【登場人物】
日振
日振型の長女、レベル1から先制対潜できる逸材
大東
日振型の次女、一目で違いがわかる逸材
浜波
夕雲姉妹の十三女、可能性を秘めたシャイガール
Jervis
戦慄のJ級駆逐艦、グイグイくる
「とりあえず、最初は海防艦の子です、しかも2人」
「またか…」
ったく、何が海防艦だ、いい加減にしろよコノヤロー…ウチはガキの相手するエレメンタリースクールじゃねぇっーんだよ、こう…毎度毎度、海防艦ばっか配属しやがって…
「まぁいい、配属されたモンはしゃーなしだからな、よし、とっとと呼べ」
五月雨が部屋の外にどうぞーと声をかけると、執務室の扉を開き、これまでの海防艦とはまた毛色の違う感じの、そう、どこか泥臭いとゆーか芋臭いとゆーか…
「日振型海防艦、一番艦、日振です!」
「日振型海防艦、その二番艦大東さぁ〜」
「ほぉ…」
なるほど、まるで水兵さんみたいな格好だな…とりあえず手元の資料を眺めてみるが、ふむ、今までの海防艦とだいたい同じぐらいの性能か
「ヒブーリくんとダイトーくん、だったかね?まぁ、最初はファームで徹底的に鍛えてやる、わからない事があれば海防艦のセンパイになんでも聞くといい」
「はい!」
「おぉ!日振日振!なんか聞いてたハナシよりマトモっぽいぞ!このおっさん」
「そうだね!」
ヒブーリくんとダイトーくんはキャッキャとハシャぎながらわりとシツ・レーな事を言っている気がするが、そーゆーのは本人を前にどうかと思うのだよ…
「まぁいい、何か質問はあるかね?」
「はい!」
「はい、ヒブーリくん、なにかね?」
「提督はおっぱい大きい女の人がお好きでしょうか?」
「勿論なのだよ」
…正直、予想外の質問なのだよ、え?なに?今時の子はそーゆーコト平気で質問しちゃう感じなの?参ったなぁ、おじさんが経験豊富なベテランじゃなかったら今の質問答えられなかったよ
「大東、提督おっぱい大きい女の人が好きだって!大東の言った通りだったね!」
「だろ?あたいは一目見てわかったね!このおっさんはきっとぺえずりとか好きだって!」
「そっかそっかー」
…今の子は進んでるなぁ、おじさんビックリなのだよ
ーーー
芋臭い見た目に反してとてもオマセな海防艦コンビが退室し、とりあえずアツいティーを飲み、次なる刺客を待つ執務室…
「次の方どうぞー」
執務室の扉が静かに開き、夕雲姉妹的な制服を着た、これまた個性的なヘアスタイルの子が頭を下げながら入室してきた…
「あ…ども……あ、あたし、夕雲型13番の、浜波、です…ヒヒ…」
「浜波クンか…」
「あ、はい…浜波、です」
俺はまぁ座ってくれたまえと着席を促し、冷蔵庫から麦茶を取り出していた五月雨にちょっとこっちに来たまえとハンドシグナルを送った
「なんですか?」
「なんですか?じゃねーよ、オマエ、あの浜波クンを見て何か感じないのか?」
「そうですね……前髪邪魔かな〜…ってぐらいしか」
「それだよ!その前髪邪魔かな〜…ってそれだよ、いいかサミー、あんな前見えてるかどうかわからない髪型、エロゲの主人公か美少女しかいないぞ」
「…はぁ?」
モチロン、浜波クンは女の子なのでエロゲの主人公ではないだろう、とすればだ…残されたもう一つの選択肢、隠れた目を露わにすることにより、これまで地味に好感度やフラグを重ねてきた他ヒロインを圧倒するであろう、超絶美少女降臨しかあるまい
「……はぁ?まぁ、超絶美少女かどうかはなんとも言い難いですが、まぁ、可愛いんじゃないですか?ちょっとシャイみたいですけど」
「いや、俺にはわかる、一目でただの美少女ではないとわかったね!」
「はぁ?」
五月雨はナニ言ってんだコイツ?みたいな顔をしているが、まぁアレだろう、これはまぁ女の子にはわからない浪漫と言うものだろう
「じゃあ、せっかくなので浜波さんに前髪上げて貰ったらどうですか?」
「バカお前、いきなりそーゆーのはダメなんだよ、こーゆーのはキチンとイベントと言うか段階を踏んでだな…」
最初は特に意識してなかったけど、ふとしたある日、本当の素顔を垣間見て、あれ?コイツってもしかして…?ってドキドキするのが良いのだよ、わかってねーなコイツ
「…はぁ?」
「あ、オマエ、なんだその目、俺をバカにしてるな?」
「いえ、ちょっとキモいなって思っただけです」
「誰がキモいだ」
とりあえず、俺はそんなに疑わしいのならちょっと浜波クンに頼んで、ちょっと前髪上げてみてくれと頼んでみろよと五月雨に勧め、五月雨はそんなバカみたいなハナシ…エロゲーも大概にしてくださいよと言いつつも浜波クンに頼んでみた
「え…?ま、前髪?ですか?」
「えぇ、ちょっとだけでいいんで」
「は、はぁ…じゃ、ちょっとだけ…」
ちなみに俺からは五月雨の背中が邪魔になって浜波クンの姿は見えていないのでネタバレの危険性はない…
「!」
「な、なんですか!?な…なにか?」
「あ、いえ……ありがとうございました」
五月雨は浜波クンにキチンとお礼を言い、俺の方を向くと“マジかよコレ…”言いたげな目をしていた、どうやら五月雨にもわかったらしい、彼女の……浜波クンの持つおそるべき性能が
「…正直、半信半疑でしたが………これはヤバいですね」
「そうか、ヤバいか…」
後に五月雨曰く、おそらくはバルゴのシ●カぐらいヤベーとのコトなそうだ
ーーー
夕雲姉妹戦慄の美少女、浜波クンが退室し、次なる刺客を待つ執務室…
「あと4人は外国の人です、アメリカ2、イギリス1、ロシア1ですね」
「ふ〜ん」
海外の刺客はだいたいロクなヤツがいねぇ気がするな、むしろ旧ソとか会う前からほぼ確実に革命軍のメンバーだろうと確信すらある…
「では次の方どうぞー」
執務室の扉か勢い良く開き、なにやら元気の良さげなキンパツのリトルガールが入室してきた
「Nice to meet you. Lucky jervis!来たわ!そう、もうゼッタイよ!任せておいて!」
「はぁ…?えー…ナニ?ジャーキー?」
「Jervisよ!ジャーヴィス、アナタがAdmiralネ!」
「如何にも、俺がこの基地で一番偉い絶対支配者の提督様だ」
キンパツガールのジャーヴィーくんは絶対支配者である俺に臆する事なくヨロシクねーと言い、俺が着席を促すと、遠慮なく座った、そう、ゼッタイ的に遠慮なく…
「…ジャーヴィーくん、だったかね?」
「ナニ?Darling?」
俺はたしかに着席を促したが、何故このガキは俺の膝の上に着席をしたのだろうか?これはなんだ…?英国式着席と言うものだろうか…?あと、今コイツなんて言った?ダージリン?ダージリンだよな?
「うわ…」
五月雨のヤツは既に受話器を手に取りいつでもプッシュボタンを押す準備が出来ている…
「ArkからAdmiralはとっても良いGentleだから良くして貰いなさいって!」
「へ、へぇ〜…」
Ark…?あの田舎騎士か、あのヤロウ…いったいナニを吹き込んだんだ!?五月雨は既に1のボタンを1回プッシュしたらしい…
「ところでジャーヴィーくん、ジャーヴィーくんの国だと年上の男はDarlingと呼ぶのかね?」
嗚呼きっとそうだ、そうに違いない、間違ってもダーリン好きだっちゃとかそーゆー類のDarlingではない、きっとアレだ、パパとか親戚のアンクルを呼ぶのと同じとかそんな感じだろう、きっとそう…ゼッタイ!
「アハハハハ!ないない!DarlingはDarlingにしか言わないよー」
五月雨は更に続けて電話機のプッシュボタンの1を押した
いかん、このままでは未来永劫鬼畜にも劣るはロリコンのペド野郎の烙印を押されてしまう…ッ!
「だ………大雪山落としーッ!」
俺はジャーヴィーくんの両肩を掴んでその身体を持ち上げて床に叩き落とした
「ぎゃっ!?な、なにするの!?」
「ハー……ハー……危なかった、ジャーヴィーくん、椅子、そっちの椅子に座りたまえ!椅子に!」
「う…あ、うん、Darlingがそーゆーナラ」
「あと、そのダーリンってのはやめてくれ、そんな呼び方は俺には効かない」
「え?なんで?」
「やめてくれ」
俺は努めて紳士的にやめてくれと頼み、ジャーヴィーくんはしぶしぶと言った感じでワカッ・ターと目に見えて不満げな顔で答えた…
「マァいいや、あ、そーだ、Darling!今日のdinnerは一緒にしましょう?ArkもWarsもきっとそれがOKよ!」
「いや、今日は遠慮しておこう」
っーかDarling言ってるし、グイグイ来すぎだろ、なんだコイツ………ってかこのガキ、今、陛下の事をウォースとか呼ばなかったか?
「そう、じゃ!明日にしましょう!そうね!ゼッタイよ!」
う〜む、なんとも扱いに困るガキだなオイ
次回は後編、新たな革命軍とボクの国からやって来たボイン空母