの?」
「…そーゆーコト言わない、あの子は心が広い子だけど殴られるわよ?」
心が広い…?アイツが?ナニ言ってんだコイツ、イカれているのか?
「ふん、まぁ…仮にヤツが牙を剥いたとすればその身に教えてくれるわ、誰がこの基地の絶対支配者なのかをな…ッ」
「はいはい、できたらいいわね」
「だから、俺の!俺のチートス!」
「みんなー、テイトクがいいもの持ってるわよー、みんなで食べていいってー」
陸奥は俺のチートスをボリボリ食べるばかりか、さらなる追い討ちとして睦月姉妹のお菓子に飢えた子供達を呼び寄せ、俺のチートスは屍肉を貪るジャッカル達に奪われてしまった…
「うめー!うめー!」
「テイトク、コーラちょうだい」
クッ…!このクソカスがァ……よし!決めた、コイツら後で全員ケツバットの刑に処する、必ず処する!そう心に誓った俺の腕をつつき、陸奥がなにやら話しかけてきた
「ねぇ提督?」
「なんだ?」
「武蔵はどうしたの?武蔵は、まだ改装終わってないの?」
「…終わってねぇみたいだな、まだ出て来てないらしい」
「ふ〜ん」
あのヤロウ、何をチンタラしてやがるんだ…っ!早く!早く来てくれ悟●!じゃない、早く来てくれ武蔵!オメーの力が必要なんだ!地球の未来はオメーにかかってっぞ!
◆◆◆
「で、出たーッ!!長門サンの48の殺艦技+1!ナガトドライバー!」
「あのフェイバリットを受けて無事なヤツはいねーぜぇー!」
自称最強戦艦リシュリューがみんなに胴上げされる幸せな夢を見て気持ちの悪い寝顔で吐血しているその頃、連合艦隊と深海連合艦隊の激戦は最終局面へと突入していた…
戦艦水鬼改とタフ&ハードな殴り合いを繰り広げる長門、その戦いは苛烈を極めた、超スピードで移動しながらの殴り合いでそこら辺から衝撃音がドンドコドンドコ鳴り、衝撃波がその辺の岩を容赦なく破壊していた…
そして、ついに戦艦水鬼改はその力を全て出すフルパワー状態、戦艦水鬼改の力を持ちながら壊の力を使う完全形態、戦艦水鬼改-壊-へと超進化を果たし、長門と互角の殴り合いを演じていた
「死ねえええェェェェぇ!!」
『グハァ!!!』
長門渾身のナガトドライバーを受け、ニャガハァ!と吐血した戦艦水鬼改-壊-…ッ!どう考えても死んだと思われる超破壊力のナガトドライバーを受けてなお、戦艦水鬼改-壊-は幽鬼のごとく立ち上がり、まだやれるとファイティングポーズをとった…
『スゲェ…!スゲェヨ戦艦水鬼改サマハ…!』
『アァ…ハンパジャネェ…コイツハ俺タチモ負ケテラレネーゼーッ!』
戦艦水鬼改の不屈のファイティングスピリッツに、せめて俺たちも最後まで美しく散ろうや!と鼓舞したナ級達の決死のアタック!あのイチバンヤバイヤツ…そう、ヤツだけは夜戦までに生かしておいてはいけないと突撃した!
『コレガ駆逐ナ級ノ男ジャー!!』
「痛い…っ!」
この世で最もヤバイヤツ、雪風を大破に追い込み、ナ級は戦艦水鬼改に“勝てよ、この戦い!”と言い残し、笑顔で暁の水平線に散っていった…
『オマエ達……嗚呼!嗚呼!オマエ達ノ魂ハシッカリ受ケトッタ!!一緒ニ行クゾォ!』
最強最悪のフィニッシャー、雪風を倒してくれた事にアツい感動と感謝の涙を流し、戦艦水鬼改-壊- はまだ戦える!この身体にアツいキセキのパワーが溢れてくることを感じていた…
しかしッ!!
「北上さん、この子ケガをしてますよ!」
「あ、ホントだ」
「駆逐艦を狙うなんて………こりゃメチャ許されんですよ!」
「そうだねぇ〜…こりゃメチャ許さんよねぇ」
無傷で残してはいけなかったのは雪風だけではなった…絶望、どうしようもない絶望が無傷で立って魚雷を手に素振りをしていた…
『ア…?ア…?』
◆◆◆
会議室大興奮の応援上映、大迫力の画面で見る大井と北上のツープラトン、KITA↓LAPが戦艦水鬼改に炸裂し、ナガトドライバーには耐え切ったタフ・ガイもさすがにこれには耐え切れずにニャゴフッ!と吐血し、海の底へと沈んでいった…
「勝ったか…」
「相変わらずえげつないわね、あの娘ら」
「まったくだ」
安心の縦社会、球磨ねーちゃんを頂点とする球磨姉妹に隙は無い、俺は陸奥から貰った飴玉を口に放り込んでレロレロしてみた
「レロレロレロ……しかしコレで終わりか、相変わらず長い戦い……レロレロ…だったな…レロレロレロ」
「ハァ…レロレロするか喋るか、どっちかにしたら?」
「レロレロレロレロレロレロ」
「ハァ…」
とりあえず今回の本部作戦もこれにて完ッ!よし!アイツらが帰って来たら宴だな!なぁオイ!
「まだ終わりじゃないですよ」
「む?」
飴玉をレロレロする俺の目に一枚の書類を差し出す五月雨はまだ終わってはいないと言った………コイツ、なかなか長糞だったな、便秘か?
「便秘じゃないしトイレにも行ってませんよ」
「コイツ…!俺の心を読んだ!?………能力者か!」
「そんな能力ありませんよ、ほら、もう一枚、コレ、なんかもう一匹いるらしいですよ、姫級」
「マジかよ…」
マジかよコイツ…え?まだ居るのかよ、マジ面倒くせぇ…
次回はイベント海域攻略最終回、イケメンの瑞鶴センパイが眩し過ぎて前が見えない